「災害は忘れた頃にやってくる」という格言があります

先日、津島高校1年生4名が「探求学習」のために、「弥富の防災」をテーマに弥富防災・ゼロの会の活動についてヒヤリングにみえました。

質問の趣旨を生徒さんに質問しながらお話しました。

高校生に戻った気分で読んでいただければ幸いです

以下、当日お話した記憶をメモしました

 

「災害は忘れた頃にやってくる」という格言があります。

字面通りに受け取ってもらえば良いと思いますが、

では、あなたが災害を忘れてるか忘れていないか、

ということに関して言えば、

そもそも災害にあった経験がない、ところに問題があります。

 

では災害とは何か。

「天災か人災か」という点から考えていましょう。

天災という言葉は、人間社会にとって害悪であって、有益なものは一つもありません。

 

災害とは何でしょう。

人が誰もいない太平洋上の台風はどんなに風雨が激しくても、

単なる自然現象で、人的物的被害はありえません

 

伊勢湾台風は、今から65年前に、日本に上陸しました。

例えば、鍋田干拓の堤防。これが、きちんとコンクリートで覆ってなかった。

なので、伊勢湾台風による高潮による海面の吸い上げ、風による吹き寄せによって、海抜4 mの高潮になった。

 

堤防を計画し設計し施工した国は、それを想定していなかった。

そして、荒波が無残にも、コンクリートで覆われて、いない堤防の裏面を削って堤防を崩し、鍋田干拓に海水が流れ込んだ。

さてこれは天災でしょうか。

 

ここまでは、事前の備えを怠ったというお話。

次に「フーエル・セーフ」のお話

どんなに備えてもミスはあります、そこで、防禦が破られた時の

被害を回避もしくは、被害を最小限に抑える多重防禦。

 

台風や洪水で堤防が崩れて水が入る可能性があることは

この地方の出身者なら常識でした。

地元海部郡から鍋田干拓に入植した人は、

堤防は何度も崩れているということを知っていたので、

早めに逃げた人もいるようですが、

長野県など、山間部から入職した人は、山が崩れることはよく知っていても、堤防が崩れると知らなかったので、多くの人が逃げ遅れて亡くなってしまった。

 

これも、正しい情報を伝えなかった人災であって天災とはいえません。

なぜ人災か。

台風が悪いわけではない。

それに対する備えをしなかったこと、

 

仮に、想定超えていて堤防が破壊されたとしても、

台風がくれば堤防が破壊されるかもしれないということをきちんと入職者に知らせ、高いところに逃げておくということを、教えておけば、少なくとも死ぬことはなかった。

それが、災害であり、災害は忘れた頃にやってくるという言葉の意味です。

 

忘れる以前に、自分が今住んでいるところに、どのような自然の災害のリスクが潜んでいるかを常に自ら調べるという。

大人の行動が必要です。

 

大人の行動とは、自ら調べたことについて、

そのリスクを回避するために、自分の判断と力でどこまで行動ができるかということです。

そして、さらにそれを深掘りしたときに、自分から調べずに、どうしたらいいどうしたらいいというのは子どもです。

 

もちろん、誰かに聞かなければ、何もわからないので、聞くことはいいことです。

ただ聞くというのはどうしたらいいかを聞くまでのではなく、

どういう危険が潜んでいるのか、

その危険が潜んでいる根本的な理由は何かということを聞くということです。

自ら調べるということです。

 

根本的な問題が正しく把握されたときに、解決策というのは、すごくたくさんの種類があります。

簡単だけど効果が薄い方法、難しいけど効果の高い方法、それを選択するのはあくまで大人としての人間です。

 

その選択を常に迫られるという意味で、どうしたらいいかというクイズを出されて、大中小を選ぶのではなく、

自分たちで問題を作って根本的に調べ続ける姿勢が、必要だということです。

 

また忘れた頃にやってくるという格言の肝は、

過去の情報を忘れる前に、状況は日々変化していることに気を付ける必要があります。

 

前提条件として、昨日調べたことが、今日そのままということもありません。

さらに、解決策についても、常に変化し進化してるわけですので、

常に最新の情報をにデータを入れ替えておく必要があります。

 

その上で、災害という。

変数がインプットされたときに、自分の中の方程式に当てはめて、どれが最適かということを常に計算をし直すということです。

 

そしてその方程式は、完全がない無数の方程式です。

だから、スポーツの世界でよく言われている

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ということで、

 

運よく勝ってしまったことについて、反省する必要はありません。

しかし、負けたときには必ず、訳があるわけで、

それを運が悪かった。で済ますのではなく、

いかに負けないかという、あるいは負けるにしてもいかに負け方が少ないかということを常に考え続けるのが大人の態度です。

 

最後に「大人とは」ということです。

皆さんは周りの人間が災害に対して危機意識が薄いということに危機感を持っていると思います。

だから駄目なんだ

で終わってしまったのは結局、あなたは子どもだということです。

 

大人というのは自分だけでなく、周りの人間も含めて、

常に変化するこの自然や社会環境の中で

防災に対する備え、個人の備え、地域の備え、公共の備え、

その前提条件の中で、目の前の人と自分に繋がる様々な人に対して、

大人として常に正しく見て判断し、働きかけるという。

ことができてこその防災です。

 

つまり「防災とは大人になる」ということです。

さらに付言するならば、

探究学習というのは、皆さんが大人にがなれるかどうかの試練は与えているということです。

 

なので、自ら調べ、自ら大人として、判断し、

見て聞いたことについて自分ならどうできるか

自分が他の人にどう働きかけるか、

というところまで行ってこその大人であり、

大人への成長過程を促すのが探究学習だということを忘れないでください。

 

探究学習の課題が正しく認識できなければ、

課題に答えたとはいえないと思いますし、

 

学習時間に費やした時間が

あなたの人生にとって、意味のあるものなのか、ないものかを

左右するポイントになります。

津島高校生として自律して考え高度できる、自立した大人への歩みを進められること祈念します。

  • imowoarausaru

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