コンゴで性暴力の被害に苦しむ人々の治療に当たってきたデニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)医師のインタビューを見ました
NHK Eテレ こころの時代~宗教・人生~「沈黙は共犯 闘う医師」
の字幕の書き写し
(インタビュー)
広島で被爆者の方の話を聞きました
その言葉は私が今後の女性たちから聞く言葉と重なりました
戦争に対する戦いとは相手を自分と同じ人間としてはいないと言うことに対する戦いです
相手を人間と思わず物のように破壊してしまう発想
他者を人間と思えなくなった瞬間
つまり自分と同じような人間としての痛みや感情を
相手はもう持っていないと思うようになった瞬間に
やり方はどうであれ始まるのが戦争だと思います
激しい暴力を伴うレイプも他の兵器と一緒です
他者の気持ちになって考え
感じ取ることができる力それが平和と言うことです
(広島での講演)
私の人間性は皆さんの人間性と切り離せません
それを心からお伝えしたいのです
アフリカには「ウブントゥ」と言う哲学的な言葉があります
「他者を通してのみ人は存在できると」言う言葉です
他者の人間性を認めれば自然に尊敬しあう関係が生まれます
私たちは皆互いに依存しあっていることに気づくからです
皆がいるからこそ私も存在できる
皆さんが負った傷は私にも響き
人間としての私を深く動かすものなのです
人類史上現在ほど人々が互いを必要としている時代はないと思います
しかし 今世紀前半 これまで苦労して獲得してきた人間社会の進歩に逆行し
ナショナリズムとポピュリズムが再び台頭しています
他人への恐怖心をあおり無知や無関心を増大させ
非民主主義的な計画を推し進めようとするポピュリスト
我々はそれを止める壁にならなければなりません
抵抗もせず 目を閉じた状態から抜け出さなければいけません
歴史から学ぶ必要があります