報告! 第2回 まちづくり寄席(対話型講演会)「こどもとまちについて」 を開催しました

日時:2023年5月27日(土)      午後1時30分〜4時30分

会場:弥富市十四山総合福祉センター     2階 集会室

参加者:9人      (市民6人、市外オブザーバー3人)

令和7年に中学校、令和10 年に小学校の再編が計画されていますが、その話に限らず、

子どもたちの教育環境(その先の生涯学習も含め)や見守りをどう構築していくのかなど、

市民の皆さんと一緒に考えていきたいということで、

一方的な講演会ではなく、対話型の意見交換会として開催しました。

「子どもの安全の問題」

「小中学校の統廃合をチャンスとして市の教育機能の充実を考える」

「地域と子どもを結びつける核となる場所が必要では」という意見や、

オブザーバーからは名古屋市内の空き教室を利用した学びの場の事例が紹介され、

意見交換を行いました。

先行事例 「名古屋市のトワイライトスクール」の紹介

名古屋市で小学校の空き教室を利用して取り組まれているトワイライトスクール

(以下、トワイライト)の専門員(教職経験者)から事例紹介、

北名古屋市の児童館の事例紹介がありました。

市から委託を受けた名古屋市教育スポーツ協会(一部、民間事業者)が全体を統括し、

各トワイライトは専門員が中心になって実施している。

親の留守家庭に限らず全児童が対象で、年間400円くらいの保険料だけで通える。

学校からトワイライトに来た子どもは、まず宿題をして、

その後、外で遊んだり、施設内で読書をしたりテレビを見たりしながら1日を過ごす。

読み聞かせ、編み物、英語遊び、理科遊び、もの作り、手芸など、毎月いくつかの講座をやっていて、

その講師は、地域のコミュニティセンター(以下、コミセン)で講座をやっている地域の人たちが多い。

それが地域の人の生きがいにもなっている。

子どもと地域の人の接点をつくるのがトワイライトの一つの役割だと思っている。

また学校との連携もしている。防災についても避難経路など常に学校と連携をとっている。

各トワイライトに任せておくだけではなく、教育スポーツ協会が毎月お便りを出していて、

それぞれの実践を紹介したり、講師を紹介したりもする。

各トワイライトのお便りを区内で交換している。

だから全体的なレベルが保たれている。

北名古屋市では、西春の図書館が閉鎖になった代わりに児童館の中に機能を移して、児童館が充実してきている。

また、全体的なイベント「こどもフェスタ」を児童センターと9つの児童館、10の児童クラブが協力して実施するという横の連携もできている。

佐藤コメント

名古屋市の児童館は各区に1館だが弥富市は各小学校区にあり数は充実している、

無料で誰でも利用できるし、いろいろなプログラムもやっているが地域との連携が薄いかもしれない。

公設の児童クラブがあるが、保護者が働いている児童しか入れない。

名古屋のトワイライトは、保護者の就労に関わらず全児童を対象としているし、

全国的には放課後教室と呼ばれる全児童対象の居場所づくりが進められている。

文科省は放課後教室は学校敷地内でやるべきという方針。

弥富でも何らかの形で地域が支える放課後教室ができて、

できればそこに退職した教員に入ってもらい、

現役の教員とも接点をつくっていくような名古屋方式の良さが取り入れるといいと思う。

最初は真似るところから

先進事例を勉強してそれを弥富市の中にどういうふうに取り入れるかを考えていくのは市職員のはず。

「何らかの形で先進事例を適応できないか」と議会などで何度も繰り返すことで職員を叱咤激励する。

職員も競争になるから頑張ろうと思うだろう。最初は真似をするのが大事。それに少し地域性が出れば大成功では。

佐藤コメント

弥富市のような中小市町村共通だと思うが、

先進事例に接しても「うちとは規模がちがう、予算がちがう、住民意識がちがう・・・」と否定的なことばかり理由にして、

先進自治体に電話して聞いてみること自体に恐れを感じているような気がしている。

放課後教室や児童館など現場と地元が協力する事業については、

行政の役割は仕組みをつくること。仕組みをつくったらあとは現場に任せればいい。

弥富市は、箱物をつくったら終わり。

議会としても、仕組みまでチェックし要望していくべき。

仕組みの重要性は問題提起しているし、

今度の議会でもそのあたりをとりあげる。

廃校により、その地域の子どもたちの安全について行政の目が行き届かなくなるのではと心配

現役子育て世代の方から子どもたちの安全に対する心配の声が上がりました。

学校がなくなる地域では、学校から先生が居なくなってしまう。

避難場所としての機能がどうなるかを含め、

日頃からの子どもたちの安全面で、

行政の人の目がおざなりになってしまうのではないかという心配がある。

児童館や子育て支援センターに集まる親の間でもそういう話が出ている。

佐藤コメント

廃校になっても当面は避難場所としての機能は無くならないと思うが、何らかの活用策が必要です。

学校にいる先生や職員が地域の子どもの見守という視点があるという指摘は重要です。

登下校に先生が付き添うなど、先生の姿が地域から消えてしまうのは、地域にとって大きな損失ですね。

他の方も指摘されていますが、地域の教育の拠点が亡くなることと、

公務として職員が常駐しなくなることで失うものが大きいと思います。

コミセンなどを核に地域と子どもを結びつける必要がある?!

地域と子どものつながりが切れることに懸念の声が上がりました。

名古屋では小学校区単位で「区政協力委員会」が組織されて、防災を含めて地区の安全、教育のことも話し合う。

小学校区ごとにコミュニテーセンター(延床面積300㎡)が整備され、

その場所が地域の自治活動の核になっている。

トワイライトにもコミセンの講座をやっている地域の人が教えにきてくれるので、

地域の皆さんとの関係がつくりやすかったと思う。

弥富では児童館がそういう役割なのかな?

弥富にはそういった下地があるのかな?

コミセンが地域での中核的な実組織になっていると、子どももお年寄りも交わる場となる。

学校がなくなっても、コミセンが機能していれば地域の自治活動も充実した場になるかなと思う。

佐藤コメント

弥富の場合は各小学校区にコミュニテーセンター相当施設が建設されているが、

単なる貸館にすぎず、地域をコーディネートする機能を果たしていない。

名古屋では、市が所有するコミセン施設の維持管理費相当額は市が出すけれど、

コミセンの運営は地域が指定管理者としてやっているので、

各学区で自分たちの施設という意識も高いし、利用度をあげる工夫もしている。

弥富も名古屋のトワイライトの仕組みがすぐにそのままは真似できるわけではないが、

今回の統廃合を契機に、地域と子どもを結びつける仕組みとして、

学校教育と地域コミュニティー活動と生涯を統合する「生涯学習計画」を検討していくべきだと思う。

地域の教育機能を高めるチャンスに! 行政・市議会の中で議論はされている?

「小中学校の統廃合が良い、悪いということではなく、

これを契機に、この地域の教育機能をいかに高められるかが重要だ」という意見が出されました。

例えば、今の計画では、半径2㎞もしくは1.5km圏内に居住する児童数が一番多く、

公共施設保有数が少ない十四山西部小学校に統合されることになっているが、

スクールバスで児童を通学させるならば距離を基準にする必要はない。

市の全体的な教育機能を高めることから考えれば、

公民館やアリーナ(十四山スポーツセンター)が隣にある十四山東部小学校を残すという案も議論されてよいはず。

すでにある施設を活かして、この地域の全体的な教育機能を高めることを考える。再構築する機会にする。

地域社会にそれなりの教育機能が備わっていれば、若い人たちも住んでみようということになる。

小中学校が統廃合するなら維持管理のお金は減るのだから、

その代わりに新たな機能が加えられるかどうかがこれから問われてくる。

行政は情報を出しながら議論しながら、

みんなが納得できるように物事を進めてほしい。

佐藤コメント

再編案について教育委員会が全員協議会(議会公式YouTubeで公開)で説明しましたが、

その後、議長が全員協議会を閉じてフリーで議員の意見を聞くとして非公開の場でしか議論されていません。

今後、学校や児童館、児童クラブ、コミュニティーを所管する厚生文教委員会でどこまで議論してくれるかはわかりません。

本当は議会がこの地域の学びというものを議論していくべきです。

まずは今度の議会の一般質問で「放課後の対応、地域コミュニティー、生涯学習の今後」について問題提起します。

地域での学びというものを模索中です。

建物としての「公民館(コミュニティーセンター)」ではなく

地域のこどもや大人の学びを通して地域を結びつける、

飯田市で実践されているような本来の意味での「公民館活動」を再興できないかと思っている。

また、徒歩で十数分で学校に行ける子と、バスで往復2時間かかる子は、

学習時間、家族や友達と過ごす時間と言う意味で「徒歩通学と平等」ではない。

バスで通う子は通学時間という点でも地域と切り離されるという点でもハンデを負わされる。

学校の維持管理費が4校から1校に減るのだから、浮いたお金を放課後教室なり、

地域の学びの場の再興など、様々な形で子どもたちのために使わなければいけないと思う。

廃校跡の利活用

廃校の利活用について意見交換しました。

弥富は意欲ある人がいたとしてもバラバラになっている。

どのように学校が利活用できるか、

集まって考えてみませんかという場を行政がつくらないといけないという気がする。

いろいろ考えている人たちは弥富にいるとは思うので、

その人たちの声が届くような仕組みが必要。

ある意味、それが小学校がなくなった代わりの教育機能的な新しい形になる。

面白い若者が集まって何かやっているということになれば、

子どもたちがそれを見て学ぶこともある。

そういう循環も重要なので、

まずは行政が場づくりをするのが必要では。

佐藤コメント

私の今度の一般質問の中にそれは入っている。

その時のキーワードが「生涯学習」。

生涯学習がもっと学校教育とつながるべきではないのかと。

コミュニティ事業に関していうと、地域づくりと言っても抽象的過ぎるので、

子どもを中心とする、子どもを大事にするというところに

焦点を絞ったらどうかということを今度の議会の一般質問で投げかける。

最期に

今回、少人数ながら貴重な意見を出していただけました。

参加者が少なかった反省を踏まえて、

今後は会場に人を集める形ではなく、

市民が集まる場に私が出向いて、

様々な意見が拾えるように考えていきたいと思っています。

次回6月議会では、弥富市の放課後対策・コミュニティー活動・生涯学習がどうなっているか聞く予定です。

 

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