R4.3議会 「JR東海・名鉄との工事協定について、問題点を整理して反対討論をしました」

令和4年3月議会 JR東海・名鉄との工事協定について反対討論をしました

弥富市議会公式動画はこちらから

(討論原稿です)

議案第19号 関西本線弥富駅自由通路新設及び橋上駅舎化工事の協定の締結について及び 議案第20号 弥富駅自由通路新設に係る鉄道施設整備に関する覚書の締結について、反対の立場で討論します。

この計画にとりかかった時点から、議会側は市に対して、様々質問や資料の提示を求めてきましたが、

自由通路の整備に関して国の定めた要綱をはじめ、必要な資料の提出や説明がなかったことが問題です。

要綱に沿って、誰が通路の事業主体になるべきかの分析、検討、そして事業方法に関しての的確な議論がされてこなかったことは明白です。

南北の市街地分断を解消するためと称していますが、

通行量を示さずにやり過ごして来て、

ようやく昨年の9月議会で300人という、あやふやで市街地分断の解消には程遠い数字を示しました。

踏切通行の危険性を減少させると言っていますが、

自由通路建設によって踏切の通行量がどのように減少するのかとのデータ分析も一切示していません。

それでも、決まったことだからと、行政を推し進めるのは、市民全体への背任と言うべきです。

県が決めたマスタープランを実行する事業である。

県が示している資料を忠実に読めば

「駅周辺を商業・業務、医療・福祉などの都市機能が集積し、

暮らしやすいまちなかを形成する都市拠点に位置づけます」

と言っており、これは市役所や海南病院までを含む地域をさします。

仮に弥富市の都市計画マスタープランの中に自由通路が記載されているとしても、自由通路の事業主体は自治体です弥富市だとは示していません。

近鉄の駅のように、事業主体が鉄道事業者であることは何も不思議ではありません。

鉄道事業者がやるはずがないません、

“自由通路”だからこれは“道路”

従って弥富市が“市道”として建設するのがふさわしいのだ、

などと言うレベルの理解?でことを進めた

思い込みがこの事態を招いています。

真っ当な企業経営者や組織人であれば、

様々な分析、検討、評価もせずに、

鉄道事業者がやるはずがない、などと言って開き直るような態度は決して取らないものです。

都市計画審議会や委員会審査で、この事業の疑問を呈し反対しておられる大原議長もおっしゃるように、

特別委員会を設置して詳しい情報を提出して審議することが必要です。

今後この協定案が同意され協定が結ばれた後においても、

その内容、執行支払いが適切に行われているかどうかをしっかりチェックするのは議会の役割であり義務です。

協定を結ぼうとしている弥富市長及びその執行部がきちんと説明する。

情報を開示し説明責任が果たされないとすれば、

議会と市民に対する背任行為と言えるのではないでしょうか。

また十分な情報開示がないまま、議会・議員が協定を認めてしまったとするならば、

市民に対する背任行為ではないでしょうか。

何のために議会があり、何のために行政があるのか、根幹を揺るがすものになります。

具体的な問題点を述べます。

弥富市は、国が定めた要綱を根拠に自らが事業主体となり自由通路の整備を進めるとしていますがその根拠が不当。

市道としての道路整備をする必要性があるだけの純粋な歩行利用者がない。

市は自由通路整備が駅東西踏切の安全確保につながると主張していますが、根拠となるデータを一切示していません。

工事の設計・施工・検査についても不当です。

ア JR東日本のように半橋上化方式を採用すればもっと安くできます。

イ 弥富市として公衆便所を新設する計画です。JR東海の既存便所の機能は代替できます。補償で便所を作らない方法を交渉すべきです。

ウ JR蟹江駅においても無人化が進んでいます。

コロナ禍による在宅勤務が加速し、情報化社会がさらに加速化し、「集中旅客サービスシステム」遠隔による切符販売をJR東海は広く進めています。

関西線も実施済みです。将来の無人化を想定して必要最低限の駅スペースになるようJR東海と交渉すべきです。

エ 名鉄の線路の引き直しが必要になった理由は、JR東海の上りホームの幅員が不足していますからです。

弥富市の自由通路がはみ出したわけではありません。JR東海と名鉄が話し合う事項です

オ JR東海と名鉄共同利用駅なので、乗客のミスにより乗り換えのトラブルが発生していると、JR東海と名鉄が言っているそうです

しかし、その対応は鉄道会社の問題です。

それを理由に名古屋鉄道株式会社が独立した駅舎とホームを新設すると言っています。これは名古屋鉄道株式会社の鉄道事業そのものです。

カ 昭和29年に設置された既存の跨線橋は老朽化しています。耐震性にも疑問があります。改修や撤去はJR東海の義務です。

キ 現在でもJR弥富駅の南側には旅客のために自動車の乗降・停車場所はあります。鉄道事業そのものです。南側の駅前交通広場としてJR東海から約640平方メートルのJR東海用地を弥富市が買収して整備するのは不当です。

ケ 公共事業は公平性と競争性を担保するために一般競争入札で決定しなければなりません。

JR東海、覚書により名古屋鉄道株式会社が工事の設計・施工業者の選定を決定する方式は価格競争の原理が働きません。

コ 公共事業である以上、設計金額・工事金額について全て開示されなければなりませんが非開示です。

サ 鉄道会社と何らかの利害関係のある会社が行った工事であり、

工事の監理や検査は鉄道会社が行うのではなく、第三者機関が行わなければ公共工事として信用できません。

もう一つ皆さんに気をつけていただきたいのは、この協定は双方の自由な意思に基づく契約と言う建前になっていますが

実際には対等の契約ではありません

情報量において圧倒的に差があるからです

圧倒的にJRと名鉄には知識も技術がありますが、弥富市役所、議会、市民には知識も能力がありません

さらに施工する場所が鉄道敷地内と言う事ですので、結局は鉄道上の理由と言うことで、

これしかできませんと言われたら引き下がらざるを得ないと言う極めて対等ではない、名ばかりが対等な契約行為がこの協定です

それはこの2年間、情報開示請求をしても、何を聞いても、結局JRと名鉄の事業に支障があるといってJRと名鉄の都合で、全てはねつけられてきた事が証明しています

さらに、2年前の概算工事費に比べて今回約55,000,000円増額しています

理由は人件費等の上昇分だそうですが、弥富市ははっきりしたことをいいません。というか言えません。

令和4年度に実施設計が行なわれますが、これだけかかりまと言う言われた場合、

今の弥富市長と弥富市の幹部は仕方がないと言うふうになってしまうことが予想されます。本当にそれで良いのでしょうか。

平野議員などから市長の説明が不十分ではないかという発言があります。

それを受け止めるためには、そういう場が必用ではないでしょうか。

当然のことですが特別委員会をつくって説明していただく。

それが重要だと思うし、我々議会人としても、市民の皆さんからいろいろと疑問を聞いていますので、

それは特別委員会という場でもって、

集中的にきちっと議論と検証ができる仕組みを議会として作っていくことが、

少なくとも賛成する立場のみなさんの、

当然の責務ではありませんか。

当然つくられると思いますが。

以上、反対討論とします。

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