令和5年3月定例会報告 

令和5年3月定例会報告

人事と開発計画について質しました 総務建設委員会

入学祝い金の意味を子どもたちに伝えてほしい 予算決算委員会

「現状と課題を把握し適正な予算に改めてほしい」令和5年度弥富市一般会計予算及び令和5年度弥富市下水道事業会計予算について反対の立場で討論しました

弥富市議会令和5年3月定例会 一般質問「広域避難と災害時及び事前の危機管理 市民意識調査にどう向き合うか、及び行政組織を育てる副市長の役割について」

弥富市議会の公式動画はここから始まります(0:30から8:13までです)

(佐藤仁志議員)
広域避難と災害時及び事前の危機管理についてお尋ねします。
書画カメラお願いします。

この大川小学校の写真は、4年前に東北の震災の現場を見学したときの写真です。
奥の方に北上川が見えます。北上川の堤防を遡上した津波がこの大川小学校を襲いました。
堤防によって、川が見えなかった点も、弥富と全く同じです。
この写真は、大川小学校の子どもたちが、ここへ逃げれば、助かっただろうという山の上から撮った写真です。
事前の計画や訓練など準備がきちんとされてなかったために、現場が混乱して、わずか数分逃げ遅れて津波で74人もの尊い児童の命を奪った。
石巻の小学校。大変重い、大変つらい見学会でした。
大川小学校の校庭で50分以上も待機させられて、遺族に言わせると、縛り付けられて、津波に飲み込まれて亡くなった児童の親にしてみると、その後の学校と教育委員会、そして市や市長の説明があまりにも不誠実。
遺族に言わせれば、「最初に嘘をついたので、つじつま合わせに次から次へと隠蔽、聞き取り調査結果の資料を廃棄。」遺族が不信感を募らせるだけの行政の対応でした。
「リスクマネジメントの最大の失敗例といえるのではないか」と、遺族の方おっしゃってます。
「あの日、子どもがどんなふうに亡くなったか。」そんな当たり前のことを知りたいという一心で、結局、日本の法制度のもとでは、国家賠償法という形でしか、真相究明ができないので、泣く泣く訴訟に踏み切りました。
そして、この親たちの地道な聞き取りや、現地実験が、司法を動かしました。
この遺族の思いが1本のドキュメンタリー映画になり、これが学校関係者だけでなく、防災関係者にも話題になっていましたので、私も名古屋で見てきました。
遺族はお金が欲しいわけでなく、本当のことが知りたい。
この判決が、日本の学校と地方自治を根底から変える大きな転換点となる裁判となりました。
裁判官が判決を示したときに、こう言われたそうです。
「学校が、子どもたちにとって生きる最後の場所になってはならない。」
代理人弁護士はこう言ってます。
「例えば、今までは誰かを殴った罪を、拳骨に罪をかぶせて頭脳は責任は問われなかった。そうではなく、罪があるのは頭脳であり組織である。」
現場で亡くなった先生をトカゲの尻尾切りのように責任を押し付けてはならない。
「子どもたちの命が、たまたま通ってる学校の個々の先生の能力で左右されてはならない。」
従来の国家賠償訴訟では、現場の先生、現場の公務員の過失の有無が争われていましたが、今度の判決はそうではなく、事前の備え、組織としての防災体制がきちんとできていなかったことに根本的な問題があったことを認定しました。
だから、被告行政が、「現場が混乱して予見可能性がなかった。したとしても結局回避可能性がなかった。」という被告自治体側の言い訳は認めませんでした。
従来の国家賠償訴訟では、現場の公務員の過失の有無の認定にとどまっていましたが、この裁判では、個人の過失、現場の公務員の過失よりも、そもそも事前に組織的な対応を取らなかったこと、組織の過失、事前の平時からの組織的過失が本当の問題であることが認定されました。
これは、学校保健安全法の面で画期的な判決であると言われています。
これは学校にとって大変だ、重荷だって言えるんでしょうか。
いや、そうではなく前向きに職員を守る判決だったのではないでしょうか。
通学義務によって、大川小学校区に指定された児童は大川小学校に行かなければ、なりません。
だから、学校には、高度な安全管理義務があります。
これを、地方公共団体に置き換えると、弥富市に住む住民にとっては、安藤市長が率いる弥富市役所しか選べません。
災害時だからと言って他の市町や他の市役所を選ぶことはできません。
もちろん住民にとって大災害ということで1人の力ではどうにもなりません。
市長と皆さんに命を預けていると言っても過言ではありません。
渾身の一般質問考えましたので、安藤市長に非常に大きな安全管理義務があるということで、命を預かる安藤市長の覚悟を答弁していただきたいと思います。
そこで最初に、木曽三川下流部広域避難実現プロジェクトについて書画カメラをお願いします。

令和5年2月10日に海津市において「木曽三川下流部広域避難実現プロジェクト」として、海津市、桑名市、木曽岬町、弥富市、愛西市、津島市、蟹江町、飛島村、そして国土交通省中部地方整備局木曽川下流河川事務所などの幹部が集まって意見交換会をされました。そこで質問です。
会議ではどのようなことが議題になったのでしょうか。
(安藤市長)
会議では、主に近年の浸水被害事例の報告をはじめ、広域避難先の確保に関する取り組み事例の紹介。
また、避難行動要支援者の個別避難計画の策定促進と広域避難先の確保などについて意見交換を行いました。
(佐藤仁志議員)
どのような成果があったとお考えでしょうか。
(安藤市長)。
広域避難の実現のために、行政は避難先の確保や避難手段の整備充実を図るとともに、災害に対する住民との意識共有が非常に重要であります。
構成自治体が抱えている課題や対応方法等につきまして意見交換ができたことは大変有意義で成果があったと感じております。
(佐藤仁志議員)
弥富市長としてどのような発言や提言、約束をされたのでしょうか。
(安藤市長)
今回の会議におきましては残念ながら発言する機会も時間もございませんでした。
(佐藤仁志議員)
この8市町村の中ではおそらく最も甚大で、人口も影響が大きい市町村ですので、ぜひ積極的な発言呼びかけをしていきたいと思います。
弥富市長としてこのプロジェクトを弥富市の避難計画にどのように生かすお考えでしょうか。
(安藤市長)。
このプロジェクトは、大規模水害時における犠牲者ゼロにするために各市町村により取り組みや、取り組みの発信や市町村の枠を超え、地域全体で検討すべき内容に関する意見交換を行うことで、地域社会における社会的機運の醸成を図りつつ、適時的確な広域避難誘導の実現に向けた計画を策定していくものであります。
本市といたしましても、このプロジェクトを通じて、安全かつ迅速に広域避難ができるよう努めてまいります。
(佐藤仁志議員)。
その後、ホールで講演会ありました。
みんなで助かる福祉防災コミュニティと題しまして個別避難計画から見る福祉防災の全体像についてお話を聞きました。
温井恵美子氏の講演について、講演内容から市長として重要だと考えられた事項は何でしょうか。
(安藤市長)
温井恵美子氏の講演の中で、東日本大震災では、支援する側の人である学校関係者、消防団、福祉施設の方々が支援を必要とする人を助けようとして、多数の方が命を落としたというお話がございました。
本市といたしましても、避難行動要支援者の個別避難計画の策定に当たっては、支援する側の人の安全確保も含めて検討しております。
(佐藤仁志議員)
講演内容のうち弥富市として、どのようなことが生かせるでしょうか。
(安藤市長)
温井恵美子氏の講演の中で、避難行動要支援者が避難所で生活するには非常に多くの課題があるため、発災直後に避難所に来ても長期間生活することが困難であるというお話がございました。
本市といたしましては、避難行動要支援者の方が災害時に避難することを躊躇しないように今後も福祉避難所の施設整備の充実に配慮してまいります。
(佐藤仁志議員)
講演を傾聴していただきまして市民の命を預かる市長としてどのような決意を持たれたのでしょうか。
(安藤市長)
講演の中で、過去の災害事例によると、被害は主に障害者や高齢者の方に集中するというお話がございました。
要支援のレベルも個々によって大きく差がございますので、災害時には自分の命は自分で守る自助の部分と、近所の人など地域で支援する共助の部分、また、本市・消防・警察など公的機関による救助援助といった公助を融合しながら、避難行動要支援者の個別避難計画の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
(佐藤仁志議員)
次に、大規模水害から犠牲者ゼロを実現するために何をすべきかということで、片田先生のご講演がありました。
片田先生には、何年か前に防災会の全体会でご講演いただきましたし、特に今回の公演はですね、もう喉から血を絞り出すような講演でした。
講演内容のうち、市長として重要だと考えられた事項は何でしょうか。
(安藤市長)
先ほどもご答弁させていただきました通り、大規模な浸水被害から市民の命を守るには行政は広域避難の実現をするために、避難先の確保や避難し、手段の整備充実を図るとともに、災害に対する住民との意識共有が非常に重要であると考えております。
(佐藤議員)
この片田先生の講演内容のうち弥富市としてどのようなことが活かせるとお考えでしょうか。
(安藤市長)
片田先生の講演の中で、過去の広域避難で避難時間が集中したことにより、道路渋滞が発生し、避難完了までに10時間以上かかった事例があったため、広域避難を効果効率良く実現するには、レベル4の災害避難指示が出てから避難を開始するのではなく、早めに避難行動をとり分散避難することが必要である。このため、市民一人一人が避難開始のタイミングを主体的に判断し行動できるようになることが大変重要であるというお話がございました。
本市といたしましても、自助の啓発を図るために、洪水ハザードマップ、浸水津波ハザードマップ、高潮ハザードマップを全戸配布しております。
また、防災ワークショップや防災出前講座等でも早めに、避難行動が避難行動に移るよう啓発をしております。
(佐藤議員)
片田先生のお話を聞いて、市民のまさしく命を預かる弥富市長としてどのような決意を持たれたのでしょうか。
(安藤市長)。
異常気象による災害が日本各地で発生しており、本市におきましても、いつ災害が発生しても不思議不思議ではないと考えております。
過去の伊勢湾台風の教訓を生かし、犠牲者ゼロを実現するために、市民の皆様が早めに避難行動ができるよう努めてまいります。
(佐藤議員)
私も片田先生のお話を伺いして、この熱意に打たれて、改めて命の大切さとそれを守る困難さに胸が締め付けられる思いをしました市長も聞いていただけて大変嬉しく思っております。
広域避難はとても困難な課題ですが、ゼロメートル地帯の弥富市には、まさしく避けられない大問題です。
そこで、広域避難の取り組みの現状について伺います。
2035年前後に想定される南海トラフ地震などに対して、事前の防災の重要性が高いことは、いうまでもありません。
犠牲者をゼロにするという目標や決意を、弥富市長としてどのようにお考えでしょうか。
(安藤市長)
海抜ゼロメートル地帯におきましては、大規模な浸水被害が発生すると長期化することが考えられるため、広域避難に向け、木曽三川下流部広域避難実現プロジェクトや東海ネーデルランド高潮洪水地域協議会等において議論しているところでございます。
今後も災害から犠牲者ゼロを目指し、広域避難の実現に向けて、国、県、各自治体と協力し、調査研究してまいります。
(佐藤議員)
弥富市の対応としての進捗状況はいかがでしょうか。
(安藤市長)
本市は水害リスクの少ない地域へ広域避難するためで、日進市であります愛知学院大学と令和3年1月に、浸水時における広域避難に関する協定を締結しております。
この協定により、本市から大学側へ避難者の受け入れ要請を行うことにより、大学施設の一部を避難所として使用可能となっております。
令和5年2月2日には、議員にもご参加いただきましたが、愛知学院大学に新キャンパスにおいて、浸水被害がハザードマップや市ホームページで公表しております事前避難対策地域の自主防災会および自治会をはじめ、防災関係団体、避難所担当の市職員等を対象に、広域避難訓練を実施いたしました。今後も市民の皆様に広域避難について啓発してまいります。
(佐藤議員)
改めて弥富市長として何が課題だと考えていらっしゃいますでしょうか。
(安藤市長)
大規模災害から犠牲者ゼロを実現するにはやはり早めの避難行動が必要不可欠であります。
このため、自治体が発令する避難情報は大変重要であることから、本市は、各関係機関から正確な情報収集に努め、空振りを恐れず、躊躇なく避難指示等を発令することを基本とし、災害対策に努めてまいります。
しかしながら、避難意識がない方、また、避難意識の低い方の意識をいかに高く高めていくかが重要な課題であると考えております。このため、先ほども申し上げましたが、今後も防災ワークショップや防災出前講座等で、早めに避難行動ができるように啓発してまいります。
(佐藤議員)
そこでいつまでに広域避難の計画を完成させるご決意でしょうか。
(安藤市長)
海抜ゼロメートル地帯におけます浸水被害から命を守る方法として広域避難の実現は大変重要な課題であります。
広域避難として、親戚、友人知人等の縁故者宅を利用した自主的な広域避難ができない住民の避難先の候補地の調査や協定等につきましては、木曽三川下流部広域避難実現プロジェクトで、現在も議論を進めておりますが、木曽三川下流部の8市町村のみでは到底解決できない課題が多く残っております。
今後も国県8市町村が一体となり、連携して広域避難が実現できるよう進めていきたいと考えております。
(佐藤議員)
大変困難な課題ですので、市長を挙げて全庁を上げて、私どもみんなで力を上げて、一刻も早く完成したいと思います。
それでは書画カメラをお願いします。

高潮災害については、ある程度接近が予想できますのである程度の準備をしながら進めていくことができます。
しかし、南海巨大トラフ地震については、発生日時までは予測できないとされています。
プレート境界型の南海トラフ地震が発生する切迫性について。
これは国が発表している資料ですが、要は昭和の南海トラフの次は、2035年±5年のところが、最も可能性が高いというふうに言っておりますが、市長は具体的にどの程度切迫性があるとお考えでしょうか。
(安藤市長)
南海トラフ地震は概ね100年から150年間隔で繰り返し発生しており、前回の昭和東南海地震や、昭和南海地震の発生から70年以上が経過していることから、今後30年以内に、発生する確率は70から80%と言われております。
本当に本市といたしましては、いつ発生しても対応できるように努めてまいります。
(佐藤議員)
この地震について、弥富市のウィークポイントについて市長として何が一番問題だとお考えでしょうか。
(安藤市長)。
本市は南海トラフ地震が発生すると、強い揺れにより液状化現象が発生し、堤防の強度が弱まり、破堤する恐れがあります。
また、海抜ゼロメートル地帯であるため、津波による浸水の可能性もあることから、一旦浸水すると、長期間にわたることが考えられます。
(佐藤議員)
今おっしゃってたウィークポイントですけども、市長としてどのように対応するお考えでしょうか。
(安藤市長)。
南海トラフ地震が発生すると、職員も被災する恐れがあり、著しく行政機能の低下が懸念されます。
職員や庁舎の被災により、行政機能が低下する中であっても、被災者支援等の業務を行う必要がございます。このため、国、県、各自治体や民間企業、ボランティアなどの応援を最大限活用することが重要であると考え、事前体制の強化に努めております。
昨年11月には、本市対策本部と外部の各種災害対応機関の現地情報連絡員との連携強化を目的に、リエゾン連携訓練を実施いたしました。今後も継続して実施してまいります。
(佐藤議員)
私も防災の学習をしていると、「災害対策本部長としての市長が、発災時の最初にリーダーとしてどのような方針を明確に示すかが重要だ」と言われています。
部下にどのような方針を示すお考えでしょうか。
(安藤市長)。
本市は災害時における職員の行動基準等を災害時職員行動マニュアルにまとめて全職員に配布しております。
このマニュアルには、災害に対する心構えをはじめ、災害対策本部の概要、災害時の行動指針、初動体制の確立、各班の初期応急活動の五つで構成されており、職員が速やかに参集できるように、参集すべき状況や、参集する配備要員の基準などを示しております。
災害発生時においては、人命救助をはじめ、被害拡大の軽減を図るなど、被害状況に応じて迅速に方針を示してまいります。
(佐藤議員)
大川小学校の判例で学ぶべきは、とにかく事前の準備と事前の訓練です。
事前に全部決めるかっていうとそんなこと全くなくて、災害が起きたときに、職員が、全ての現場でいちいち上司の指示を仰がなくては判断できないというのでは駄目だということで、あらかじめ各職員の対応を作っていくのが重要だということです。
そういう点について市長として日ごろ部下にどのような対応を指示しているのか、どのように職員を育成してるんでしょうか。
(安藤市長)。
いつ発生するかわからない災害に対しまして、いざというときに行動がすぐに起こせるよう、日頃から各部局へ地域防災計画、BCPの確認を行うように指示しております。
あわせて、各課におきまして、防災担当職員を選定し研修を実施して防災知識の向上を図っております。
また、職員に対して各種資機材の操作訓練や避難訓練等を実施し、いざというときのために備えております。
(佐藤議員)
危機管理をしっかりしている自治体では抜き打ち防災訓練も実施されています。
あらかじめシナリオに沿った防災訓練でなく、いつ防災訓練をするかを予告することなく、突然防災訓練というのをしているところもあるようです。通常業務に対する悪影響もちろんありますが、今の弥富市のこの体制において、そういう突発的な防災訓練ができるでしょうか。市長のお考えをお伺いします。
(安藤市長)
本市といたしましては、災害時に備えて、毎年職員に各種訓練や研修等を実施しておりますので、通常業務中に予告なしで防災訓練を実施することは考えておりません。
(佐藤議員)
大規模なことはできませんが、例えば市長と市の幹部においてはそういったことも少しずつ工夫をして、模擬訓練をしていただければと思います。そういう意味で、副市長の役割は重要ですが、災害において、副市長の役割をどのようにお考えでしょうか。
(安藤市長)
弥富市災害対策本部は、市長を本部長とし、副市長、教育長の2名を副本部長としております。災害時において副本部長の役割といたしましては、本部長を補佐し、本部長に事故があるとき又は本部長が欠けたときは、その職務を代理するとしております。
(佐藤議員)
質問ではないんですが、先ほどからの2月2日の日進市の愛知学院大学への防災訓練。このときに市有バスとハイエース2台で東名阪で向かったのですが、そのときに、市長と副市長がバスの先頭に仲良く座ってるんで、ちょっと違和感を感じました。
アメリカの大統領と副大統領は同じ飛行機や車両に乗らないそうです。
万が一高速道路上でバスが大事故を起こして、2人ともなくなったりすることないんでしょうが、怪我をされたりしたら、危機管理としてはどうなんでしょうか。違和感を感じました。せめてバスとハイエースにわかれる選択もあったかもしれません。
隣接市町村程度はともかく、名古屋市をまたいで日進市まで2人でかけちゃってる間に万が一、南海トラフ地震でも発生した場合には戻ること自体が極めて困難になります。
市長が欠けたときに、地方自治法上当然ですが、職務代理者は副市長です。
どうしても2人で行かなければならない案件は別ですが、そうでなければ、いつ災害が起きても副市長が対応できるような体制をとっていただきたいと思います。
次に木造住宅が密集している地域の建物倒壊と火災の延焼について書画カメラをお願いします。

12月定例会の答弁では、この木造耐震診断事業が過去に428件、しかし、建築基準法が改正された以前の耐震性が低い建物が弥富市内に6690件あります。
つまり耐震診断事業自体がまだ1割も行っていない。
質問に対してご答弁は、「完了時期については、耐震対策の完了時期については、弥富市耐震改修促進計画に基づいて進めており、令和12年度には耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標としておりますので、現在はその目標に向けて取り組みを進めております。」という課長答弁です。
ですのでこれが果たして令和12年度までにできるのかどうか。
一方では、市の対応として、私がある程度行政の方でおせっかいできませんかという質問に対して、「市内の旧耐震基準建てられた建築物について市が耐震診断等の調査を実施する考えはございません。」という課長答弁でした。
この弥富市の特性として、まさしくこの昭和40年代50年代に急速に住宅が増えてます。
またこれらの多くは、狭い道路に面して隣地との隙間もほとんどない状態で立っています。これはまちを見てみれば一目瞭然です。
このような状態で震度6強の地震が襲えば、昭和56年以前の基準で建てられた建物の大半は、倒壊してしまいます。
倒壊する大規模、半壊するというのは、火災の延焼、つまり壁が落ちますから。さらに倒壊した建物が、道に倒れ込んで避難も困難です、消火活動も細い道に阻まれて、困難を極めます。
ところが耐震基準を古い時代の昭和の建物の持ち主は、高齢化などにより、耐震補強建て替え進まないという答弁もされてました。
しかし、先ほどから申し上げているように、命が大事です。
行政が手をこまねいているのは、許されないと思いませんか。
もちろん耐震診断補助をしていると。努力はしてます。だけど結果として多くの命が地震や津波高潮で命が奪われるということを、これ蓋然性が高いんじゃないでしょうか。
まさしく高齢化とか普段の生活、福祉やまちづくりという観点から総合的に調査や検討を進めなければならないんじゃないでしょうか。
そういう地域について全国的に見れば、行政として調査に入っている例はあります。
東京都の区部では防災まち作りとして地域懇談会、まちづくり委員会、結成に行政が支援をしています。
そこで、市長として、木造建物が密集している地域の建物倒壊と火災の延焼についてどのように認識していますか。
(安藤市長)
地震火災は通常火災とは異なり、同時多発的に発生するのが特徴であります。
本市の市街地の一部におきましては、狭い前面道路に旧耐震基準昭和56年以前の建築物が建てられ、大規模地震発生時には、建築物の倒壊により、火災発生時の延焼原因の一つになることや、倒壊した建物が道路をふさぎ、適切な消火活動が阻害される恐れがあります。
このような悪条件が複合して起こる地震火災は大変危険であると認識しております。このため本市は、海部南部消防組合、自主防災会、消防団等と連携して、火災予防対策に努めております。
(佐藤議員)
ということで、改めて聞きますが、古い木造住宅が密集した地域について、行政の調査や組織的な支援が必要ではないでしょうか。
(安藤市長)。
令和4年12月議会におきまして議員の一般質問で答弁いたしました通り、市内の旧耐震基準で建てられた建築物について、市が耐震診断等の調査を実施する考えはございません。
旧耐震基準で建てられた住宅等をはじめとする建築物は、個人の財産であるため、まずは所有者自身が無料耐震診断等により、建物の安全性について認識していただくことが重要であり、市が全面的に支援するのではなく、耐震対策等に係る費用の一部を補助するという形で支援しております。
現在本市が実施しております住宅関連補助事業といたしましては、木造住宅耐震診断、民間木造耐震改修費補助、民間木造住宅耐震シェルター整備費補助、ブロック塀等撤去費補助、空き家除却費補助および狭あい道路整備事業がございますので、引き続き補助金等を活用していただけるように周知してまいります。
(佐藤議員)
前半で通告してある質問は以上ですが、冒頭で申し上げた、やはり命が大事ということで、制度とか判例も少しずつ行政に対して厳しくなってきています。
私も元行政にいて厳しい予算、それから個人財産についてどこまでお金を出すかは非常に悩ましいと思います。
ただ、例えば高知県の黒潮町はかなり悲惨だということで、建て替えについてもかなり入ってます。
やはり、耐震性のないままいってしまえって倒れてしまうと、公費解体をし仮設住宅は昔300万と言ってましたが今ひょっとする500万ぐらいかかってしまう、あるいは様々な補助、それからもちろん人が亡くなるってことで様々な経済的損失を考えると、耐震補助費用は結局、費用対効果が高いんではないかということが言われてますが、さりとて、なかなかこれも国の補助等もまだ十分来てませんので厳しいことも承知しております。
弥富市として、弥富市の問題点を見つけて、まちづくり、駅前だけじゃなく、どちらかというと昭和の時代の古い住宅地、そういったところを日頃の安全、福祉という面も含めて、ご検討いただきたいと思います。
それでは大きな2番目に移らせていただきます。
書画カメラをお願いします。

二つ目はですね、市民意識調査にどう向き合うか。
もう一つは行政組織を育てる副市長についてお尋ねします。
地方分権が進み行政を総合的に進めることの重要性が認識されて、市長が中心となって、基本構想と基本計画を合わせて、総合計画を定めることが全国的に行われています。
この計画作りの場において、あまりにも普段、巨大で、複雑化した行政が市民の声をどう吸い上げるかということで、アンケート調査が進んでいます。
今年度第2次弥富市総合計画後期基本計画および第2期弥富市まちひとしごと創生総合戦略改訂版策定に向けた、市民意識調査アンケートが実施されました。
このアンケートは有権者の1割弱にあたる3000名の方に郵送されています。
市民の声を相当集約できてるのではないでしょうか。
受け取った側はこのような膨大な時間もかかり、内容も、普段、聞きなれない、相当に神経を使うアンケートによくも約3割の方が答えてくれたと、私も市役所も感謝してると思います。
私もアンケートに答えていただいた市民の皆様に敬意を持って見せていただき、計算や分類などをしていました。
膨大かつ詳細なアンケートなので数分どころか数十分、相当時間がかかりました。
市民の方がわざわざ、貴重な時間を費やして記入されたのはどうしてだと、市長お考えでしょうか。
(安藤市長)
市民の方々が日常生活で感じられていることは、より良い弥富市にするためのご意見、まち作りの参画に対し真剣にアンケートに取り組んでいただいているものと理解しておりまして、大変ありがたく感じております。
(佐藤議員)
回答してる方のモチベーションとしては、やはり自分の意見が、市政に反映されてるという、市長に聞いてもらえると思っていると思うんですよ。前回のアンケートも私全部見ました。
それに比べると今回のアンケートは、自由意見欄の意見が非常に充実しているような気がします。市長は全部目を通されたのでしょうか。
(安藤市長)
はい目を通させていただきました。特に自由意見欄には本当に様々な意見やアイディアが多数ございました。
(佐藤議員)
私の立場は今15人ですが16分の1の議員の立場でやはりここは真摯に読ませていただいたのですが、日々の買い物とか、老後の不安、地域交通、特に、駅から離れた地域の人たちが、将来これで暮らしていけるのかと。
真剣に悩んでるのが、文字であふれると、もう最後までたどり着くのに、正直、くじけそうになるぐらい苦しい厳しいアンケートでしたので、市長にもしっかりと読んでいただいて、生かしていただきたいと思います。
そこで、意見に対してどのように分析されましたか。
(安藤市長)。
市民アンケートおよび中学生アンケートにつきましては、市政に対する満足度、重要度の評価、現在の社会情勢等による暮らしへの変化などの集計を行い、第2回弥富市総合計画審議会において、速報値として報告いたしました。
今後、市民ワークショップ審議会委員会意見などとあわせまして、併せて取りまとめ、改正骨子案を作成してまいります。
(佐藤議員)
今の総合計画に反映させるにはまだ1年以上、それが政策となって表れるには数年かかるはずです。
しかし、市民アンケートで求めている市民の切実な意見については、いくつか具体的な話も入ってます。意見に対して、組織としてどのような対応をされるのでしょうか。
(安藤市長)
今後、各課からの意見を踏まえた上で、総合計画審議会に諮り、そこで出たご意見を再度協議などを行い、後期基本計画に反映してまいります。
(佐藤議員)
読んでいると、事業の仕組みがわかりにくい。やっぱり弥富市のPR不足、説明不足による誤解に基づく意見もあったような気がするのですが、弥富市として説明不足はお考えにならないでしょうか。
(安藤市長)
誤解だと思い、思われるようなことがあれば、丁寧に説明する必要があると考えております。
(佐藤議員)
JR名鉄弥富駅の橋上化にしても非常に厳しい意見がたくさんありました。
丁寧な説明はされてこなかったからそういった意見が多いのではないでしょうか。
次に意見欄に、ストレートに「市民の意見にきちんと答えられてない」っていうのがありました。
弥富市役所全体が、市長1人じゃなく市役所全体の個々の職員、市役所全体の仕事ぶりとして市民の声にきちんと応えていないという意見かもしれません。
市長としてどう思われますか。
(安藤市長)
本市といたしましては事業など丁寧にご説明をさせていただいております。今後とも丁寧な説明責任を果たしてまいります。
(佐藤議員)
何度も聞くようですが、市長自らが市民に対してもいつでも応えるという、そういう市の姿勢というのを示されているのでしょうか。
(安藤市長)
市民の皆様や議会に対し真摯に努めており、今後も様々な事業を展開していくわけでございますが、説明会など、真摯にかつ丁寧に対応してまいります。
(佐藤議員)
私のホームページに駅問題の解説があり、検索すると結構上の方に来ます。今でもコンスタントに平均3件の一覧があります。特に宣伝はしてないんですけど。
やはり説明会ではなく、説明ではなく、タウンミーティングなど積極的に意見を聞いてもらえる場が市民は欲しいと思ってるんじゃないでしょうか。
そういうふうにこのアンケートの結果は市政というのをちょっと厳しく言ってると、断罪っていうのは言い過ぎかもしれませんが、思います。
次に行政組織を育てる副市長の役割についてお伺いします。
副市長は行政の経験者として弥富市の組織職員に何か問題があるとお考えですか。
(村瀬副市長)
市民ニーズの多様化や、国・県の組織変更による組織横断する事務が増えていることに対して、現状の事務分掌および事務分担の再確認や、各課における人員を確保し、職務をカバーできる環境を作るための検討が課題であると考えております。
(佐藤議員)
その問題点について副市長としてどのように対応してきたのでしょうか。
(村瀬副市長)
その課題に対しまして、組織、職責、定年延長などを踏まえ、各部への意見交換会を始めております。
(佐藤議員)
行政のベテランということで信頼してはおるんですが、もうちょっと職員の気持ちに寄り添って、特に私が心配してるのは休職者が6人ということですので、人事には心を砕いてほしいと思いますし、日頃から、より良い組織と職員するために頑張っていただきたいと思いますが、副市長として何か今後対応を考えていますか。
(村瀬副市長)
本市は合併から16年が経ち、少子高齢社会の到来について、小中学校の再編、保育所の民営化、公共施設の統廃合など、長期的な視点を持って、行政サービスの水準を維持し、将来世代への負担が増加しないよう取り組んでいるところでございます。
組織におきましても、社会情勢の変化や、アフターコロナの観点を含め、新たな行政課題に、柔軟かつ迅速に対応することが求められております。
こうしたことから、限られた職員数で質の高い行政サービスを提供するため、事務の効率化に重点を置き、組織や事務の集約を図り、市民が利用しやすい組織となるよう検討してまいりたいと考えております。
(佐藤議員)
副市長の選任について公募という考えもありますが、市長はどのようにお考えでしょうか。
(安藤市長)
他の自治体におきましては、進めていく事業展開によって、専門分野に長ける方を公募し、選任するという考えもございます。本市におきましては、現時点では検討しておりません。
(佐藤議員)
多分おっしゃってるのは、専門的な課題を決めて、ちょっとむしろ行政とは違う個性のある副市長を選んでる事例が散見されますが、ただ今ですね、いろんなものが公募が進んでいます。先ほどからお願いしてるのは、専門性も大事ですが、まさしく副市長ってのは、行政の要なんですね。
行政は副市長次第といっても正直いいと思います。なので、もちろん、立派な副市長ですが、コロナでなかなか動きにくかったとは思います。
日銀の総裁が、議会で公聴会で所信表明を聞いて、その所信表明がよしと、この日銀総裁にしようと言って今回決まりました。
市長は選挙で選ばれています。その市長が使いたいっていう方ですから相当立派な方なんですけども、
今後の弥富市政、特に行政面をどうするかを、お考えを示していただきまして、それにふさわしい方を選ぶという。そういうプロセスはアメリカ的かもしれませんが、とても大事だし、
僕は元公務員として部長さん課長さんの気持ちを思うと、そういったプロセスも大事じゃないかなと思います。
最後に、地方自治法に基づいて設置され、運営されてる弥富市には広範な裁量権があります。実際に裁量権があります。
そもそも、市政に関する情報は、行政が独占してます。
そして一般の市民にはほとんど理解できない法律、条例、規則、内規、高度な仕組みを行使して何十億という事業を執行しています。
具体的に言えば、例えば子供を保育所に預ける、福祉制度を利用する、そういった場面で、認定、措置。行政処分は市民感覚ではお上の言葉で市民の人生が左右しています。
多くの市民にとって弥富市がこうあってほしいとか、自分の子供に、より良い人生を送ってほしいとか、そういう事前にささやかな願いに対して、やはり権力を持ってるのは行政組織です。
そしてそれを束ねるのが安藤市長。そして、実質的に支える懐刀が副市長です。
少子高齢化、国際化、様々なことで難しいことを言ってますが、結局、特に1人1人の個性が、多様性が尊重される人権問題がこれから重要になってきます。
従来の国や県の補助金を引っ張ってくるのは、力のある市長や有力議員であるという時代は、どうなんでしょうか、ちょっと終わったんじゃないかなという気がして。
もちろんそういった要望はとても大事ですよ。そこを否定するものじゃないんですが、なかなか難しい。これからは。
ですから個々の業務を、真摯に、棚卸をして、丁寧にお客様の立場で見直し、日々の行政に活かせるかが重要です。
何かをしてほしいっていうクレームみたいな話はいっぱいありますが、なかなか建設的な意見が市役所には届きません。
そういう意味で、今回の市民意識調査アンケート、これ非常に貴重な声です。
こういった声をきっちりと市長と市役所全体で受け止めて、強大な権力を持つ安藤市長は真摯に耳を傾けて行動してほしいと思います。されると思っております。ということで一般質問を締めくくります。

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