要支援者の防災研修と情報共有、縁故避難について

次に、要支援者への自治会防災会としての取り組みです。

五之三地区防災会では2019年度に「五之三地区避難行動要支援者ミニ訓練」として、

要支援者の方と年番(組長)さんの参加で、防災の研修と話し合い・ワークショップをしていただきました。

やってみてわかったのは、

要支援者として登録は出ているが、防災に関する知識や関心が少ない。

「基本的な水とか食料とか備えが実際はできていない。」ということが見えてきました。

もう一つは、実は五之三が最初でなく

他の自治会で行われている例を参考にして始めたのが、「情報共有」です。

組長が毎年変わります。

5月に「自分の組において、

要支援者の登録をしている方が、どの家庭か、誰なのか」、

これぐらいは知っておいてもらう必要があるんじゃないかと。

細かい個人情報は封印した形で防災会長が持っていればいいのですけども、

やっぱり「(誰がどこにいるか)を見ておいてもらうことが大事だろう」ということで。

年度初めの5月の地区役員研修で見てもらい、確認してもらっています。

こういうことが日頃からの見守りになるような気がするんですが、

こういうことを他地区でも行えるようにするといいと思うんですが、市のお考えをお答えください。

(後藤福祉課長)

避難行動要支援者名簿につきましては、

地域の実情や創意工夫により、活用が図られるべきものと考えており、

議員にご紹介いただいた五之三地区防災会の取り組みについてはその趣旨に合った活用方法であると言えます。

このような先進的事例については、

ぜひ自主防災会全体会や、防災ワークショップにおいて発表をお願いし、

情報共有をしていただくことにより、

市内自主防災会組織の機能強化に繋がるものと考えております。

(佐藤議員)

繰り返し申し上げますが、

この取り組みは五之三が最初じゃなくて他の自治会で、役員さんで共有されている。

他でもかなりやってらっしゃる気もするんですが、

先ほどの答弁にもあったように、名簿の活用という点で、

自治会長、防災会長が持っているだけっていうところも、

あるかもしれませんので、ぜひやっていただきたいなと思います。

次に、実際に大災害が起きてしまったときに、

やはり高齢者の方が関連死、亡くなってしまうという意味で、

要支援者に登録されておられるような、

高齢者、妊婦さん障害のある方の安否確認は当然重要だと思います。

そこで、五之三地区防災会でワークショップやってみて、気がついたんですが、

やはり高齢者お1人ってことは、そのお子様や親戚が他所の市町村にいる。

そうなったときに、ちょっと災害が大きければ大きいほど、

そういったところを頼って出てかれる可能性がかなり高いんじゃないかなと。

そうなると、先ほどの地区の役員が自宅を見に行っても、自宅にはご本人がいない。

そういう現象が発生してしまうわけです。安否確認はできなくなっちゃうんです。

で、でもやっぱり民生児童委員さんや、防災会の役員としては安否確認をしたいですよね。

あるいは、ひょっとすると3日ぐらい経つと市役所の方から「要配慮者の方安否どうですか」っていうことが、

「各自治会に連絡が来るかもしれない」ということを真剣に考えた結果、

「手がかりが欲しい」ということで、「避難先の電話番号」を聞くことにしました。

具体的には、昨年度民生児童委員さんが6月の「家庭訪問」のときに

「五之三地区防災会としてアンケート」を作り、

「実際に頼っていく可能性が高いところを三つ、

可能性の高い順番にご自分で書いて」いただいて、

それを五之三地区防災会として回収してきました。

個人情報ですので細かいことは立ち入って分析していませんが、

やはり「他市町村の親類縁者を頼って出ていく方がかなり多いな」という感想を持っています。

こういう取り組みを他の自治会でも進めると良いと思いますが、市の考えをお答えください。

(後藤福祉課長)

先ほどの答弁と同様になりますが、避難行動要支援者名簿を活用した先進的な取り組みにつきましては、

自主防災会が一堂に会する機会において発表情報共有していただくことにより、

自主防災組織の機能強化に繋がるものと考えております。

(佐藤議員)

ぜひ、全体会の方で、そういった具体的に使える方法をやっていただければと思います。

ちなみに五之三地区防災会としては、

来年度、再び要支援者の方に集まっていただいて、

災害対策の一番簡単な部分、家具の固定、家具の固定は実際はかなり難しいので、家具を部屋から出す、寝てる部屋から出す。

水と食料とトイレですね、そういったことをなるべくわかりやすく、特に要支援、高齢者の方にご理解いただきたいなというふうに思っております。

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