JR名鉄弥富駅自由通路橋上駅舎化事業はもっと別の方法があったのではないか
JR名鉄弥富駅の北口駅前広場整備は良いと思います。鉄道事業者に対してバリアフリーの補助もいいと思います。しかしいずれ無人化される駅舎を市の負担で橋上化するのはやりすぎではないでしょうか。
物価上昇分として8億円の増額が提案されていますが、今後も建設費の物価上昇が見込まれ、このままずるずると果てしなくスライドして増額するのでしょうか。完成時期も平成9年から12年に伸ばすと言っています。結局、倍額になってしまうので必定です。
今こそ、立ち止まって、本当にこの方法しかないのか、他にも方法はあるのではないか質問します。
1 近鉄弥富駅の橋上化では駅前広場は弥富町が施行し、橋上化工事は近鉄が行い弥富町は37%の補助をした。JR弥富駅と何が違うのか。
近鉄の場合こそ、朝のラッシュアワー時には1時間に30本の列車が通過する狭い踏切に自動車、自転車、歩行者が殺到し、改札は北側しかなく、南側の平島地区で計画中の土地区画整理の利便性を確保するために、弥富町が駅の南側を用地買収して駅前広場を整備し、近鉄が行う駅整備に37%の補助をしました。
当初の事業費見積もりは余裕を見込んで最大29億円としていましたが、近鉄は事業主体として適切な発注に努めた結果26億円で完工し、弥富市からの補助金は26億円の37%から、26億の37%に減額され、1億円安く9億円済んでいます。
橋上駅を通って南北を通り抜ける利用者は300人。鉄道施設としての自由通路機能を果たしています。
近鉄弥富駅の橋上化では駅前広場は弥富町が施行し、橋上化工事は近鉄が行い弥富町は37%の補助をしました。JR弥富駅と何が違うのか
2 北部の住民は、通勤通学はもっぱら近鉄弥富駅を利用している。東西の踏切の整備歩道設置が先ではないか。
従来は踏切の拡幅は絶対できないかのように思われていましたが、拡幅は車道の拡幅が認められないのであり、歩道の設置は近鉄佐古木駅のように可能です。国土交通省に行ってヒアリングした結果では、「車道を広げることをはまかりならないが、歩行者の安全のために歩道を踏切内の歩道を設置することについて認めている。そのための前後の歩道の連続性についても、必要な退避場所があれば歩道設置することもできる」と考え方が緩和されていることは判明しています。
弥富市の踏切も国が令和3年に全国で93所指定した危険な踏切に該当しています。現在はむしろ国の方が歩道の設置を促しています。費用の面でも当然有利です。弥富市は自由通路で代替しようと言っていますが、北側から近鉄駅に向かう住民は、東側と西側の幹線的な道路を通ってきますので、真ん中に迂回するメリットはありません。
北部の住民は、通勤通学はもっぱら近鉄弥富駅を利用しています。東西の踏切の整備歩道設置が先ではないか。
3 名鉄の線路の移設をせずに名鉄の駅とホームを整備し、JRは両側に地平駅を整備し橋上駅舎化せずに自由通路だけにする変更をすれば安くすむのではないか。
弥富市が設置管理する自由通路方式がなぜ損かといえば、管理、点検、修繕、更新、はては撤去費用まで、後々の負担が莫大であることです。特に、点検や工事などは、またしても、JR東海と随意契約でJR東海の見積額でしかできません。全額負担しても寄付の方が後々の負担がありません。
駅舎新設では、岩倉市は名鉄犬山線石仏駅新設の際、1億4000万円を名鉄に寄付をしています。弥富市もこれと同様で良いと思います。
鉄道構内の跨線橋のバリアフリー化については、新城市がJR飯田線の新城駅に5億円でエレベーター付きの跨線橋を寄付しています。
名鉄は平成18年のバリアフリー法の施行に対して積極的に合理的で簡素な方法で対応してきました。具体的には片側しか改札がない駅には、両側に自動改札を整備し、スロープ化で段差を解消しています。将来の駅の無人化に備えて改札の自動化と遠隔で集中管理するシステムを他社に先駆けて進め合理的な方策で改修してきました。
厳しい経営環境の中で費用対効果をしっかりと判断されています。JR各社について調べてみても、他社はやはり同じようにむやみに橋上駅にこだわることなくバリアフリー化を進めています。
常陸大宮市の水郡線常陸大宮駅東西自由通路・新駅舎整備がよい例です。駅を橋上化せずに目的を達しています。
名鉄の線路の移設をせずに名鉄の駅とホームを整備し、JRは両側に地平駅を整備し橋上駅舎化せずに自由通路だけにする変更を提案します
自由通路の位置は現行案のままと想定し、名鉄の線路の移設をせずに名鉄の駅とホームを整備します。JRのホームとの間には柵が必要となるでしょう。名鉄が負担する分を除き残りを弥富市が寄付か補助します。
JRは両側に地平駅を整備します。地平駅の床面はホームと同じ高さにすることを想定して、改札の手前にスロープを設置します。南側の駅舎も改修します。JRが負担する分を除き残りを弥富市が寄付か補助します。
今よりも相当安く、費用対効果が見込める方法です。
名鉄の線路の移設をせずに名鉄の駅とホームを整備し、JRは両側に地平駅を整備し橋上駅舎化せずに自由通路だけにする変更をすれば安くすむのではないか。答弁願います。
44 JR東海は「平成9年度までに29億円で自由通路と橋上駅舎歌を施行する」と、約束をして協定を結んだ。今更それができないと言うのは違反ではないか。
JR東海は「平成9年度までに29億円で自由通路と橋上駅舎歌を施行する」と、約束をして協定を結んだ。今更それができないと言うのは違反ではないか。
5 「物価高騰のスライド」を認めてしまえば、今後毎年物価が上がるたびにスライドさせることになり、更なる物価高騰が必定であり、建設費は今の倍になってしまうのではないか。
「物価高騰のスライド」を認めてしまえば、今後毎年物価が上がるたびにスライドさせることになり、更なる物価高騰が必定であり、建設費は今の倍になってしまうのではないか。
6 事業費が上がってしまったことにより「費用対効果」がなくなった。「変更後の事業費と複数の比較案」を示して費用対効果をもう一度検討しなければならないと考えるがどうか。
自由通路建設の費用に対する効果検証で、効果は費用の1.7倍あると言っていますが、費用は50年間ですが、効果の出し方が不適切です。
費用対効果の算定は2種類あって、①完成後の利用者の時間短縮による経費節減効果や、経済誘発効果、環境負荷低減の費用効果など、具体的な経済効果を積み上げたものが本来の費用対効果です。
しかし、弥富市はこれでは効果が投資経費上回らないためか、②無作為抽出した1,000人の市民にアンケートを郵送し503人の回答をえて計算しました。
以下の設問はこうです
「安全で利便性の高い交通拠点の形成」を目標として、説明資料にあるような整備・維持管理のために、仮にあなたの世帯に世帯人員分の負担金を求めたとします。あなたの世帯は世帯一人当たりいくらまで負担して良いと考えますか。(施設等の耐用年数を考慮して、整備完了から、50年間負担することとします。)(1つだけに○)」
一番多かったのは0円の53.3%でした。多数決で言えばこれで費用負担はなしのはずですところが1人当たり500円が24.3%あったので、計算式に当てはめて計算すると費用体効果は1.7になるのだと主張してます。
極めて誘導的で抽象的な質問を、行政や財政についてほとんど知識のない住民に十分な情報を与えず、この事業が46億もの巨額な費用がかかるということを強調して、立派な絵を見せた結果がこれです。
皮肉なことに、住民は誘導された結果、これは相当な事業なので、相当お金を払わなければいけないという観点から1人当たりワンコイン500円という選択肢を4人に一人24.3%が選択した。その結果、事業費を上回るお金を使ってもいいという机上の計算上の費用対効果を出しています。
アンケートを答えた善良な市民は、50億もの金がかかる事業なので、500円ぐらいはかかるよねっていう、純粋無垢な気持ちをアンケート調査として取っています。
このアンケートで、先ほど私が述べたような、平面駅舎改札の設置、エレベーター付きの跨線橋と橋上駅舎化のどちらがいいですかというアンケートをとれば、少なくとも0円と回答した53.3%に合わせて500円と答えた方の多くが、より安価で費用対効果の高い方式を選択したはずです。
他の手法があるということを秘匿し、市民アンケートをとりそれを根拠に不合理に高い事業を進めているというのは許され難い違法な事業決定です。
事業費が上がってしまったことにより「費用対効果」がなくなった。「変更後の事業費と複数の比較案」を示して費用対効果をもう一度検討しなければならないと考えるがどうか。