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共働によるまちづくり 第32回北海道自治研集会 第Ⅲ-①分科会(都市生活とまちづくり)愛知県本部/豊田市職員労働組合
自立した地域社会を創る「共働」のまちづくり
本ハンドブックは、平成の大合併を経て多様化した豊田市の現状をふまえ、職員一人ひとりが市民と共に地域課題の解決に取り組むための基本理念と実践手法をまとめたものです。
1. 豊田市の現在地:多様性と課題の交差点
2006年の合併により、豊田市は面積が約3倍(918km²、県全体の約18%)に拡大し、人口約41万人を抱える「日本の縮図」とも言える広大な市へと変貌しました。
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都市部の課題: 自動車産業による発展の反面、市街化区域の拡大による中心市街地の空洞化。
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農山村の課題: 市域の7割を占める森林地帯における次世代の担い手不足、過疎化・高齢化の進行、環境保全の困難化。
合併の基本理念は、東海豪雨の教訓(防災・水資源保全)と市民の多様なライフスタイルへの対応を背景に、「地域の相違を認め合い、持ち味を生かして都市と農山村が共生していく」ことと定めています。
2. まちづくりの基本ルール:「共働」と「都市内分権」
広域化した市域で市民と行政が連携するための2つの基幹条例を制定しています。
(1) 豊田市まちづくり基本条例:「共働」の精神
本市では、一般的な「協働」ではなく、独自の造語である「共働」を掲げています。これは、「共通の目的に対し、それぞれが責任を持って働き、行動する」ことを意味します。
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役割分担の原則:
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地域(市民)でできることは地域で
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行政でなければできないことは行政が
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協力する部分は対等な関係で
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目指す姿: 行政と多様な主体が公共サービスを担う「安心して豊かに暮らせる自立した地域社会」の構築。
(2) 豊田市地域自治区条例:「都市内分権」の推進
全市一律の施策ではなく、地域事情を反映させるための仕組みです。
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地域自治区の設置: 市内を12の地域自治区に分け、身近な支所等に事務所と「地域会議」を設置。
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地域会議の役割: 月1回程度開催。地域の多様な意見を集約・調整し、地域の課題検討、市への答申・提言を行います。地域でできる対応策を考え、行政と連携して課題解決に向かいます。
3. 「共働」を実践する具体的な仕組み
共働の担い手を育て、活動を支援するための制度を運用しています。
(1) わくわく事業補助金
住民主体で地域をつくる活動に対し、市が助成を行う制度です。地域会議が審査し、支所長が決定するという、地域分権を体現した仕組みです。
【対象となる主な事業】 保健・医療・福祉、伝統・文化・スポーツ、安全・安心な地域づくり、環境改善・自然保護、子どもの健全育成、地域特性を活かした産業振興など。
(2) つなぎすと(市民活動コーディネーター)
市民活動団体同士のネットワーク構築や、団体と行政を繋ぐ「コーディネーター(潤滑油)」です。公募市民が約1年間の講座・研修を経て認定され、NPOや地域団体を伴走支援します。
4. 職員の意識と今後の課題
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推進体制: 「共働推進課」の設置や各部局への責任者配置により、業務上のパートナー意識は庁内に浸透しつつあります。
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現状の課題: 業務を離れた「一市民」としての共働意識(市民活動への参加率等)は、まだ約半数にとどまっています。
5. 持続可能な公共サービスに向けた労働組合の提言とアクション
多様化する市民ニーズに対し、行政のみによる公共サービスの提供は限界を迎えています。
【課題の考察】
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地域間格差への配慮: セーフティネットは行政が責任を持ちつつ、地域の自主性に委ねる「プラスα」のサービスにおいては、過疎化等による担い手不足が地域間格差を生まないよう、代替手段等の配慮が必要です。
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中間支援の拡充: 「つなぎすと」やNPOをサポートする機能の充実が不可欠です。
【労働組合からの7つのアクションプラン】 公務員への視線が厳しさを増す中、職員(組合員)自らが社会貢献を率先して行うことが信頼回復に繋がります。
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市民活動団体と連携し、組合員にボランティア参加の機会を提供する。
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連合を中心に、官民一体となったボランティア活動へ一般組合員の参加を呼び掛ける。
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市民活動・ボランティアに関する自主勉強会や講習会を企画する。
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連合愛知主催の「ボランティアリーダーズスクール」を受講し、意識啓発を図る。
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同スクール受講者を市民活動へ参画させ、職員からの「つなぎすと」養成に繋げる。
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ボランティア休暇の利用促進を図る。
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当局に対し、ボランティア休暇の適用範囲拡大を働きかけ、共働しやすい環境を整える。
結びに
地方行政が厳しい状況下にある今、行政経営には「住民とのつながり(共働)」と、持続可能な地域社会を創る「創意工夫」が不可欠です。
私たち豊田市職員、そして労働組合は、既成概念にとらわれることなく、自らが新たな政策を発信し、地域と共に歩む集団へと進化していくことが求められています。
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