やっぱり三越は格が違った…「イタリア展」炎上で見せた、老舗ブランドを守る「一流の謝罪文」の中身 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
上記を読んで以下のように考えました
【コラム】三越の「圧倒的防衛術」に学ぶ、弥富市・官製談合問題からの信頼回復シナリオ
日本橋三越本店が直面した催事テナントの「不適切動画炎上」に対する鮮やかな火消しは、危機管理の理想形として多くの賞賛を浴びた。「事態の把握から謝罪までの異例のスピード」、そして何より「場を提供しただけの自らを当事者(自分事)と位置づけ、不適切行為に対して断固たる怒りと責任を示す姿勢」が、老舗の看板(ブランド)を守り抜いたのである。
翻って、行政機関における不祥事、とりわけ自治体を揺るがす「官製談合問題」の対応はどうだろうか。
現在、市政への信頼回復が急務となっている弥富市は、この三越の危機管理術から、再発防止と信頼回復に向けた重要な「3つの教訓」を学ぶことができる。
1. 「個人の犯罪(他人事)」から「組織の責任(自分事)」への転換
官製談合が発覚した際、行政側が陥りがちな悪手は「一部の不心得な職員が引き起こした個人的な犯罪である」と切り離してしまうことだ。
これは、高島屋のケーキ崩れ騒動における「原因不明(当社の直接の責任ではない)」という姿勢に通じるものがあり、市民の目には「責任逃れ」や「他人事」として映る。
三越は、直接の過失がテナントにあったにもかかわらず、自らのブランド下で起きた事態として全責任を負った。
弥富市も同様に、逮捕者や関与者個人の問題に矮小化するのではなく、市長をはじめとする市役所全体が「長年見過ごしてきた組織構造と風土の責任である」と真っ向から引き受ける姿勢(自分事化)を、市民に対して明確に示す必要がある。
2. 「調査中」というゼロ回答を捨て、断固たる「怒り」を示す
不祥事発覚直後の記者会見で頻発する「現在、捜査機関の調査中であり、詳細なコメントは差し控える」「全容解明を待って厳正に対処する」という定型句。これは法務的・実務的には正しいかもしれないが、危機管理コミュニケーションとしては落第である。
三越の謝罪文が評価されたのは、「今回の事案は明らかに不適切なものである」と、身内(テナント)に対する問答無用の怒りと決別を表明した点にある。
弥富市も、第三者委員会や警察の捜査結果を待つ前に、トップ自らが「市民の血税と信頼を裏切る、行政として到底許されざる行為である」という強い言葉を発信し、不正に対する「ゼロ・トレランス(完全不寛容)」の姿勢をいち早く打ち出すべきだ。
3. 「ペヤング式」の痛みを伴う抜本的改革案の提示
まるか食品(ペヤング)は虫混入騒動の際、自社の心臓部である製造ラインを長期間止め、莫大なコストをかけて工場を大改修した。
この「身を切る改善」があったからこそ、消費者は再び同社を信用したのである。
弥富市における官製談合の根絶にも、この「工場の停止」に匹敵する荒療治が求められる。
単なる「職員向けの倫理研修の徹底」や「誓約書の提出」といった表面的な対策(やってる感の演出)では、市民の納得は得られない。
例えば、従来の入札制度を一時的に凍結してでも、AIを活用した入札プロセスの完全自動化・ブラックボックス化の排除、あるいは外部の独立監視機関に強い権限を与えたプロセスの全面公開など、「そこまでやるか」と市民が驚くレベルの抜本的かつ不可逆的なシステム改修を実行する必要がある。
結びに:「市役所の看板」を守るのはトップの覚悟
百貨店にとっての最大の資産が「ブランドへの信頼」であるように、自治体にとっての最大の資産は「市民からの信頼」に他ならない。
不祥事を完全にゼロにすることは難しいかもしれない。
しかし、起きてしまった後の「振る舞い」によって、その組織の真の価値が問われる。弥富市がこの官製談合という深い傷から立ち直るためには、言い訳を排し、即座に責任を背負い、痛みを伴う改革を断行する「圧倒的な防衛術」が今こそ求められている。