
愛知県弥富市で20年以上にわたって続く、市有地(公共用水路敷地)の不法占拠問題が新たな局面を迎えています。市は2024年7月に最高裁判所で「擁壁撤去と土地の明渡し」を命じる勝訴判決を勝ち取ったにもかかわらず、現在に至るまで強制執行の手続きを怠り、違法状態を事実上「放置」し続けています。
なぜ、司法の決定が下されたにもかかわらず行政は動かないのか。旧・弥富町時代から続く不可解な利益供与の疑いや、市民の財産を損なう重大な「不作為」を正すため、市民有志がいよいよ市長らを相手取った「住民監査請求」の実施に向けて立ち上がりました。
本記事では、今後提出される予定の監査請求書の内容を紐解きながら、特定の有力者に対する長年の忖度ともとれる不適切な行政対応の歴史と、この問題に潜む法的な闇の全貌を徹底解説します。市民の共有財産と税金がどのように危機に晒されているのか、ぜひ最後までご覧ください。
【弥富市】最高裁の勝訴判決を放置?市民が「住民監査請求」を実施へ(提出予定) ~不法占拠開始から続く不可解な行政対応の全貌~
弥富市が管理する公有地(公共用水路敷地)が長年にわたり不法に占拠されている問題で、市が最高裁判所で「勝訴」を確定させたにもかかわらず、適正な撤去手続き(強制執行)を怠っているとして、市民有志が弥富市長らを相手取り、近く「住民監査請求」を実施する予定です。
現在、有志により提出に向けた準備が進められています。
市民の共有財産はなぜ守られないのか。
そして、なぜ行政は司法の決定を実行しないのか。本記事では、今後提出予定の監査請求書の内容に基づき、旧・弥富町時代から20年以上にわたって続いてきた「市の不適切な対応の歴史」と、市が抱える法的な問題点を分かりやすく解説します。
1. 誰が、何を「怠って」いるのか?(監査請求の対象)
本請求で違法性が問われる予定なのは、市の財産を管理し、法的な措置を講じる責任がある以下の3名による「不作為(なすべきことをしないこと)」です。
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弥富市長(安藤 正明) 最高裁で確定した勝訴判決(擁壁の収去、土地の明渡し)の履行を、正当な理由なく長期にわたり怠っている(地方自治法第242条第1項違反)。
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弥富市副市長(村瀬 美樹) 市長を補佐し、行政事務全般の責任者として、確定判決の履行に向けた措置を講じることを怠っている(同法第169条第1項違反)。
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元建設部長 / 建設部長 公有財産の管理・回復を職務とする長として、強制執行申立などの実務上の措置を怠っている(同法第238条の4第1項違反)。
2. 【詳細経緯】旧・弥富町時代から続く「不可解な対応」と不法占拠の歴史
この問題の真の恐ろしさは、「現在強制執行をためらっていること」だけではありません。不法占拠が始まった当初から、当時の町・市が不法占拠者を事実上「優遇」し、長年にわたって違法状態を隠蔽・黙認してきた歴史にあります。
3. なぜ今のまま「放置」してはいけないのか?(市の損害)
市が勝訴判決の強制執行をためらうことは、単なる「手続きの遅れ」ではなく、以下のような取り返しのつかない損害を市民に与え続けています。
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実質的な「無償供与」と議会軽視 不法占拠状態を継続させることは、特定の私人に対して市の財産を事実上「無償で利用させている」ことと同じであり、議会の議決を経ない違法な利益供与にあたります。
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「過料(罰則)」の意図的な見逃し 弥富市公共用物管理条例では、違法行為に「5万円以下の過料」を規定していますが、市は一度も適用していません。不法占拠をしたほうが経済的負担が軽く済むという「正直者が馬鹿を見る」悪例を作っています。
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相手方が死亡した場合の「回収不能リスク」 もし強制執行前に相手方が死亡した場合、相続人の調査や相続放棄によって手続きが極度に複雑化します。結果として、莫大な擁壁の解体・撤去費用を全額市民の税金で負担しなければならなくなる最悪の事態(回収不能損害)を自ら招き寄せています。
4. 「強制執行はお金がかかる」という市の言い訳のウソ
市側は執行をためらう理由として「多額の解体費用がかかる」「費用対効果に合わない」と主張することが予想されます。しかし、法的にはこの理屈は通用しません。
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費用は「相手(債務者)負担」が原則 民事執行法第42条により、強制執行にかかる費用は債務者の負担となります。市が裁判所や業者に支払うお金はあくまで一時的な「立替金」にすぎません。
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強力な回収手段がある 手続き終了後、裁判所から「執行費用額確定処分」を得ることで、相手方の預貯金や給与などを直ちに差し押さえることが可能です。
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最大の利益は「土地が戻ってくること」 仮に相手方に現金がなく費用を回収できなくても、「市有地(水路敷地)の完全な返還」という莫大な資産価値が戻ってきます。土地が戻れば、売却や正規の賃貸で立替分を補填することは十分可能です。費用対効果が悪いという主張は、根本的に的外れなのです。
5. 今後の住民監査請求で求める「4つの措置」
市民の財産を守り、行政の腐敗を正すため、今後提出予定の監査請求では、監査委員に対して以下の措置を勧告するよう強く求めます。
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速やかな強制執行の申立て 直ちに民事執行法に基づく強制執行(工作物収去および土地明渡し)を裁判所に申し立てること。
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関係幹部の懲戒処分 実務統括者である副市長および所管の建設部長に対し、職務上の義務違反(地方公務員法違反)として懲戒処分を行うこと。
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市長らへの個人賠償請求(住民訴訟を見据えて) 不作為によって生じた損害(投じた弁護士費用の無駄、債権の時効消滅の危機等)について、市長、副市長、建設部長の個人に対して賠償請求を行うこと。
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徹底した原因究明と再発防止 外部の視点を入れて「なぜ20年以上も不当な対応が続いたのか」を究明し情報公開すること。また、私債権管理マニュアルの策定など、全庁的なコンプライアンス体制を根本から再構築すること。
結びに代えて 莫大な時間と公費を費やして獲得した最高裁の勝訴判決を放置し、長年にわたり特定個人の不法占拠を優遇し続けた対応は、善良な納税者に対する重大な背信行為であり、法治行政の存立基盤を破壊するものです。住民監査請求を通じ、弥富市行政の「法に基づく厳正な是正」が求められています。

