議案第38号 弥富市立保育所条例の一部改正について、実質的には保育所の民営化のための、ひので保育所の廃止について反対の立場で討論します。
子どもたちの育ちの場としての保育の原点
子どもが主役であることを、ないがしろにしていませんか
長時間の保育、0歳児からの乳児の保育、様々な障害を持った子どもたちの育ちの場を保障する
公立の役割を放棄していませんか
第一の問題点は、移管法人を短期間に決めること。
移管後も同等の保育内容を求めるとか、移管後の内容変更については協議や指導すると口先で言っていますが
いままでの、弥富市の交渉能力からして空手形と言わざるを得ません
そもそも、移管後は完全民営化されるので、口を出すこと自体が「移管して完全民営化」に自ら矛盾していることになります
全くそれは担保されていません
第二の問題は、引き継ぎ保育をすると言っていますが、現実には子どもたちの成長にとっては信頼すべき保育士が変わってしまうことです。
引き継ぎ保育が子どもや保護者にとって満足のいくものでないことは、すでに実施している自治体でも明らかです
そして、この問題点を曖昧にしていること
第三の問題は、約4億円かけて建設し、まだ2億円の残存価値がある建物をいきなり移管法人に無償で譲渡する、市民に対する背信行為です
いきなり譲渡してしまえば、市民が思うような運営がなされなかったときに、返還させることの障害になってしまいます。
民間のメリットは大規模改修をした時に国県市の補助が受けられることですが、改修時に譲渡すれば済む話です。
第四の問題は、経費が節減できるという説明が根拠が乏しいことです
保育に関する経費は地方交付税措置がされているので、公立保育所に対しても国の財源措置はされています。
私立保育所が安いのは、ベテラン保育士が少ないなど公立と同じ条件ではありません。
公立は、障害児対応など人の手当や、堅牢で充実した建物や設備など、公立ならではの良さがあります
私立と比べて経費が掛かっているのは事実でしょう。
にもかかわらす、あたかも公立が不利であると言う説明を繰り返しているのは疑問です
第五の問題は、そもそもこの計画は行政内部で勝手に作ったものです。
議会に対しても、方針や計画の説明や審議うけていません
まして、市民に対して意見聴取、パブリックコメントなど一切行われていません
さらに、計画策定にあたって保育に関する専門家や利用者の意見も聞いていない内部だけで決めた計画です
最後に、市政の根幹であり、市民生活に密着し、子どもの権利であるきわめて重要な計画である計画が
このような杜撰な計画で、なるべく市民の声を聴かないようにして、押し切ろうとしていることが、弥富市の行政の劣化を象徴するものです
またしても弥富駅問題に続いて市民不在の市民の期待を裏切る計画です。
やり方が間違っています
あまりにも未熟な行政計画、計画と言えないような稚拙な、惨憺たる計画です
誰のための政策なのか何を実現するべきなのか、
そこを取り違えていてはなりません
保育所の民営化は手段であって目的ではありません
この政策の目的は、子どもたちの育ちの場を保障することです
真っ当な行政計画であれば、今、何が欠けているか
どういう状態にもっていくのか、様々な解決策を比較検討した上で最も優れた案を実行に移すと言う、行政計画の基本がなっていません
以上、極めて残念な、悲しい思いで、反対討論を締めくくります