弥富市議会令和4年12月定例会 一般質問 8分割のその2です
南海トラフ地震への備えとして、弥富市内の耐震性の低い住宅という極めて重要なテーマを取り上げています。
1. 議長の不適切な議事運営:市長の沈黙を容認し、議論を封殺
佐藤議員は、市民の生命が危険にさらされているという切迫した状況を訴え、市長自身の考えや覚悟を問うています。しかし、議長は市長の答弁拒否を容認し、議論を一方的に打ち切ることで、議会のチェック機能を麻痺させています。
「通告にない」という理由で答弁を強制的に終了
- 議員の質問:
- 「市長は何かにつけて市民に寄り添うとおっしゃっています。今までやったことだけでなく、これからどう寄り添うかについて心のこもった答弁をお願いします。」
- 「弥富市民の4分の1の命が危険にさらされていることに対してどうお考えなんでしょうか。」
- 「市長答弁は、通告に入ってませんですけども、答弁されるお考えはあるんでしょうか。」
- 市長の対応(はぐらかし):
- 質問に対して終始沈黙。
- 議長の介入(不適切):
- 議員が市長の答弁を求めているにもかかわらず、「通告にございませんので次に進んでください。」と発言し、市長の沈黙を正当化しています。
- 分析:
- 議員の質問は、事前に通告した「耐震性の低い建物」というテーマの範囲内であり、その対応に関する市のリーダーである市長の姿勢を問うことは、一般質問において当然のことです。
- にもかかわらず、議長が**「通告にない」という理由で答弁を強制的に打ち切ることは、市長を厳しい質問から守り、市民への説明責任を果たさせないための不適切な議事運営です。これは、議会が執行部をチェックするという本来の役割を放棄**していることを示しています。
2. 市側の答弁:事実を述べつつ、質問の本質をはぐらかす
都市整備課長の答弁は、「これまでの実績」や「既存の計画」という事実を並べ立てることで、**「なぜ進まないのか」という本質的な問いや、「強制力を持った対策」**に関する議論を避けています。
「やっている」という事実で「なぜ進まないのか」をはぐらかす
- 議員の指摘:
- 耐震診断事業の利用件数が**「6690件中428件」と1割にも満たないこと、改修補助が「わずか27件」であることを指摘し、「伸び悩んでいる理由」**を問う。
- 市側の答弁(はぐらかし):
- 「これまでも…実施しており、利用実績がございます。」
- 「固定資産税の納税通知、通知書への案内の同封、戸別訪問など周知方法を工夫しながら…繋げていきたいと考えております。」
- 分析:
- 課長は**「制度はあります」「周知も工夫しています」という事実**を述べていますが、議員が指摘する「伸び悩み」の原因(工事費高額、所有者高齢化)に対して、それを克服するための 具体的な解決策には踏み込んでいません。
- 「周知方法を工夫する」という答弁は、「やれることはやっています」という姿勢を示しつつも、**「それでも進まない現実」**から目をそらしています。
「個人の財産」という事実で「組織の責任」をはぐらかす
- 議員の指摘:
- 6690件の建物について**「組織的な何か調査を行うべき」**ではないか?
- 市民の**「かけがえのない命」が危険にさらされていると訴え、行政の「想像力」と「責任」**を問う。
- 市側の答弁(はぐらかし):
- 「市が耐震診断等の調査を実施する考えはございません。」
- 「市が実施しております…補助金を活用していただけるよう周知してまいります。」
- 分析:
- 「調査を実施する考えはない」という答弁は、「個人の財産に強制的に立ち入ることはできない」という法的・原則的な事実を述べることで、「行政としてどこまで踏み込むべきか」という本質的な議論を避けています。
- 「周知する」という答弁は、あくまで「市民の自主的な行動を促す」という受動的な姿勢であり、「1万人の命を守る」という能動的な行政の役割から逃げています。
「目標」の提示で「現実的な達成」をはぐらかす
- 議員の指摘:
- **「いつまでに耐震化を完了させるのか」**という明確な期限と目標を問う。
- 「あと8年で耐震診断を今までやった数以上に必要ではないか?」と、目標達成の現実的な困難さを指摘。
- 市側の答弁(はぐらかし):
- 「令和12年度には、耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標としております。」
- 「現在はその目標に向けて取り組みを進めております。」
- 分析:
- 「令和12年度」という期限と「おおむね解消」という目標は示されていますが、これは**「計画上の目標」という事実**に過ぎません。
- 議員は、その目標がいかに困難であるかを具体的な数字(過去の実績との比較)で示しているにもかかわらず、課長は**「目標に向けて進めている」という抽象的な事実**を繰り返すことで、目標達成の現実的な見通しや、困難を乗り越えるための具体的な対策から目をそらしています。
この質疑応答は、「法的に問題ない」「計画通りに進めている」「周知はしている」といった客観的な事実を盾に、**市民の命を守るという行政の「想像力」「責任」「覚悟」**といった本質的な問いから一貫して逃げている市の姿勢を浮き彫りにしています。
弥富市議会の公式動画はここから始まります(8:13から20:00までです)
そこで、以下順番に聞いていきます。
耐震性の低い建物について
書画カメラ4をお願いします。

南海トラフ巨大地震の発生確率8割のカウントダウンを示す図です。
地震学者に言わせると、南海トラフ巨大地震これは、2035年から±5年、つまり2030年から2040年の間に必ず起きると言っていいでしょう、規模を一言で言うなら、2011年に起きた東日本大震災の10倍以上。
死者で言うならば、大震災が2万人ですけども、32万人とも23万人とも言われてます。
もちろん地震がいつ起きるかは予測はできません。
しかし、プレートが動いてる以上地震が起きることは避けられません。
書画カメラ5をお願いします。

最優先の課題は耐震性が低い住宅の耐震化です。
弥富市地域強靱化計画ではいの一番に、住宅、建築物等の耐震化の促進が挙げられていますが、現状の数字と目標数値が表示されていません。
そこで、弥富市内に昭和55年以前の建物が何件あるかを疑問に思って税務課で聞いたところ、居宅共同住宅寄宿舎いわゆる住宅と考えられる建物で、昭和55年以前に取得されたのは6690件あることがわかりました。
昭和56年に建築基準法が改正される以前の建物は、南海トラフ巨大地震の長時間の大きな揺れで倒壊する恐れがあります
この写真は私がいわゆる熊本地震の現場行ってきた写真です。
これ元々は2階建てなんですが、どうしても昭和の建物は、1階には壁が少ない。
2階の方は壁が多くて、2階が1階を過ごした形です。
で多くの居間とか台所、寝室が1階にありますのでここで寝ていれば1階で押しつぶされたということです。
あるいは倒壊しないまでも相当な損傷を受けます。
そして津波が襲います。
書画カメラ6をお願いします。

これは平屋なんですけども、昭和の建物ってのは壁のバランスが悪いので、こういったふうに、傾いてぐちゃっていってしまうということです。
そこで、以下4点について都市整備課長のお考えを伺います。
(1)として木造住宅耐震診断事業や民間住宅耐震改修費補助金制度の利用が伸び悩んでいる理由をどう認識していますか。
(都市整備課長)
本市では、木造住宅耐震診断等事業は平成14年度から、木造住宅耐震改修費の補助制度は、平成15年度から、民間木造住宅耐震シェルター整備費補助金は、平成27年度から実施しており、今年度、12月末までの累計で、木造住宅耐震診断等事業は、428件、木造住宅耐震改修費の補助制度は27件民間木造住宅耐震シェルター整備費補助金は、1件の利用実績がございます。
耐震診断につきましては、事業開始当初には多くの利用がございましたが、利用件数が減少傾向にありますので、固定資産税の納税通知、通知書への案内の同封、戸別訪問など周知方法を工夫しながら、利用者の増加に繋げていきたいと考えております。
また、耐震改修費の補助につきましても、耐震診断とあわせて周知しておりますが、耐震性を上げるための工事費が高額になること。
建物所有者が高齢であることなどの理由により利用者が少ない状況にあると考えております。
(佐藤議員)
木造住宅耐震診断事業が428件、これは6690件の1割に届いてません。
木造住宅の耐震改修費の補助制度はわずか27件、シェルターが1件です。
伸びない理由として、工事費が高額で所有者が高齢これは、全国共通どこでも一緒じゃないですかね。
(2)番の質問を少し言われましたが、実は昨年は空き家バンクのお知らせを、固定資産税の納税通知書に発送したらどうかっていうのをお願いしたんですけども。
耐震診断や耐震工事の相談先として都市整備課を案内することができないでしょうか。
(都市整備課長)
固定資産税の納税通知書を活用した周知方法につきましては、これまでにも、内容を変えながら、住宅に関するお知らせ等を同封し、計画的に実施しております。
また、来年度以降も、耐震関係や空き家対策など、内容を変更して周知を継続してまいります。
(佐藤議員)
(3)としてですね、2040年に向けて一刻も早く耐震化を実現するためにこの6690件の建物について組織的な何か調査を行うべきだと思いますがいかがでしょうか。
(都市整備課長)
市内の旧耐震基準で建てられた建築物について市が耐震診断等の調査を実施する考えはございません。
市内の建築物の耐震対策につきましては、現在市が実施しております木造住宅耐震診断。
民間木造耐震改修費補助金および民間木造住宅耐震シェルター整備費補助金を活用していただけるよう周知してまいります。
(佐藤議員)
こうやって議論している間も弥富市内で6690件、これ、全体の4分の1の住宅です。
ですから、ざっくりと約1万人の人々が暮らしているわけです。
このかけがえのない命が耐震性のない危険とも言える住宅で毎日暮らしているわけです。
1995年の阪神淡路大震災以来、被災者の体験に耳を澄ましてきました。
家族が倒壊した家に挟まれて助け出されない。
火の手がおって、焼け死ぬのがわかっていても、見捨ててその場を離れなければならなかった方の苦しみは永遠に消えません。
あるいは、生き埋めになった方が、自分の家族が火災に遭わないよう、自分を見捨てて逃げろと叫んだ気持ちを推し量ることができないものです。
ですから、家が倒壊して命がなくなるということはあってはならないことです。
この6690件約1万人の弥富市民を、南海トラフの大地震が襲えば、大半が倒壊するおそれがあります。
倒壊して即死する方もみえます。
かろうじて生き埋めになって助かったとしても、堤防の近くで30分以内。
津波が襲います。
あるいは、火災が襲います。
このことを想像するだけでいてもたってもいられない気持ちになるなってなりませんか。
市長は何かにつけて市民に寄り添うとおっしゃっています。
今までやったことだけでなく、これからどう寄り添うかについて心のこもった答弁をお願いします。
(4)としていつまでに耐震化を完了させるんですか、期限と目標についてお伺いします。
(都市整備課長)
耐震対策につきましては、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、本市における住宅建築物の耐震診断および耐震改修を促進するための計画として策定した。
弥富市耐震改修促進計画に基づき進めており、令和12年度には、耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標としておりますので、現在はその目標に向けて取り組みを進めております。
(佐藤議員)
令和12年度までに、つまり後、約8年ですね。
解消と、目標にされてると思います。
ただ、あと8年でってことなると、耐震診断だけど毎年何棟必要なんでしょうか。
今までやった数以上に必要じゃないでしょうか。
通告に対する答弁書は当然市長が目を通して承認されたはずです。
市長は市民に寄り添う、2040年に向けてリーダーシップを発揮すると言われてますので、
できれば市長の気持ちを伺いたいところなんですが、
答弁では様々な政策をやってきましたと言ってますが、これは全国どこでもやってることであって、
弥富市として他都市にないとか、特に踏み込んだものとは思えません。
耐震化には手間も予算もかかります。
とても課長の手に負えるもんじゃないと思います。
しかし、耐震化を進めることによって、犠牲者が少なければ倒壊する家が少なければ、それに見合う以上の削減効果があります。
何よりも弥富市民の4分の1の命が危険にさらされていることに対してどうお考えなんでしょうか。
啓発や補助事業は他都市並みにやっている。
だから、だけどやってくれないでそれでいいんでしょうか。
住宅の耐震化について市長答弁は、通告に入ってませんですけども、答弁されるお考えはあるんでしょうか。
―安藤市長沈黙―
なければ次に行きますが、
(議長)
佐藤議員、通告にございませんので次に進んでください。
(佐藤議員)
はい、次にお答えが市長にお答えいただけません次いきます。
