西谷修さん講演「激動の時代の日本の針路」あいち総がかり行動
13:50から本番です
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「アメリカの自由の地金」 トランプ氏の強権的・取引的な態度は異常事態ではなく、アメリカという国家の根底にある本質(不動産屋的な発想)が剥き出しになった姿。
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「西側による世界制覇の時代の終焉」 現代の「激動」の正体。20世紀から続いた、アメリカとヨーロッパを中心とする西洋的価値観によるグローバル支配システムの崩壊。
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「未来を食い尽くす西洋文明」 早く、効率的に大量消費を繰り返し、時間を先食いして自滅していく西洋システムの本能と限界。
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「戦争に懲りない国、アメリカ」 二度の世界大戦で本土に打撃を受けず、戦争で莫大な利益を得てきたため、システム自体が戦争を必要とする(軍産学複合体)特異性。
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「新しいイスラエルを作る」 アメリカの建国(先住民の土地を奪う)とイスラエルの建国は同根の神話に基づく。アメリカが決してイスラエルを見捨てない根本理由。
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「泥舟に乗って共に没落する」 世界のマジョリティではなくなり、機能不全に陥ったG7や西側諸国に、いまだにしがみつこうとする日本の危ういスタンス。
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「二度の『脱亜入欧』の成れの果て」 明治期と戦後(対米従属)にアジアを足蹴にして西洋に従った結果が、現在の日本の「失われた30年」であるという痛烈な指摘。
「激動の時代の日本の進路」論点整理
テキスト全体の構造と主張を、4つの大きな論点に整理しました。
1. 「激動」の根本原因は「西側支配の崩壊」
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冷戦後の「グローバル秩序」は、実のところ西側が世界を制覇・管理するための都合の良いシステムだった。
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国際法を無視した「テロとの戦い」の泥沼化により、アメリカが押し付けてきた「敵か味方か」の二元論が破綻した。
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G7のGDPや人口を合わせてもすでに世界のマジョリティではなく、その枠組み自体が形骸化しつつある。
2. アメリカの真の姿とトランプの行動原理
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アメリカ合衆国(合州国)は、ヨーロッパのような主権国家の成り立ちとは異なり、無主の地を「不動産」として奪い、売買することで拡大した歴史を持つ。
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トランプ氏の行動には「民主主義を守る」といった西側特有のイデオロギーはなく、純粋な損得勘定とディール(不動産屋的発想)に基づく。
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同盟国への高関税やNATOの軽視は、世界統治からの撤退(アメリカ・ファースト)を意味しており、これに依存していたヨーロッパはパニックに陥っている。
3. 多極化する世界と「グローバルサウス」の台頭
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西側の搾取から抜け出そうとする「第三世界(グローバルサウス)」が、大国の思惑に絡め取られず、独自の自立と連携を始めている。
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その根底には、東西どちらの陣営にも属さず、平和と協力を目指した1950年代の「バンドン精神」が息づいている。
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「西洋的価値観」の共有を絶対条件とする閉鎖的なG7に対し、実利と相互支援を求める多くの国々はBRICSへと合流し、すでにG7の規模を凌駕している。
4. 激動の時代における「日本の進路」
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現状の誤り: 「アメリカは必ず守ってくれる」と盲信し、G7の枠組みにしがみつくことは「泥舟」に乗る行為。構造改革や軍備拡大など、アメリカの要求に追従し続けた結果が「失われた30年」を招いた。
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思考の脱却: 「アメリカがこう言っている」と思考停止する「親米エリート」の視点を捨て、独自の立ち位置と世界観を持つ必要がある。
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進むべき道: 日本は西洋化の「良さ」と「悪さ」を両方経験してきた稀有な歴史を持つ。この経験を活かし、これからの世界秩序の中心となる第三世界(グローバルサウス)と連携していくことこそが、日本の生き残る道である。
激動の時代の日本の進路(講演のAI要約)
1. 「激動」の正体が見えない現代
今回のテーマは「激動の時代の日本の進路」ですが、困ったことに「何が激動なのかがよくわからない」というのが今の時代です。
誰もが「何かとんでもないことが起こっている」と感じ、世界中がその動きに揺さぶられています。
しかし、個々のニュースとしての出来事は分かっても、「それが全体として何を意味しているのか」が全く見えていないのが現状です。
日本が今後どうすべきかを考えるためには、まず「今、世界で何が起こっているのか」の全体像を捉える必要があります。
それが分かれば、自ずと日本の進むべき道も見えてくるはずです。
2. 全ての大元は「アメリカ」
世界で起きている激動には様々な要因がありますが、全ての大元はアメリカにあります。
アメリカはここ半世紀にわたり、自由と民主主義を掲げる世界のリーダーとして君臨してきました。
(先ほど中谷さんもお話しされたように)最大の核兵器を持ち、先制攻撃の可能性を完全に否定することなく、圧倒的な抑止力として世界に睨みを効かせてきた存在です。
3. トランプ大統領の再選と世界の動揺
そのアメリカで、一度は権力の座から引きずり下ろされ、犯罪者として訴追までされたトランプ氏が、再び多くの支持を集めて大統領に返り咲きました。
これを受け、多くの人々はパニックに陥っています。「アメリカに専制君主のような指導者が誕生し、ロシアのようになってしまうのではないか」「トランプはプーチンと親しいから、アメリカがロシア寄りになる」と大騒ぎし、ドタバタしているわけです。
4. 右往左往する日本
トランプ氏の登場によりアメリカの振る舞いが大きく変わるため、各国はどう対応すべきか頭を抱えています。
日本も例外ではなく、総合関税などの懸念から右往左往している状態です。
しかし、日本の基本的なスタンスは「アメリカは絶対に日本を守ってくれる、裏切らないはずだ」と必死にしがみつくことです。
「日本は味方なのだから」と説得を試みており、USスチールの買収問題なども絡む中で、一応そのような対応をとっています。
5. 剥き出しになった「アメリカの自由の地金」
では、この状況は一体何を意味しているのでしょうか。トランプ氏は単なる暴君なのでしょうか。
そうではありません。
私たちは、これこそが「アメリカの自由の地金(本来の姿)」であるということを理解しなければなりません。
今の状況は、トランプ氏の再選によって、アメリカにおける「自由」の真の姿が完全に剥き出しになったということなのです。
崩壊した西側の秩序と「テロとの戦い」の終焉
1. 二度と復活しない「西側主導の世界秩序」
現在のアメリカは、ニュースなどを見ると半分内戦のような状態です。
しかし、選挙で勝利したトランプ氏が権力と軍隊を掌握している以上、どうしようもありません。
アメリカ国内の分裂が浮き彫りになったことは、「アメリカが『西側』を代表して世界を統治する」というこれまでの秩序が崩壊したことを意味しています。
そして、この秩序が再び復活することはありません。
しかし、西側のメディアや政治家、評論家たちはこの現実を理解しておらず、ただ右往左往(愚を晒す)しているのが現状です。
2. かつての「第三世界」の挫折とグローバル化
これからの世界秩序を考える上で重要なのが、かつて存在した「非同盟諸国会議(第三世界)」の動きです。
西洋の長い植民地支配によって土地も人も搾取され尽くした地域が、「アメリカやソ連の言うことなど聞けるか。
大国のイデオロギーに振り回されず、地域の独立と自立、連携を進めるのだ」と立ち上がったのが始まりでした。
しかし、彼らは大国からの圧力を受け、まとまった大きな力を発揮できないよう妨害され続けました。
特に冷戦後、「グローバル世界」が成立し、世界中が一元的な市場経済(新自由主義)に飲み込まれる中で、第三世界の国々は厳しい立場に立たされました。
3. 押し付けられた「テロとの戦い」という二元論
その際、西側(グローバル世界)は「もはや第三世界など存在しない」と宣言しました。
そして、世界には「文明秩序の繁栄を守る側」と「それを壊そうとするテロリスト」の2つしかないとし、「我々(味方)につくか、敵につくか。
敵につけば地の果てまで追い詰めて殲滅する」と強要したのです。
これが当時のアメリカが作り出し、西側諸国も追従した「テロとの戦い」の構造です。
「どっちつかず(第三の立場)は許さない」という強烈な圧力により、第三世界と呼ばれた地域は、再び大国の草刈り場になりかけました。
4. 国際法無視の限界と「テロとの戦い」の破綻
しかし、この「テロとの戦い」という体制は、国際法を完全に無視した暴力的で無茶苦茶なものだったため、自ら破綻を招きました。
約10年後、オバマ政権時代にアメリカはオサマ・ビンラディンを殺害しました。
これも本来なら独立国(パキスタン)への特殊部隊の潜入・爆殺であり、明らかな主権侵害であり戦争行為です。
アメリカは「国際法は自分たちが決めるものだ」という態度でこれを強行し、テロとの戦いに区切りをつけようとしました。
ところが、実際には全く終わりませんでした。
イラクでは潰しても潰しても新たなテロリストが生まれ、「アラブの春」を引き起こしたもののシリアなどは泥沼化し、アフガニスタンでも果てしない戦いを続けざるを得なくなったのです。
5. アフガニスタン撤退と「二分法」の終わり
収拾がつかなくなったアメリカは、9.11から20年後の2021年8月、ついにアフガニスタンのカブールから撤退します。
米軍のために働いていた現地の人々が、見捨てられないよう必死にヘリコプターにしがみつくのを振り払って逃げ帰る姿は、ベトナム戦争終結時の大使館脱出と全く同じ光景でした。
こうして、アメリカの「テロとの戦い」は終焉を迎えました。
これが意味するのは、「敵か味方か」というアメリカの押し付ける二分法の中に自分たちの生きる世界はないと悟った国々が、それぞれの地域で独自の国づくりを模索し始める時代に入ったということなのです。
「グローバルサウス」の台頭とバンドン精神
1. 新たな連帯と「グローバルサウス」の自立
グローバル経済によってめちゃくちゃにされても、自分たちの国を立て直そうと声を上げる国々がだんだんと増えてきました。
西側の発想(ゴールドマン・サックスのシンクタンクなど、世界の「余分なところ」を管理しようとする人々)では、彼らのことを「グローバルサウス」と呼びます。
しかし、彼らには強い自立の意志があります。アメリカや中国といった大国の思惑に一方的に絡め取られることを拒み、苦境にある国々が相互に助け合い、連携する動きが出てきているのです。
例えば、イスラエルによるジェノサイド(集団殺害)を国際司法裁判所にきちんと訴えたり、国連で非難決議を主導したりしたのは南アフリカです。
アフリカ、ラテンアメリカ、アジアなどの比較的遅れたとされてきた国々が、「西側でも東側でもない」「文明国でもテロリストでもない」という独自の繋がりを持ち始めています。
2. 根底にある「バンドン精神」
歴史的に見れば、このグローバルサウスの連帯を支え、結びつけているのは「バンドン精神」だと言えます。
バンドン精神とは、冷戦構造が固まりつつあった1950年代、次々と独立を果たした元植民地の国々が、「東西どちらの陣営にも加わらず、自分たちの発展と平和、相互協力をどう維持していくか」を話し合ったことに由来します。
最初に集まったのはインドネシアのバンドンで開かれた「アジア・アフリカ会議(バンドン会議)」でした。
3. 指導者たちの挫折と「非同盟諸国会議」への再編
当時のバンドン会議には、エジプトのナセル、インドネシアのスカルノ、インドのネルー、中国の周恩来、そしてアフリカのンクルマなど、多くの重要人物が集まりました。
しかし、彼らの連帯は長くは続きませんでした。
ナセルは死去し、インドと中国は国境紛争を起こし、スカルノはクーデターで倒れ、ンクルマは失脚(あるいは暗殺)されるなど、会議を担った指導者たちは次々と表舞台から姿を消してしまったのです。
それでも「この連帯を続けなければならない」と、1960年代に入ってから開かれたのが「非同盟諸国会議」です。
ここにはラテンアメリカの国々が一気に参加し、ユーゴスラビアなども加わって、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの連携を模索していきました。
4. 国際的マジョリティとしての「第三世界」
冷戦終結後の1990年代、この非同盟諸国会議はリニューアルされ、実は現在でも活動は続いています。
しかし、いわゆる国際政治の舞台では全く認められず、事実上の力を持てていません。
それはなぜか。1980年代までに「第三世界」の力が大きくなることを西側が警戒したからです。
なぜなら、数や規模で言えば、彼ら(第三世界)こそが世界の「国際的マジョリティ(多数派)」だからです。
「自由と民主主義」の裏側とBRICSへの合流
1. 西洋的価値観の強要
日本の外交方針にも「西洋的価値を共有する国々と連携する」とあるように、G7に入るためには「西側との価値観(自由と民主主義)の共有」が絶対条件です。
どれほど経済的に発展しようとも、イランのようなイスラム国家がG7に迎え入れられることはありません。
西側の論理では、この価値観を持たない国は、徹底的に空爆されて体制転換(レジームチェンジ)を受け入れない限り、西側の仲間としては認められないのです。
この閉ざされたG7の枠組みから排除された国々が、「我々が結束すればG7に対抗できるのではないか」と集まったのが、BRICSの始まりです。
2. イラクに見る「民営化」という名の搾取
西側の押し付ける「自由と民主主義」の実態は、イラクの惨状に象徴されています。
イラク戦争でフセイン体制が崩壊した際、イラクが国家として持っていた石油の利権は、「民営化(プライバタイゼーション)」の名の下にすべてアメリカの石油メジャーに奪われました。
さらに、戦後の復興事業も、アメリカの連合国暫定当局(CPA)のブレマー代表らによって、米英の軍産複合体に売り渡されました。
その結果、イラクには自国を復興するための資産が何も残されておらず、自力で発展できない状態に追い込まれてしまったのです。
3. G7を凌駕し、拡大を続けるBRICS
資産を奪われ苦境にある国々を、一体誰が助けてくれるのでしょうか。それはもはやBRICSしかありません。
そのため、G7以外の多くの国々がBRICSとの連携や加盟を強く希望しており、今やBRICSのGDP(国内総生産)と人口はG7を完全に凌駕しています。
かつてこれらの国々を植民地にし、人も土地も搾取し尽くしたのは西側諸国です。
それなのに今になって、「ロシアや中国の味方をするな」と都合よく「グローバルサウス」と呼び、援助という名の餌を与えて引き留めようとしています。
しかし、搾取されてきた国々はもはやG7を頼りにせず、BRICSを中心とした大きなグループへ合流しようとしているのです。
4. 「未来を食い尽くす」西洋文明の限界
この新しいグループの根底には、大国のイデオロギーに縛られず平和と協力を目指した「バンドン精神」が息づいています。
もしこの世界が今後も存続するとすれば、これらの国々が生き残っていく道にしか、世界の未来はないでしょう。
なぜなら、西洋文明の本質は「より早く、効率的に、大量に作り、そして大量に消費して壊す」ことであり、自らの「未来を食い尽くしていく」ことだからです。
「終わりの日は近い、悔い改めよ」と神のために戦う終末思想のように、未来を次々と先食いしていくのが西洋文明の原動力であり、本能です。
5. 西側の「世界制覇」のシステムの崩壊
西洋文明はあまりにも早く時間を消費し尽くしたため、人間にとって本来あるべき未来はすでに崩れ落ちてしまいました。
現代は、その「崩れ落ちた未来の瓦礫」の中で人間が溺れ、ジタバタしている状態だと言っていいほどです。
少し飛躍した表現に聞こえるかもしれませんが、現実として今世界で起こっているのは「西側の世界制覇の終焉」です。西側が築き上げてきたシステムそのものが、今まさに最終的な崩壊を迎えているのです。
地図から読み解く「西側」の正体と、ヨーロッパ国家の成り立ち
1. アメリカによる「世界統治」の時代の終わり
今の時代は、西側という枠組みが意味を持たなくなり、とりわけ「アメリカが独占的に世界を統治する」ということができなくなった時代だと言えます。
「西側のシステムが壊れている」と言うと、なかなか納得してもらえないかもしれません。
そこで、西側の分裂が具体的に何を意味しているのか、少し違う角度からお話ししたいと思います。
2. 大西洋を中心に作られた「NATO」という軍事同盟
一度、世界地図をじっくり見てみてください。日本の地図は太平洋が中心に描かれていますが、それでは世界の本当の姿はわかりません。
世界地図を作ったのは西洋人であり、彼らにとっての標準的な地図は、常に「大西洋」が中心です。
地理的には大西洋をヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸が囲んでいますが、政治的・地政学的に「同じ色」で塗られるのは「ヨーロッパと北アメリカ」だけです。
これが「NATO(北大西洋条約機構)」の正体です。
つまりNATOとは、アメリカとヨーロッパ(西洋)が一体となって世界を統治するための軍事同盟なのです。
3. 私たちの「デフォルトの世界像」の思い込み
私たちは、「アメリカが西洋を代表し、その故郷であるヨーロッパが世界文明の最先端であり、他の国々は彼らを仰ぎ見て手本にする」という世界像を、当たり前の「デフォルト」として受け入れています。
しかし、実はこのような世界秩序が形成されたのは、第一次世界大戦以降のことに過ぎません。
なぜなら、アメリカという国家の成り立ちは、ヨーロッパ諸国とは全く異なるからです。
4. ヨーロッパ諸国と「封建制」の誕生
ヨーロッパの国々は、西ローマ帝国が滅びた土地にゲルマン民族が征服者としてやってきて砦を築き、先住民を統治することで形成されました。
経済・社会的に言えば、ここで作られたのが「封建制」というシステムです。国王が貴族に土地を与え、貴族はその土地で農民を働かせて年貢を納め、外の国と戦う時には軍役を果たすという、日本の幕藩体制よりもさらに強固な仕組みでした。
5. 宗教戦争の泥沼から生まれた「主権国家」体制
しかし、国がいくつもできると、当然のように隣国との間で激しい領土の奪い合いが起きます。
やがて「自分たちはカトリックだ」「プロテスタントだ」と、欲望むき出しの争いが「神のための戦争」にすり替わり、何をやっても許されるという凄惨な「宗教戦争」が約100年間も続きました。
あまりの惨状に「これではもうやっていられない」となり、一つのルールが作られました。
「戦争をしたければしてもいいが、無秩序に戦うのはやめよう」ということで、「1つの領土を、同じ法律で、国王がしっかりと統治している国(=主権国家)」だけが他国と戦争をしてよい、という体制を作り上げたのです。
でも そういう風にしてると あでもね、戦争やれば儲かるっていうもん
トランプの対中姿勢と「イデオロギー」なき対立
1. 経済的ライバルとしての中国
いずれにしても、アメリカにとって現在の最大の標的であり対抗者は中国です。
これまでの西側世界の言い方であれば、「中国は共産主義であり、習近平の独裁体制が敷かれている専制国家だから悪である」というイデオロギーによる批判でした。
しかし、トランプ氏はそうしたイデオロギーで動いているわけではありません。
単に「中国のGDPがアメリカをはっきりと凌駕してきている(経済的に脅威である)」から対抗しているのです。
対抗者である以上、できれば相手が弱体化してほしいとは考えていますが、だからといって「イデオロギーのために戦争を仕掛けて中国を崩壊させる」といったことを、トランプ氏が自ら行うことはないでしょう。
激動の時代における日本の進路
2. G7という「泥舟」と二度の「脱亜入欧」
では最後に、日本はどうなるのか、どうすべきかというお話をします。
結論から言えば、先ほど触れた「第三世界(グローバルサウス)」の話に繋がります。西側による世界統治が終わろうとしている今の時代に、日本が「自分たちはG7の一国だ」「EUと同じ西側だ」と言ってしがみつくのは、泥舟に乗って共に没落していくのと同じことです。
日本は明治以来、二度も「脱亜入欧」を行ってきました。
一度目は明治時代、アジアを足蹴にして「自分たちはヨーロッパだ」と振る舞いました。
二度目は戦後、同じくアジアを足蹴にしながら「アメリカ(新しい西洋)に付き従う」という、新形態の脱亜入欧をやってきたのです。
3. 対米従属の末路と「失われた30年」
冷戦が終わった時、日本には自立する可能性がありました。
しかし、行き先を見定められず、どうしていいか分からなくなった日本は、結局アメリカに盲従する道を選びました。
アメリカの言う通りに構造改革を行い、弱肉強食で貧富の差が拡大するようなシステムを作らされました。
「憲法はそのままでもいいから、とにかく兵器を買え、アメリカの代わりに戦争ができるようになれ」と要求され、台湾危機などを煽られて「はいはい」と従っています。
日本国内には「これで中国と戦争ができる」と喜ぶ連中すらいますが、今、中国と戦争をするほど馬鹿なことはありません。
この二度にわたる「脱亜入欧」と対米従属の成れの果てが、私たちが経験してきた「失われた30年」なのです。
4. 日本の進むべき道:第三世界と共に
この期に及んで、ヨーロッパや西側に組みし続けてはなりません。
日本が目を向けるべきは第三世界(グローバルサウス)です。
日本は、西洋化・近代化の波を真っ先に受け、社会を大きく変えられてきました。
だからこそ、西洋のシステムの「良さ」も「悪さ」も両方知っているという、独自の歴史的経験を持っています。
これから第三世界を中心にして新しい世界秩序が形成されていく時、日本のこの経験は必ず役に立つはずです。
日本の大まかな行き先は、間違いなくその方向(第三世界との連携)にあります。
個々の具体的な政策や案件についても、この「大まかな方向性」に照らし合わせれば、おのずと答えは出てくるはずです。
本日はありがとうございました。