弥富市議会令和5年9月定例会 一般質問 佐藤仁志 発言の要旨(弥富市議会の公式の議事録ではありません)
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(佐藤議員)
被災した自治体に学ぶ対話と合意、実践力を高める防災の備えについて
今回、石巻市と東松島市を調査地として総務建設委員会で現地調査をさせていただきました。
両市の方々には、業務繁忙のところ丁寧にそして熱心に対応していただき感謝申し上げます。
さて、調査地の選定理由の一つとして、東日本大震災といえばリアス式海岸地域での大惨事が目に行きがちで、弥富市は平野だからあんなことはないと思いがちです。
しかし、リアス式海岸でなく平野でも大きな津波被害、河川津波があることを弥富市として教訓にすべきです。
行政組織風土の改革や地域住民の積極的な地域づくりへの関わりやそれを促す市行政からの働きかけの観点から質問します。
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図表にあるように
1 東松島市の記録誌を見ると具体的な被災の内容や数など、弥富市が参考にすべきではないかと思います。
本市の想定と比べてどのように評価されましたか。
事前に、石巻市と東松島市のホームページを丹念に読みました。
大変充実しており驚くべき内容でした。
特に東松島市は平成17年に二つの町が合併し、人口4万人弱と弥富市と同じくらいで低平地である点も似ていて参考とすべき都市だと思います。
何よりも類似しているは、東松島市も地域の大半が浸水し、犠牲者が約1100人という点で、
本市が想定している最大規模の大津波災害は全域での津波の被害、そして約1200人の人的被害を想定しているという点です。
東松島市の記録誌を見ると具体的な被災の内容や数など、弥富市が参考にすべきではないかと思います。本市の想定と比べてどのように評価されましたか。答弁願います。
(太田防災課長)
東松島市の「東日本大震災復興記録誌」には、被害状況や対応した内容などが詳しく記載されています。大規模災害時は、本市も同規模の被害が発生することが想定されますので、今後の防災対策の参考にしてまいります。
(佐藤議員)
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記録集の写真にあるように
2 東松島市の災害対応・復興の記録資料は本市の参考になると思うが、活用方法はないか。
私は幾つもの、公式ホームページに残された災害の対応過程の情報や災害事例の報告書を見て「弥富市にどう生かすか」日々研究しています。
県や政令指定都市などが非常に充実していますが、やはりスケール感がちがうので、参考になっても弥富市ですぐに丸写ししてつかえるものは多くありません。
しかし、東松島市の市長、市の職員、地域の様々な団体、市民が、ベターな対応ができていたのではないかと、私は他都市と比較して判断しました。
弥富市の職員にとってもスケール感が合うと思います。
東松島市の災害対応・復興の資料は本市の参考になると思うが、活用方法はないですか。答弁願います。
(太田防災課長)
各自治体が防災対応や対策を考える上で、人口や年齢構成、地形、産業構造、地域文化、過去の災害履歴など、地域の特徴が類似している災害記録を活用することは、今後の防災対策に大変重 要であると考えますので、参考にしてまいります。
(佐藤議員)
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図は、当市から東松島市さんへの質問の回答です。
3 震災後の復興計画策定のプロセスが参考になると思うが、本市としてどう評価するか。
事前に松島市役所にお願いしていた質問「『復興まちづくり計画市民委員会』の『意見まとめ資料』の作業にあたり、
資料の形式の設計や実際の項目の書き込み等は市の職員がされましたか、外部のファシリテーターの協力はありましたか。」に対する回答では、
「復興まちづくり計画市民委員会は、復興まちづくりに関して全市的な復興の情報を市民と共有するとともに、復興まちづくり計画に市民の意見を反映させていくため、
公募及び産業・福祉・地域代表などから選任された市民委員や学識経験者で構成する市民委員会が中心となって、
市の全体的な復興情報の共有や事業の進行管理、評価改善を目指し、定期的に開催したものです。
その中で、『意見まとめ資料』は会議における質問、感想 意見 改善要望などをまとめた資料となっており、事務局(市)が作成を行っています。」とのことでした。
東松島市の震災後の復興計画策定のプロセスが参考になると思いますが、市としてどう評価するか。答弁願います。
(太田防災課長)
本市が計画策定を実施する際は、関連部署と連携し、東松島市を始めとする被災自治体の策定方法を参考にしてまいります。
(佐藤議員)
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図は東松島市の復興まちづくり計画の推進体制図です。
4 東松島市では集団移転など復興計画づくりに自治会が参画し個々の市民の意向が尊重された移転ができました。本市としてどう評価するか。
他都市では防災による地域単位の集団移転において移転先の各戸の配置についても、行政が抽選で行ってしまう例が多いようですが、
東松島市では、「地域の自治会がしっかりしているので、移転先での各戸の配置については、知り合いがお隣になれるよう、徹底的に話し合いをしてもらって決めてもらった」ということと、
「移転先についても、希望によって他の地域への移転も認めた」ということが補足説明されました。これはすばらしいことです。
東松島市では集団移転など復興計画づくりに自治会が参画し個々の市民の意向が尊重された移転ができました。本市としてどう評価するか。答弁願います。
(太田防災課長)
地域の特性の実情に合った、取り組みであったと考えております
(佐藤議員)
5 東松島市では公民館施設の移管が自治会の組織力向上につながりました。本市でもコミュニティーセンターなどを自治組織の防災施設として自治組織への移管を検討したらどうか。
事前調査で「震災の数年前に2町の合併があり、当時の新市長がこれからは地域のことは地域で徹底的に話し合う」という趣旨の記述があったことを思い出し、
その点について再質問をしたところ、「東松島では、伝統的に公民館活動が盛んで、市の職員がそれに対して支援をしている。
ちょうど各地区の公民館を地元自治会の管理へ移管する方向で、しっかり地元や行政の話し合いをしていた時に、この災害に襲われた。
事前に地元のことを話し合う仕組み、自治会の雰囲気がこのような不幸な状況においても『地域で徹底的に話し合う』自治会として大変役に立ったのではないか。」と概ねそういうような趣旨の説明がされました。
東松島市では公民館施設の移管が自治会の組織力向上につながりました。本市でもコミュニティーセンターなどを自治組織の防災施設として自治組織への移管を検討したらどうか。答弁願います。
(太田防災課長)
本市の場合、 各地域で公民館等がありますので、コミュニティ ーセンターなどの公共施設を、 自治会組織の防災施設として移管 することは、考えておりません。
(佐藤議員)
6 東松島市では公民館活動と自治会への職員の支援が職員の聞く力、答弁力、調整力を向上させた。本市も見ならったらどうか。
私たち調査団が東松島市の駅に着いた時点から、案内をしていただいた職員の方から、極めて熱心に地域のことを説明して頂きました。
きちんと相手に説明をして理解を求めるという姿勢が職員に根付いているのだという印象を持ちました。
東松島市では日頃から市長と幹部、幹部と職員がしっかりと議論を積み重ねています。
その議論と説明責任の積み重ねがあったことが、この災害時・復興時における素晴らしい対応につながったのではないかと思います。
このことを弥富市でも肝に命じて、執行部と議会、住民との徹底的な議論が大事ではないでしょうか。
そもそも住民に対する徹底的な聞き取りと説明が日頃から大事だと思いました。
東松島市では公民館活動と職員の自治会への支援が職員の聞く力、答弁力、調整力を向上させました。本市も見ならったらどうか。答弁願います。
(伊藤総務部長)
職員の「聞く力」、「答弁力」、「調整力」は、市政業務を遂行するにあたり大変重要であります
このため今後も職員研修の充実を図るとともに、様々な部署で業務経験を積ませて、職員の資質向上に努めてまいります。
(佐藤議員)
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写真は東松島市で見学させていた防災拠点備蓄基地です。
7 東松島市では充実した防災拠点備蓄基地が整備されている。そのノウハウは本市でも生かせるのではないか。
現地視察で防災拠点備蓄基地を案内していただきました。被災地特有の国の資金を活用して防災拠点備蓄基地をつくったのはうらやましい限りですが、
驚嘆すべきはそのシステムと内容です。実際に、緊急時から復興期にかけて、様々な物資が全国から集まり、様々な物資に職員が翻弄さましれた。
自治会など住民団体も、救援物資について感謝の面もありますが、
物資を集積・分類・運搬するオペレーションについて初めての体験であり物資の多さ多様性に翻弄され、現場が混乱したということで、この点についての教訓が生かされています。
議論の活発な東松島だからこそ、どうするかをシステム的に積み上げていった結果が、この災害時における防災拠点備蓄基地であり災害時における物資の運搬配送システムです。
現場で議論を重ね、工夫を重ねる職員の存在。特に有能な職員が1人でやるのではなく、多くの関係部署が様々な現状分析と議論をし、
細々とした数えきれない改善の積み重ねをした結果が現在の防災拠点備蓄基地にはぎっしりと詰まっていました。
弥富市でも、せっかくの東松島の教訓とノウハウ、この防災拠点備蓄基地・東松島市防災備蓄計画のシステムをまずはコピーして、それに倣って行くべきだと思います。
東松島市では充実した防災拠点備蓄基地が整備されています。そのノウハウは本市でも生かせるのではないか。答弁願います。
(太田防災課長)
本市の「防災備蓄品の整備」や「管理方法」等につきましては、東松島市を始め、他の自治体の状況を研究するとともに、今後も 物資供給や配送等の災害協定を取り入れながら、本市に合った備 蓄管理に努めてまいります。
(佐藤議員)
8 本市の職員の危機管理と復興について、東松島市など被災自治体の職員と交流すると良いと思いますがどうでしょうか。
他の災害都市では、東京など外部から来たコンサルタントや大学の先生などに丸投げに近い形であったのと比べて、
もちろん東松島市にも様々な組織の協力がありましたが、
基本的に、住民と、行政、そして職員との関係が元々できていたので、復興の計画と実施が他都市と比べて手作り感があり、東松島市らしさがある充実した内容になっています。
さらに、調査に対する回答で感心したのは、相手に分かってもらえるように説明をしようという姿勢が感じられたことです。
結局そこを掘り下げていってわかったのは、二つの町が合併したときの初代の市長が「住民との対話と活発な議論」を重視し指導実践し、市長、職員、議会が様々なことを活発に議論する組織風土が形成されていることです。
東松島市で作成された様々なシート、報告書をコピーして、弥富市としてシミュレーション、イメージトレーニングを議論すべきだと思います。
そのためにも他都市に行って見て、自分の耳で話を聞き、交流することが大事だとおもいます。
一人一人の職員が参考例を暗記をしただけでは全然駄目で、それをもとにやってみてどうなるんだということについて、自由闊達、忌憚のない議論ができる組織風土というものを作る必要があります。
東松島市のような組織風土、そしてその組織風土により、職員の意識能力を上げるということが防災の基本だなということがよくわかりました。
本市の職員の危機管理と復興について、東松島市など被災自治体の職員と交流すると良いと思いますがどうでしょうか。答弁願います。
(太田防災課長)
東松島市とは「災害時相互応援に関する協定」を締結しておりますので、今後も交流を深めて、被災自治体の経験から生み出す、防災対策や復興計画の策定方法などを、必要に応じてご教示いただき、今後の本市防災対策に活かしてまいります。
(佐藤議員)
昨日の市長答弁も、うちじゃない国だとか、言って逃げてる。
打ち返さない。
今後20年か30年で、全国どこでも人口が2割ぐらい減る。
そうなればやっぱり職員の数も2割ぐらい減らすか。
給料2割減らすか、そういう時代に、がもう目の前。
完全に下り坂になってるわけですよ。
そういう中で、阪神の岡田監督みたいな監督がいればいいんでしょうけど、
でも、結局は、職員の一人一人皆さんがどんなプレーをするか
市民が投げてきた球を、きちんと打ち返すってことですよ。
しがみついても打ち返す。バントでもいいです。
1塁1塁。ヒットを重ねて、ちゃんと得点をあげましょうよ。
そのためにはやっぱり、見習うべき手本はいくらでもあります。
職員の皆さん、の末永い幸せが、最終的には市民の幸せです。
この一般質問も、市民の皆さんが投げた市民の声をまとめてこうやって皆さんに投げますから。
職員の皆さんの奮起を期待して一般質問を終えます。