以下は建築の専門家の分析です
1 十四山西部小の校舎は、昭和47年建築で52年が経過しています。
2 土地の標高が、4校のうちで一番低く(TP-1.9m)で、伊勢湾台風の被災水位(TP+3.9m)を当てはめると2階まで水位が上がってきます。とても避難所に使える建物ではありません。
3 既設校舎は4mの摩擦杭しか打っていないので、今後想定される南海トラフ地震では、液状化 で建物に大きな被害が出ることが予想されます。
北館の杭の長さ:L=4.0m 新館の杭の長さ:L≒42.0m
4 安藤正明市長は、増築する面積を増やして全ての子が新校舎で生活ができるようにすると言っていますが、特別教室、体育館、プールは古いままです。
- スクールバス13台が朝夕運行すると、徒歩通学の子供の安全確保が難しい上、近隣民 家や児童クラブに多大な迷惑をかける。
- 杭打ち工事では、長さが15m程度のポールトレーラーが出入り出来るか疑問である。
- 工事中、生コン車や、大型車両が児童クラブの廻りを出入りし危険である。
- 音楽室は現状、普通教室5教室分の広さがあるが計画案では普通教室分の広さしかない。楽器を置くスペースや、簡易ステージを設ける広さがありません。統合前の他の学校の音楽室のほうが、充実した施設です。
- 給食室は拡張しても面積が狭いうえ、真中に柱が出てくる上、床もEXPJ金物が出てきて調理員さんが躓く可能性がある。給食用リフトまわりも狭く、ワゴン車の収容が困難で混雑が予想される。
- 給食室は保健所の指導で加熱調理室・洗浄室・和え物室・下処理室・検収室・食品庫・更衣室 に区画する必要があり、計画案では狭すぎる。
- 給食室の増築部分でも杭打ち工事が発生するが狭い場所で困難をきたす。
- 渡り廊下部分で杭の種類が違う為、段差が生じワゴン車や車椅子の通行に支障をきたす。
- 増築教室の廊下の幅 十西小 ⇒ 7m 日の出小 ⇒ 5.5m
- 北校舎改修工事中は給食が提供できない。
- 給食用物資を搬入する車の駐車スペースが狭くなり、支障をきたす。
- 北校舎改修工事中は特別教室(理科室・家庭科室・図工室)の水を使う授業が出来なく なるが、新校舎には対応できる部屋がない。
- 北館東の校舎を解体する時は騒音と振動で授業に支障をきたす。
- 工事エリアのスペースが狭いので、工事関係者の車を駐車する場所がない。
- 建築確認申請を提出すると、南側に新設する校舎は支障がないが、既存校舎の耐震壁を 撤去する案であるので耐震診断のやり直しが必要になる。耐震診断で安全が確認できなければ、建築確認申請は、合格にはならない。結果、計画の見直しが必要になる。
- 「しらべの箱」及び「飾る箱」は継続的に使用すると、(建築基準法施行令第19条)学校の居室の採光は床面積の1/5以上の有効な開口部が必要です。部屋名を箱としたことで居室でないと主張することは脱法行為ではないでしょうか。
- 理科室も年中、日影になります。事務所ならともかく小学校の建物で、十分な自然光が入らない建物で宜しいでしょうか。
- 図書室及び展示室に使うから自然光は不要という理屈でしょうか。
(注)十四山西部小の南側の敷地を嵩上げして全てを新築すれば安全面でも機能性も格段によくなる。バスターミナルは水路を挟んだ東側の駐車場に設ける案である。学童への悪影響は減り、工事も容易になる。十四山西部小にこだわるのであれば、この案が最善である。ただし、東駐車場の用地拡張で地元同意と農地転用が必要になる。用地買収分が十四山中跡地で建設した場合より高くなる。
5 既設校舎と建物の床の高さを揃える必要があるため、新校舎の2階も浸水の被害は避けられません。水害対策には、土地の嵩上げが必要になります。
6 北館の耐震壁を撤去する計画ですが、仮に耐震診断でOKになるとしても、最低限の耐震性を確保するだけでよいのでしょうか。
この図面は弥富市ホームページの「説明会資料」に加筆しています
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