それでは弥富駅問題 基本編の解説をします
これは私個人が調べたもので、弥富市の公式な資料については弥富市のホームページ等でご確認ください
まず弥富市のホームページなどでは「弥富駅周辺地区の整備について」と言っていますので、近鉄弥富駅とJR名鉄弥富駅の一体化をイメージされることが多いようですが、今回のはそうではありません
JR名鉄弥富駅の構内での自由通路と橋上駅が今回の事業内容であって、弥富駅周辺の整備は、総額46億円には入っていません。
実際に多くの市民が関心を寄せている西の踏切それから東の踏み切りの改良は入っていません
弥富市はJRに対して、踏み切りの改良・拡幅について協議をしてきたと言っていますが、鉄道法を盾に、踏切は広げられないとのことです
20年ほど前に東側に鉄道を股ぐ橋ができたので多少は緩和されているようです。
今回の自由通路を徒歩で利用しそうなエリアは青点線のエリアでしょうか
今回の弥富駅の自由通路事業は近鉄が事業者となった近鉄弥富駅橋上とは逆です。
鉄道による分断の原因者であるJRや名鉄が事業主体になるのではなく、
弥富市が鉄道による分断の解消をするために、南北をつなぐ道路を作って、管理も弥富市がしたいということです。
その自由通路の工事に駅舎が少し引っかかるので、代わりの駅舎として橋上駅舎を弁償として補償させてください、現在の構内の跨線橋も、完成後は撤去させてください。設計・施工も全部お願いしますという事業になっています
完成した自由通路は弥富市が所有し管理します。
蟹江駅の例では蟹江町が毎年4,000,000円程度の維持管理費をかけていいます
将来自由通路が壊れたり将来鉄道事業の邪魔になった場合には全額自治体である弥富市が負担しますという事業です
これが内部の完成予想ですが、これらのプランやイメージ図は、全て弥富市がJRに委託し作っていただいています
通路幅が充分ありませんので自転車が通ることはできません
そしてこの赤線の向こうの駅舎が、弥富市が、駅を壊した代償としてJRに引き渡す橋上駅舎です
JRが負担する37,000,000円の根拠は、現在の駅舎をもう一度同じように平面で立て替えた場合の金額から、現在の建物の残存価値を引いた差額分と、その他機能アップ分だけ負担していただけるそうです
一方で、現在の駅の南の広場と貸駐車場は国鉄時代から引き継いだJRの用地ですが、このJR用地を弥富市が南口駅前広場として640平米分、おそらく4千万円以上でJRからお買い上げさせていただく計画になっています
もう一度おさらいをすると、弥富市が北側と南側をつなぐ自由通路と言う歩行者専用の市道を作りたい。そのため駅舎が少し引っかかるので、JRさんごめんなさい13億円かけて橋上駅舎を作って引き渡しをさせていただきます、これは保障ですから3700万円だけご負担ください。必要なくなった跨線橋についても撤去させていただきます、その他支障移転5億円もお支払いさせていただきますという事業をJRに図面を書いてもらって弥富市が計画中です
検討途中で名鉄も大きく関係してきました。その理由は、名古屋行きのホームにエレベーター、これは弥富市ではなくJRの構内エレベーターなんですが、JRエレベーターをおろすのに現在のJRのホームでは幅が足りない。そうなると名鉄の線路を北側のほうに引き直してJRのホームを広げないと工事ができないので、弥富市として、名鉄さんごめんなさい名鉄さんの線路を引き直していただけませんかと、名鉄にお金を払って調査委託をしまして、その結果出てきたのが、500メートル先の海老江の踏切あたりから線路を引き直さないと、市が望むような形になりませんよと、しかも、仮線を引いてまた本線を引き直すと2回引き直しになるとのことでした。
実は名鉄さんはJRさんからホームを借りていて毎年結構な金額を払っているので、この際、名鉄独自のプラットフォームを作って駅舎も独立したいと言うような名鉄さんのご意向に合わせて、名鉄さんに委託をして計画を作ってもらいました。
するとこのような新駅舎3億円、土木軌道工事4億円、支障移転工事4億円合わせ11億円で、名鉄の方としては内部で協議した結果68,480,000円を負担しましょうと、で、その金額の根拠を弥富市にお尋ねすると、名鉄さんの事情があるので根拠はお答えはできないとのこと
ではどんな駅舎ができるかは公表されていませんが、五之三駅の状況を見ると無人で佐屋駅からリモートで管理することになるのが自然な流れでしょうか。
さて弥富市の貯金はこの10年数の間に大幅に減らしてきています、現在は災害等にすぐ使える貯金は最低でもいるだろうという10億円を維持するのがやっとです。
借金は目に見えて増えています。下水道事業の借入も含めて増えました、最近は市庁舎と火葬場の借入が加わってぐんと増え、さらにこの自由通路事業で借金を積み重ねようと計画しています
だれが払うんですか? 日本全体の推計を見てください、左端は140年前いわゆる明治から人口が急激に伸びました、これが何かにつけてプラスに働き、作ったもん勝ち、借りたもん勝ちの上昇カーブでした。
今後は逆パターンで人口が減少していきます、少々の対策では止められません。
図の中の棒グラフは弥富市の人口推計ですが、やはり弥富市においても高齢者の人口は減らない一方で働く人口は急激に減っていきます。鉄道の利用者についても当然減っていくわけです、
この駅の借入だけで20年間毎年1億6千万円の返済だそうです。借金を返すのは、この減っていく社会を懸命に支えなければならない人たちです。もちろん高齢者の福祉にしわ寄せがくることも当然想定されます
もう一度おさらいすると、弥富市はJRによって南北に分断されてきました。これを改善するために、東西の踏み切りを整備せずに、自動車はおろか自転車も通れない自由通路の新設によって解消しようと目論んでいます。
そのためにエレベーター二本をつけた自由通路を弥富市として作りたい。これを作るためにはJRの駅舎が引っかかるので18億円を負担する計画を作ってもらいました。事業を請け負うJRの負担は37,000,000円、ただしJRの南側の用地買収費は弥富市が負担しす。そしてさらにJRのエレベーターをつけるのに幅が足りないので名鉄の線路を引き直したいと言うことで、名鉄さんにお願いして計11億円で名鉄さんは根拠が不明ですが68,480,000円を負担しましょうと言う計画を作ってもらいました。
最後にもう一度おさらいをしますと
20年ほど前に行われた近鉄弥富駅橋上化は、近鉄が事業主体となり約24億円の事業費のうち37パーセントの9億円を弥富市が負担しました。今計画中の事業はJRも名鉄も利用者が少ないので費用が負担できないと言うことで、国税17億円をあてにして、ただしこれは最大見積もっての金額ですので、この金額を国が約束しているわけではありません。何らかの事情で国が出せない場合、JRや名鉄などとの関連で事業費が膨らんだ場合でも
増加分も弥富市が負担する事業ですので28億円は最低の金額です。このような事業を弥富市が進めようとしている事が現在の弥富駅問題の基本です
以上の基本編の解説では、なぜこのようなことになってきたのか、他所の事例や費用対効果どうなのか様々な疑問があるのではないでしょうか、このほかにもいくつか調べておりますので問題編として別の動画で見ていただきたいと思っております