土地区画整理事業に関する質疑は、市側が過去の実績や制度の事実を正確に述べる一方で、議員が提起する「将来のリスク」や「事業の採算性」という核心的な問題からは巧みにはぐらかしている構図を明確に示しています。
1. 都市整備課長の答弁:数字と事実の羅列で「事業の妥当性」をはぐらかす
都市整備課長は、平島中土地整理事業の概要、総事業費、補助金の内訳について、正確な数字と制度上の事実を詳細に説明しました。しかし、この答弁は**議員が問う「現在の事業の妥当性」**という本質的な問いには全く答えていません。
- 佐藤議員の質問の意図: 過去の平島中地区の事業を例に挙げながら、**「地価が下がる時代」や「水害リスクの説明義務」**がある現代において、新たな区画整理事業が採算の取れない「不採算事業」になるのではないかという将来への懸念を提起しています。
- 課長の答弁(はぐらかし): 「施工面積約29.4ヘクタール」「総事業費30億3245万1718円」「補助金が15億3948万6000円」といった過去の事業の具体的な数字を羅列しています。 補助金の内訳についても「国費2分の1」「県と市がそれぞれ2分の1負担」という制度上の事実を説明しています。
- 分析: 課長の答弁は、議員の質問である「補助金と内容」には忠実に答えています。しかし、それはあくまで**「過去の事業の実績」という事実です。 議員が本当に知りたいのは、「その事業が現代の弥富市でも成功するのか」「15億円という市の持ち出しが、将来の財政を圧迫しないか」という将来の事業に対するリスク評価です。課長は過去の数字を並べることで、この「将来のリスク」という議論**を巧みにはぐらかしています。
2. 市側の対応:議員の指摘に対し「無答弁」で議論を避ける
課長の答弁の後、佐藤議員は、**「不採算事業」「子育て世帯の流出」「水害ハザードマップによる苦戦」「弥生学区の避難場所不足」「南海トラフ地震のリスク」**といった、区画整理事業の根本的な問題点を次々と指摘しました。しかし、この重要な指摘に対して、市側からの答弁は記録されていません。
- 佐藤議員の指摘:
- 採算性の問題:「典型的な不採算事業」「長期的に土地の値段が上がっていく時代の事業であって、地価が下がっていく時代に始める事業であり得ない。」
- 住民サービスの問題:「弥富市民の税金から持ち出された、このお金…ほとんど戻ってきません。」
- 防災の問題:「増えてくる区画整理事業の人間はどこへ逃げたらいいんですか。」
- 将来のリスク:「区画整理が終わらないうちに南海トラフ地震が起きる場合、おそらく地主さんも弥富市も悲惨な結果が待ってます。」
- 市側の対応(不適切): これらの重大な指摘に対し、**市側は全く答弁していません。**佐藤議員は一方的に自身の見解を述べ、質疑を終えています。
- 分析: 市側が議員の指摘に対して完全に沈黙していることは、議論を避けるという不誠実な姿勢を明確に示しています。これは、**「採算が取れない」「防災計画が不十分」**といった議員の指摘が事実である可能性が高く、答弁できないためだと推測されます。 議事運営上も、この重要な指摘に対して議長が市長や課長に答弁を促さないことは、議会が執行部をチェックするという機能を果たせていないことを示しており、極めて不適切です。
この質疑応答は、市側が過去の成功事例や制度の概要という「都合の良い事実」を提示することで、「未来のリスク」や「事業の妥当性」という「都合の悪い議論」をはぐらかしている構図を浮き彫りにしています。そして、議員の鋭い指摘に対して**「沈黙」という手段で議論を封じ込める**という不誠実な対応が、市の説明責任の欠如を物語っています。
土地区画整理事業について伺います。
平島中土地整理事業の補助金と内容について詳しく説明してください。
(三輪都市整備課長)
平島中土地整理事業は、施工面積約29.4ヘクタール。組合員数298名の組合施行による土地区画整理事業で、平成8年11月6日に組合が設立され、平成23年12月2日に解散認可されております。
役員の方々や組合の組合員および関係者の皆様方のご理解ご協力により、日光大橋西線をはじめとする計画道路やひので公園、中部1号下水路など都市施設が整備され、良好な市街地が形成されております。
総事業費は、解散認可時の支出総額30億3245万1718円。このうち、補助金助成金といたしましては、補助金が15億3948万6000円。
これは、施行地区内で、幅員12 m以上の都市計画道路の築造費、物件等補償費、用地取得用地取得費が限度額で補助額の内訳は、国費2分の1、または十分の5.5残りを県と市がそれぞれ2分の1負担しています。
次に、市の助成金が4億5000万円。これは、弥富市土地区画整理事業補助金交付要綱により定められた組合設立認可に要する費用。道路および排水路の築造に要する費用。要する費用の95%以内という。幹線道路用地の計画幅員から6 mを控除した面積の取得に要する費用となります。
ただし、国および県の補助金並びに、公共施設管理者負担金の対象となったもののものは除いております。
以上が平島中都市画整理整理への補助額等の内容でございます。
(佐藤仁志議員)。
現在、車新田地域で土地区画整理事業を検討していますが、これはJR名鉄弥富駅の利用者を呼び込むという形であるならば、
しいて言えば、北側の鯏浦地区の調整区域を区画整理する方が利にかなっています。皆さん望んでますよ。
だけど、前の一般質問でも市も認めていますが、肝心の住宅取得層となる子育て世帯が流出してます。
なぜか。
昨年から土地建物の売買にあたって、不動産事業者が重要説明事項としてハザードマップで水害の危険性を具体的に説明することになってます。
既存の宅地でも苦戦してるわけです。
取引額にも表れています。
例えばですね、名古屋市にイオン茶屋ってのはあるんですが、あの辺り。
あそこは調整区域だったんですが、地面が低いので、水害にあるから駄目だというのに対して、
組合で水害に遭わないような土地を嵩上げするということで、各整理事業ができました。
そもそも、津波における一時避難場所も指定避難場所を確保できてないじゃないですか、弥生学区なんてひどいもんですよ。
さらに増えてくる区画整理事業の人間はどこへ逃げたらいいんですか。
区画整理事業は、前の例で言っても30億のうち15億を弥富市からの持ち出しでなければ事業費は賄えない
これ典型的な不採算事業ですよね。
長期的に土地の値段が上がっていく時代の事業であって、地価が下がっていく時代に始める事業であり得ません。
注意していただきたいのは、弥富市民の税金から持ち出された、このお金ですね15億とかそういうお金、ほとんど戻ってきません。
固定資産税や住民税で戻ってくるって思われがちですが、それは、道路や維持管理、住民サービスに必要な予算。それだって全部賄われるわけじゃないんです。
物流倉庫のように事業所があれば、事業所であれば旨味があるかもしれませんが、結局地方交付税で、計算されてちゃら。
区画整理がおらないうちに南海トラフ地震が起きる場合、おそらく2040年までに起きると言われてます。2040年までに、
どんな状態ですか、多分、地主さんも弥富市も悲惨な結果が待ってます。
