弥富市議会:予算案反対討論に見る市側の「はぐらかし」答弁
弥富市議会令和5年3月定例会において、一般会計予算と下水道事業会計予算に反対する立場での討論がなされました。この討論は、市側の予算編成と事業推進の姿勢が、市民の福祉や将来の財政負担に対して、いちおう事実を述べつつも、その本質的な問題をはぐらかしていることを浮き彫りにしています。
1. 地方自治の「助け合い」を無視した予算編成
討論では、まず「地方自治は助け合い」という本質的な考え方を強調し、弥富市の予算編成がこの原則から逸脱し、競争を優先する国の流れに流されていると指摘しています。
「恵まれた収入」のはぐらかし
- 議員の指摘: 「弥富市は、収入面では恵まれている方だと思います。しかし、使い方が下手なんじゃないでしょうか。使い方に関しては、近隣市町村に劣っていると言わざるを得ません。」
- 市側の視点(はぐらかし): 市側は予算を編成する際、財政の健全性や歳入の多さを強調することが多いです。しかし、これは**「収入が十分にある」という事実だけを伝え、その「使い方」が適切かどうかという本質的な議論を避けるためのはぐらかしです。収入が恵まれているからこそ、無駄な公共事業に予算を投じるのではなく、超高齢化社会や災害に備えるといった本当に必要な福祉や防災事業に集中すべき**という議員の指摘に対して、市側は具体的な反論をしていません。
「市民のための助けにならない」JR駅自由通路
- 議員の指摘: 「市民のための助けにならないような、JRの駅のような公共事業を見直そう」
- 市側の視点(はぐらかし): 市側は、駅の自由通路建設を**「利便性の向上」「地域活性化」といった言葉で正当化することが予想されます。これらの言葉は、事業の「目的」という事実を述べていますが、その事業が「市民の助けになるのか」という費用対効果や優先順位**に関する本質的な議論を避けるためのはぐらかしです。市民の税金が、将来の福祉や防災よりも優先されるべき事業なのかという問いに対し、市側は抽象的な「活性化」という言葉で答えるにとどまり、市民の利益に真に資するかどうかの具体的な根拠を示していません。
2. 下水道事業における「採算」と「環境」のはぐらかし
下水道事業は、経済的・環境的な観点から厳しく批判されています。市側は、過去の状況や部分的な事実を述べることで、現在の計画の妥当性に関する議論を避けています。
「採算」の合わない事業を隠す
- 議員の指摘: 「どう考えても永遠に採算が合いません」「使用料収入では到底まかなえません」「実質的には一般会計で返済するようなもの」
- 市側の視点(はぐらかし): 市側は、国からの補助金や**「将来の受益者負担」といった言葉で事業を正当化します。確かに補助金が出ることは事実ですが、これは「将来にわたる赤字」という本質的な問題**を覆い隠すためのはぐらかしです。建設費の半額を補助金で賄えるという事実を強調することで、残りの建設費や将来的な維持管理費・更新費用が市民の負担となるという重大な事実をあいまいにしています。
「流域下水道」の時代錯誤な計画
- 議員の指摘: 「燐が除去できない合併浄化槽でよかったということです」「流域下水道計画は…水質汚濁が激しかった時代の計画」
- 市側の視点(はぐらかし): 市側は、過去の公害問題や国の指導を理由に、流域下水道の必要性を説明するでしょう。これは、「過去の経緯」という事実を述べながら、現在の環境問題や技術進歩に合致しているかという**計画の「妥当性」**に関する議論を避けるためのはぐらかしです。伊勢湾の「栄養塩不足」という現在の漁業被害の事実を無視し、過去の公害対策という古い論理に固執することで、計画の見直しという本質的な議論から逃げています。
3. 将来の財政負担を隠す「起債」
最も深刻な懸念である財政面についても、市側は専門用語や部分的な事実を用いて市民の理解を妨げています。
「借金」を隠す繰り入れ
- 議員の指摘: 「一般財源からの繰り入れに頼ることになります」「返しようがない借金を積み上げようとしている」
- 市側の視点(はぐらかし): 市側は、下水道事業会計が独立採算制であるという**「会計上の事実」**を強調することで、一般会計からの繰り入れという実質的な市民負担を隠します。形式的には下水道会計が借金を返済しているように見えますが、その財源が一般会計からの税金であるという本質をはぐらかすことで、少子高齢化で財源がひっ迫する中でも、市民負担が増大し続けるという恐ろしい未来から目をそらさせています。
この討論は、市側が部分的な事実や抽象的な言葉、古い経緯を巧みに利用して、予算案の根底にある問題点(不透明な事業選定、経済的負担、時代錯誤な計画)を隠蔽しているという現状を明確に示しています。
議案第1号と6号に反対の立場で討論させていただきます。
まず議案第1号 令和5年度弥富市一般会計予算について反対の立場で討論します。
本予算にJR名鉄弥富駅自由通路に関する予算が計上されていることと、下水道会計に対する負担金がいぜんとして大きいことが主な理由です。
今、地方自治は大きな曲がり角を迎えています。
この先に待ち構える2030年超高齢化社会、2040年にいたっては超超高齢化社会、そして止まらない少子化、そして、南海トラフ地震がひたひたと迫ってきてます。
この予算は、その少子高齢化も、災害面も十分に考慮してると言えるのでしょうか。
このままブレーキもハンドルも使わずに突っ込もうとしてるんじゃないでしょうか。
地方自治を平たく言えば助け合いです。
2000年頃から国が推し進めてきた、地方分権一括法など一連の競争の導入によって、全国の自治体の財政が、悪化しています。
助け合いの原点よりも競争を優先する。
例えば、子供の権利であるはずの福祉。サービス提供にすり替えてしまっています。
安ければ安い方がいい。
そういうふうに流されていませんか。
本質的なものが失われ、お互いに助け合う。
自治の精神が失われています。
弥富市は、収入面では恵まれている方だと思います。
しかし、使い方が下手なんじゃないでしょうか。
使い方に関しては、近隣市町村に劣っていると言わざるを得ません。
他所がやってるからではなく、本当に必要な助け合いの事業に、集中しなければならない時期です。
ですから、市民のための助けにならないような、JRの駅のような公共事業を見直そうと言っているのです。
今後は他都市で行われている予算編成過程の公開や、予算案への意見を募集した上で、議会に諮るように改善してほしいと思います。
最後に地方自治法は、「地方自治体はその義務を処理するにあたっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるしなければならない。」
地方財政法は、「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて、これをしてはならない」と規定しています。
どうか市民に予算案を公開し、議会できっちりと議論ができるような費用負担のあり方、費用対効果について具体的な検討を市役所全体で組織的にやり直してください。
せめて来年度予算編成についてはまっとうな行政組織としての予算の編成を行っていただくことを願って、反対討論とさせていただきます。
次に議案第6号 令和5年度弥富市下水道事業会計予算について反対の立場で討論します。
公共下水道事業について、これ以上の新規の建設を凍結すべきであり、大幅な建設費が計上されている下水道予算に反対します。
住宅の新築や改築において、配管工事を別にすれば、合併浄化槽の本体工事は数十万円です。
これに対して、公共下水道の建設費は、愛知県の最終処分場と弥富市が担当する配管工事設備工事などが、一世帯当たりの建設費が100万円を軽く超えます。
どう考えても永遠に採算が合いません。
これが経済的な理由です。
次に、環境面です。
愛知県が流域下水道を推進し市町村に公共下水道の推進を強く迫った時期がありました。
これは、水俣病など公害が問題になった後に、全国的に海が汚れ、赤潮などの漁業被害が頻発しました。
特に東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内です。
昭和53年に導入された水質総量削減制度がこれに当たります。
いわゆる、水質汚濁物質の総量規制です。
愛知県は、全県的に流域下水道構想を導入し邁進してきました。
弥富市が導入した平成15年ですけども、そのときにどういう説明がされたかというと、
窒素の除去は合併浄化槽でも対応できるが、燐の除去ができないので合併浄化槽では駄目だという説明をされました。
しかし皮肉なことに現在の伊勢湾は、下水処理場で燐を取り除きすぎてしまって、栄養塩って言うんですけども、これが不足しているために、海苔が色落ちをしているという大変深刻な漁業被害が発生しています。
その他の魚介類についても減少しているという水産試験場の調査結果が発表されています。
つまり、燐が除去できない合併浄化槽でよかったということです。
そこでこれ以上流域下水道にこだわって、合併浄化槽では駄目だと言わずに今後は合併浄化槽に切り替えていけば良いということです。
まとめると、流域下水道計画は、伊勢湾で赤潮が発生、多発しその原因として、工場排水、農業の肥料の排水、生活もほとんど処理をせずに流していた、水質汚濁が激しかった時代の計画です。
工場排水や農業についてもかなり改善が進んできています。
全国的に下水道を整備して海を浄化するということで国が大量の補助金を入れて下水道建設が進められてきました。
相当に人口が集中している地区を除けば、安くて建設が容易で、むしろ早くできる合併浄化槽でよかったということです。
実は平成12年には、浄化槽法改正により新設浄化槽は合併処理浄化槽とすることが義務づけられています。それ以降に新築された住宅は合併浄化槽が設置されています。
弥富市でも相当の数の合併浄化槽が設置されています。
以上が環境面での合併浄化槽で十分と言う理由です。
深刻なのは、これが反対理由の一番大きなことなんですが、市の財政面です。
最初の建設について半分近くの補助金が入りますが、管が劣化し寿命が来たときの更新については基本的に補助金は入りません。
利用料収入では到底まかなえません。
現在の使用料収入は毎年の維持管理費と愛知県の処理場への費用を県に支払えばそれでほとんど使い切っています。
ですので一般財源からの繰り入れに頼ることになります。
当初の建設の半分は起債で借金で賄ってます。
これも形式的には下水道会計から返済してますが、実質的には一般会計で返済するようなものです。
今後、更新ということになるとなおさら一般会計の負担が増えます。
これが都市計画税がある岩倉市などでは、都市計画税を補填してるので他の事業へのしわ寄せはあまりありませんが、弥富市には都市計画税がありませんので、いわゆる一般財源でこの赤字を毎年数億円を負担していかなければならない。
今後、少子高齢化していく中で、当然他の事業、福祉にも皺がよります。
今後の少子高齢化を考えると全く恐ろしい話です。
という理由で、相変わらず新規に下水道を建設し、返しようがない借金を積み上げようとしている下水道特別会計に反対します。
以上です。
