弥富市保育所民営化問題の解説

弥富市保育所民営化計画 なにが問題?!

現在、弥富市の保育は、9カ所の公立保育所と、1カ所の私立・認定こども園(幼保連携型)で担っています(1)。このうち、2カ所の公立保育所を民営化(2)する計画を、令和4年4月に市が突然発表しました。

この民営化について何が問題(3)なのか、皆さんと一緒に考えたいと思います。

1)現在の保育現場の状況

弥富市では、家庭や地域の保育機能を支えるための多面的な子育て支援施策を積極的に推進しています。

現在は、9カ所の公立保育所と、1カ所の私立・認定こども園(幼保連携型)が保育を担っています。

全国的な保育士不足もあり、弥富市でも保育士の定員に対して不足してます。

(2)民営化の進め方

市は、公と民が協働して柔軟で充実した保育サービスを提供する体制を構築するため、令和4年1月に弥富市公立保育所の民営化基本方針を策定しました。

この方針に基づき、次の2保育所の民営化を順次進める予定です。

・ひので保育所 (令和7年度から民営化を予定)

・弥生保育所 (令和11年度までに民営化を予定)

民営化には「移管(民設民営)」「委託(公設民営)」の2つの手法がありますが、弥富市では公立保育所を廃止し、民間の保育所を新設する「移管」の形をとる計画です。その場合は以下のようになります。

  • 土地と建物 ➜ 土地は有償貸与、建物と備品類は無償貸与の予定。
  • 運営費 ➜ 公定価格になり、保育料を差し引いた額を国(1/2)・県(1/ 4)・市(1/ 4)が負担。
  • 移管先 ➜ 保育運営に実績のある社会福祉法人又は学校法人を対象に公募し、プロポーザル(企画提案)方式で選定。

(3) 民営化でどう変わる?なにが問題?!

この民営化により、弥富市は、子どもたちの育ちの場を保障する公立の役割を放棄していないでしょうか。営利追求ではなく、公立には、長時間の保育、0歳児からの乳児の保育、様々な障害を持った子どもたちの育ちの場を保障する役割があるはずです。

以下に、私の視点でその問題点をまとめてみます。

移管法人を短期間に決めようとしている 

市は、移管後も保育内容について協議や指導すると言っていますが、移管後は完全民営化されるので、口を出すこと自体が矛盾していることになります。これまでと同等の保育の内容・質は担保されません。

保育士が変わってしまう

子どもが主役の保育にも関わらず、子どもたちの成長を任せる信頼すべき保育士が変わってしまいます。市は、引き継ぎ保育をすると言っていますが、引き継ぎ保育が子どもや保護者にとって満足のいくものでないことは、すでに実施している自治体でも明らかになっています。

移管法人に無償で譲渡する

約4億円かけて建設し、まだ2億円の残存価値がある建物をいきなり移管法人に無償で譲渡することは、市民に対する背信行為です。いきなり譲渡してしまえば、市民が思うような運営がなされなかったときに、返還させることの障害になってしまいます。

民間のメリットは大規模改修をした時に国・県・市の補助が受けられることなので、改修時に譲渡すれば済む話です。

本当に経費は節減できるの?

私立保育所は、国・県・市が負担する公定価格によって運営されます。一方、市立の運営費にも地方交付税措置がされているので、国の財源措置はあります。

そもそも、公立には、営利に捉われないで保育士や設備を充実させるなど、公立ならではの良さがあります。その点で経費が掛かるのは当然です。

これらの説明が十分されていません。

行政内部で勝手に作った計画

この計画は、議会で方針や計画の説明や審議を受けていません。まして、市民に対して意見聴取、パブリックコメントなどは一切行われていません。さらに、計画策定にあたって保育に関する専門家や利用者の意見も聞いていません。

市民生活に密着し、子どもの権利であるきわめて重要な計画を、市民の声も聞かず、市が勝手に押し切ろうとしていることが、弥富市の行政の劣化を象徴するものではないでしょうか。

保育政策の目的は、子どもたちの育ちの場を保障することです

様々な解決策を比較検討した上で最も優れた案を実行に移すとう、行政計画の基本がなっていません

 

市は令和7年までに、ひので保育所を民営化、その後弥生保育所を民営化しようとしています。

質問に十分な答弁をせず、議会や市民に説明責任をはたそうとしません。

専門家や利用者の意見を十分い聞くこともなく内部だけで決めています。

 

まずは弥富市の公式HPの「公立保育所の民営化」 令和4年4月18日公表から見ていきます

本市では、令和2年度から5年間の子育て支援の指針となる「第2期弥富市子ども・子育て支援事業計画」を策定し、家庭や地域の保育機能を支えるための多面的な子育て支援施策を積極的に推進しています。

また、本市の保育は、9か所の公立保育所で担っていましたが、市内私立幼稚園が幼保連携型認定こども園に移行し、本市の保育の一役を担っています。

このように、公と民が協働して柔軟で充実した保育サービスを提供する体制を構築するため、令和4年1月に弥富市公立保育所の民営化基本方針を作成しました。

この方針に基づき、次の2保育所の民営化を進めてまいります。

・ひので保育所(令和7年度から民営化を予定)

・弥生保育所(令和11年度までに民営化を予定)

本市の保育の現状と課題、民営化の実施方針やスケジュールなど、詳しくはこちらをご覧ください。

弥富市公立保育所の民営化基本方針 (PDF 576.6KB)

スマホの方はPDFが見にくいと思いますのでテキストにしました こちらから見てください

 

子どもたちの育ちの場としての保育の原点

子どもが主役であることを、ないがしろにしていませんか

長時間の保育、0歳児からの乳児の保育、様々な障害を持った子どもたちの育ちの場を保障する

公立の役割を放棄していませんか

第一の問題点は、移管法人を短期間に決めること。

移管後も同等の保育内容を求めるとか、移管後の内容変更については協議や指導すると口先で言っていますが

いままでの、弥富市の交渉能力からして空手形と言わざるを得ません

そもそも、移管後は完全民営化されるので、口を出すこと自体が「移管して完全民営化」に自ら矛盾していることになります

全くそれは担保されていません

第二の問題は、引き継ぎ保育をすると言っていますが、現実には子どもたちの成長にとっては信頼すべき保育士が変わってしまうことです。

引き継ぎ保育が子どもや保護者にとって満足のいくものでないことは、すでに実施している自治体でも明らかです

そして、この問題点を曖昧にしていること

第三の問題は、約4億円かけて建設し、まだ2億円の残存価値がある建物をいきなり移管法人に無償で譲渡する、市民に対する背信行為です

いきなり譲渡してしまえば、市民が思うような運営がなされなかったときに、返還させることの障害になってしまいます。

民間のメリットは大規模改修をした時に国県市の補助が受けられることですが、改修時に譲渡すれば済む話です。

第四の問題は、経費が節減できるという説明が根拠が乏しいことです

保育に関する経費は地方交付税措置がされているので、公立保育所に対しても国の財源措置はされています。

私立保育所が安いのは、ベテラン保育士が少ないなど公立と同じ条件ではありません。

公立は、障害児対応など人の手当や、堅牢で充実した建物や設備など、公立ならではの良さがあります

私立と比べて経費が掛かっているのは事実でしょう。

にもかかわらす、あたかも公立が不利であると言う説明を繰り返しているのは疑問です

第五の問題は、そもそもこの計画は行政内部で勝手に作ったものです。

議会に対しても、方針や計画の説明や審議うけていません

まして、市民に対して意見聴取、パブリックコメントなど一切行われていません

さらに、計画策定にあたって保育に関する専門家や利用者の意見も聞いていない内部だけで決めた計画です

最後に、市政の根幹であり、市民生活に密着し、子どもの権利であるきわめて重要な計画である計画が

このような杜撰な計画で、なるべく市民の声を聴かないようにして、押し切ろうとしていることが、弥富市の行政の劣化を象徴するものです

またしても弥富駅問題に続いて市民不在の市民の期待を裏切る計画です。

やり方が間違っています

あまりにも未熟な行政計画、計画と言えないような稚拙な、惨憺たる計画です

誰のための政策なのか何を実現するべきなのか、

そこを取り違えていてはなりません

保育所の民営化は手段であって目的ではありません

この政策の目的は、子どもたちの育ちの場を保障することです

真っ当な行政計画であれば、今、何が欠けているか

どういう状態にもっていくのか、様々な解決策を比較検討した上で最も優れた案を実行に移すと言う、行政計画の基本がなっていません

R4.6議会③一般質問「保育所の改善と民営化 保育士さんたちの働く環境、弥富のゆりかごともいえる保育所を大切に育てるのは弥富市全体の問題」はこちらから