📢 学校は誰のもの?「みんながつくるみんなの学校」の核心
- 危機感の共有:日本の学校に欠けているもの
元大空小学校長・木村泰子氏が指摘する最大の課題は、「主体性と当事者意識の欠如」です。「いい先生」「いい教育」が子どもを育てる時代は終わりました。悲劇を乗り越え、持続可能な学校を作るためには、子ども、保護者、地域、教職員の全員が「自分の学校の創り手」となる覚悟が必要です。
- 哲学:人権は「空気」!大空小学校が捨てたもの
学校づくりの土台は「人権」。人権とは、子どもにとって「空気」のように、誰もが呼吸できる環境そのものです。この豊かな空気を作るため、大空小学校は以下の3つを「捨てた」と言います。
- ヒエラルキー(校長、教師、親、子の序列)
- 前例踏襲(過去の慣習)
- 同調圧力(「みんなと同じ」の強制)
指導観も転換し、指導で追い詰める代わりに、子どもが失敗から立ち直る「やり直しの自由」を保障します。
- 行動:孤立を防ぐ「チーム大空」の力
学校の安全は職員室の中だけでは守れません。地域と学校が「融合」し、教職員だけでなくすべての大人(保護者→サポーター)が、自分の子だけでなく困っている子のそばに寄り添います。
【最も重要な気づき】 不登校や問題行動のある子どもが変わったのは、その子自身が変わったからではなく、「周りの子どもたちの『見る目』が変わったから」です。
校長の仕事は「学校を守ること」ではなく、「今日一番困っている子の最後の砦」になること。この理念を地域全体が引き継ぎ、「人のせいにしない地域社会」を弥富市全体で作り上げていくことが、この提言の熱いゴールです。
📢 誰も排除しない学校の真実!
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』は、特別支援教室を持たず、すべての子どもが同じ教室で学ぶ大阪市立大空小学校の奇跡のような日常を映し出します。
🚨 3つの衝撃的な問い:学校は誰のものか?
この学校が実現したのは、子どもたち自身が「学校のオーナー」であるという哲学です。
- 「学校は誰が作る?」
- 校長の答え: 「一人ひとりで、誰ですか?自分の学校だから、自分が作る!」地域のボランティアが動くのも、教職員が動くのも、この当事者意識があるからです。
- 「わかったつもり」が一番危険
- 初めて担任を持つ教員が戸惑うとき、校長は警鐘を鳴らします。「私たちは何が正解か全くわからない。わかったつもりになって動くのが一番危険です」。マニュアルではなく、子どもの事実から出発することを求めます。
- 「責任を薄める」チームではない
- 大空小学校の「チーム学校」は、大変な課題を分担して責任を薄めるためにあるのではありません。真の目的は、「その障害を支える周りの社会」、すなわち周りのすべての子どもたちを育てていくことなのです。
😭 校長が涙した瞬間と「奇跡の転換」
開校初日、問題行動を起こした転入生を見て、校長は心の中で自己批判をしました。
「『いい学校を作ろう』みたいなのに、こんなややこしい子が入ってきた…。その次に思うのはね、『うるさい!おらへんかったら学校づくりはもっと楽なのに』と。そう思った自分がそこにいたんですよ。」
校長が自分自身の「排除の心」を認めて変わった後、雨の日の廊下で奇跡が起こります。
逃げ出し、追いかけて転んだ先生を見た彼は、立ち止まって初めて発した言葉。 「痛いね、痛いね、痛いね」—この瞬間から、彼は学校から一歩も逃げなくなります。
【校長が学んだ核心】 彼は何も変わっていない。変わったのは、周りの子がその子を見る目が変わったからだ。
✨ 汚れた上靴と鉛筆の「喜び」
登校できなかった・セイシロウの母は、大空小学校に来て、息子が教室で「失敗」できるようになった証を見つけます。
「カバンの中を見たらぐちゃぐちゃやなっていうのが嬉しい。毎週上靴を持って帰ってきて、二人で洗うともう真っ黒になる。それがちょっと嬉しかったりするんです。」
「学校でいろいろ失敗しながらも、みんなと一緒にいろいろやってんねんな、というのが、本当にちょっとしたことなんですけど、嬉しくなってますね。」
生きた証である「汚れた学用品」は、大空小学校がすべての子どもにとっての「居場所」になった最高の証拠なのです。
🎬 ディスカッションの呼びかけ
珠玉の問い:
- あなたの周りの大人が「楽なのに」と排除したいと思っている子どもはいませんか?
- あなたの学校や地域は、「責任を薄める」チームになっていませんか?
- 私たちは、「周りの子が変わることで社会を変える」という教育の力に、どこまで本気になれるでしょうか?
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』の上映会や、その後のディスカッションで使用することを想定したスライドのテキスト案です。 主催者の想いから、映画内の印象的な言葉までをストーリー仕立てで構成しました。
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』 ~珠玉のつぶやき集~
- 公式HP:https://minna-movie.jp/index.php
- 主催:グッドネイバー
子どもの事実から「学校づくり」を問う
- 「みんなの学校」は誰が作るのか
学校の管理と当事者意識
「おはよう!今日の君たちの夢、すごい恵まれてるね。なんか負けそう。」
学校の前を見てごらん。学習園も運動場も、雑草一つなくとてもきれいだ。この雑草を誰が抜いてくれていると思う?用務員さんもそこまで手が回らない。みんなが知らないところで、山本さんや久保田さんが抜いてくれているんだ。
地域の久保田さんは、「自分の学校だから大切だ」という思いでやってくれている。
「大空小学校は誰が作りますか?」という問いに対し、生徒が「一人ひとりが創ると思います」と答える。
「一人ひとりで、誰ですか?自分って誰?(手を挙げさせて)大空小学校は自分の学校だから、自分が作る!」
2年目教員への問いかけ
初めて担任を持った教員は、はっきりしない理由で休んでいる子がいたことに心を痛めていた。
「自分としては気になる変化。そういうときも『(自分は担任だから)動かない』でいいのか?」
校長は問う。「学校に来ている子は、校長先生が『学校を見てて』と言ったら、見てもらえるわけやろ。どうする?やってみたい?と聞いていくからね。」
私たちは何が正解か全くわからない。「わかったつもりになって動くのが一番危険です」。
- 特別支援とチーム学校の哲学
転校生・セイシロウ(4年生)の挑戦
大阪市内の別の学校から転校してきたセイシロウは、毎日学校に行くことができず、行けても2時間ほどで帰ってしまう。セイシロウが家で動画を見ているよりも、学校でみんなといることが目標になるよう、みんなで「大空小学校」を支えてほしい。
(セイシロウが登校時に逃げ出す出来事があり、クラスメイトが追いかける。)
「追いかけろ!みんな追いかけて。セイシロウを置いてきそうな変化の予想はしない。よし、オープンな話をします。」
校長はセイシロウに厳しくも温かい言葉を投げかける。
「セイシロウ、今から出るんですか?学校は一回出たら、二度と帰って来られませんよ。大空小学校には、どんなことがあっても帰って来られませんよ。いいですか?」
(セイシロウが戻る)
「大空小学校は何年生ですか?」
「4年生です!」
「ベリーぐっ!素晴らしい。それでいいの。それでいいんです。」
セイシロウにとって、過去3年間、学校は「自分をいじめるところ、行けないところ」という受け止めになってしまっていた。学校はそうじゃないと、教職員と地域が一生懸命関わったことが、良い形で実を結び始める。「学校は地域だ」という理念が、誠志郎の居場所につながっていく。
支援を必要とする子どもたちとチームの連携
隣の小学校の児童数増加に伴い新設された大空小学校は、全校児童約220人の小さな学校ながら、特別支援の対象が30人を超えている。ここでは特別支援の教室は作らず、すべての子どもが同じ教室で学ぶ。
教職員はクラスや担当の垣根を越え、ボランティアや保護者もサポーターとして子どもたちを支える。
6年生の担任教員(大空小学校に来たばかり)は、学年で多くの支援が必要な子どもを抱えることに戸惑う。
「学年に一人二人いることはあるが、20人ぐらいというのは出会ったことがない。音楽教室に出て、何が学習できるか?みんなと同じようにというのも限度がある。どうしたらいいか…というのが正直な気持ちです。」
しかし、教員は言う。「周りの子どもたちが、(問題行動に対し)『悪い』という言葉がけではなく、『それやったらあかん』と綺麗にフォローしてくれたり、周りの支え、周りのつながりがすごいこの6年で出来上がっている。」
教室に入れない子への核心的な問い
(セイシロウが教室に入れない状況に対し、校長はクラスメイトを呼んで話す)
「今、セイシロウが一番やらなあかんことは、教室でみんなが待っている、宙組の友達のことを信用せなあかんと思う。」
「セイシロウが人を信用していないから、誠志郎が入りにくいんだ。」
「でも、大空小学校はみんなが自分で作っている場所です。誠志郎が安心しておれないわけがない。」
チームで責任を薄めるのではない
新しく来た教職員は、「チームで」と言われても、「自分のクラスは自分でちゃんとやったらいい」と戸惑うことが多い。
しかし、この学校は支援の必要な子も多く、みんなで見てくれる。「何かあったときに職員の方でも対応してくれるので、自分一人で抱え込んでいると本当にしんどい」ことに気づく。
「大空チームとかみんなの前で(課題を)見ていくのは、責任を薄めるためにやっているのではないと思うんです。」
【チームの目的】
- みんなで褒める:みんなが知っていれば、みんなで子どもを褒めてあげることができる。
- 細やかな支援:休む時間も、他の学年であっても違うクラスであっても(その子を)見ることができる。
- 社会を作る:あえて言うなら、その障害を支える周りの社会を本当に作っていかなければならない。周りの子どもたちを育てていかない限り、特別支援教育は進まない。
- 校長の自己変革と奇跡の瞬間
開校初日の葛藤
2006年の開校の日、他府県から突然転入してきた子どもが、講堂で開校式をやっている最中に、上のギャラリーを走り回り、笑いながら逃げた。その子の情報は全くなかった。
その姿を見たときの、校長自身の正直な気持ち。
「『いい学校を作ろう』みたいなのに、こんなややこしい子が入ってきた…。その次に思うのはね、『うるさい!おらへんかったら学校づくりはもっと楽なのに』と。この子がおらんかったら…そう思った自分がそこにいたんですよ。」
校長は自分自身を批判する。「校長がそんなことを思って、子どものための学校なんて作れるわけないでしょ。」
雨の日の奇跡
開校後も、その子は何度も逃げ出し、夜中まで警察からの連絡を待つ日が続いた。
6月の梅雨の時期、廊下が濡れていたとき、その子と支援担当の先生が座っているところに校長が入っていった。校長が座った隙に、彼はパッと逃げ出した。濡れた廊下で、追いかけた支援担当の先生が「ドデーン!」と大きな音を立てて転んだ。
彼は逃げるチャンスだった。しかし、彼は振り向いた。
彼は反対を向き、先生のところに来て、一生懸命お尻をさすりながら、「痛いね、痛いね、痛いね」と言った。それまであまり言葉を発しなかった子だった。
その光景を、その場にいた誰もが声を出さずに見ていた。
「指導法が見つかったわけでも、支援の仕方がうまくなったわけでもないのに、本当に嘘のように、彼は次の日から一歩たりとも学校から出ようという仕草はゼロなんです。」
校長が学んだ核心
「その子が学校に来れるようになったのは、周りの子が変わったから。周りの子がその子を見る目が変わったから。彼は何も変わっていない。彼は彼やないか。4月も5月も6月も、彼は彼なんです。」
- 誠志郎の母が語る喜び
大空小学校との出会い
いくつもの学校を回って、大空小学校の地域に引っ越してきた。見学に行ってみると、子どもたちの表情が明るかった。
セイシロウが3年生のクラスにいきなり入って発言したとき、普通ならみんな「何この子?」という顔で見るだろう。しかし、大空の子どもたちは「そうなんや!誠志郎ちゃんそうやって思ってるんや」と拍手したり、受け入れてくれた。
汚れた学用品の喜び
「1時間目から6時間目まで行って、夜も疲れて寝て…これがこの子の本当の姿なのかなって。」
筆箱一つにしても、鉛筆がすり減っているだけで嬉しい。今まではピンピンのままだった。毎週上靴を持って帰ってきて、二人で洗うともう真っ黒になる。「それがちょっと嬉しかったりするんです。」
「カバンの中を見たらぐちゃぐちゃやなっていうのが嬉しい。学校でいろいろ失敗しながらも、みんなと一緒に色々やってんねんな、というのが、本当にちょっとしたことなんですけど、嬉しくなってますね。」
- 登校できない6年生・香月の成長
水着と母親の思い
(長期間休んでいる6年生のカヅキの話。登校時の様子など。)
母親には「学習に必要なものだけは与えてやりたい」という強い思いがあり、水着がないというカヅキに対し、「(学習に必要な線だけをきちっと絞って)そこは買う」と決めた。
カヅキが成長しすぎて、母親の言うことを素直に聞いていた幼い子どもではなくなってきた。これは彼にとって「まだ一つ試練でございます」。
髪を切った日
(カバンだけが遅刻せずに学校に来る出来事の後)
入学以来初めて、香月が髪を短くした。これは、学校に来る決意を示したささやかな変化であった。
すべての子どもを受け入れる教育の力
- 転校生「ユヅキ」の受け入れと、大人の「物差し」の転換
学校に通えなくなった子どもが、また一人転校してきました。前の学校では「やられたらやり返す」「一切話を聞かない」「自分が考えるなんてことはできていない」という見立てでした。
【校長の姿勢】 「自分の目で見てみないと、先入観とか物差しで見ることだけは絶対やめます。」
【最初の対応】 新しく来た柚木さんの紹介をするとき、私はシンプルに子どもたちに伝えました。 「今日から柚木さんの友達です。OKですか?」 そして、「あとは自分の目で、自分の声で柚木を理解してください」と促しました。
【子どもの反応】 ゲームやポーズが好きだと自己紹介した柚木さんに、すぐに子どもたちは自然な形で関わり始めました。「ロボットどこ行ってるの?」と尋ねる子が、いつの間にか柚木さんの隣に立っている。子どもたちは、大人が恐れるような「怖い」存在を、自然に受け入れていきました。
- 「全員が走るリレー」の哲学
大空小学校のリレーは、支援が必要な6年生も含め、全員が走ります。
【世界一難しいリレー】 6年生にとって、これは「すっとバトンタッチができるわけがない」世界で一番難しいリレーです。しかし、周りの子は自分のチームが勝つための作戦を立てるために、困っている友達から目を背けてしまう。
【問うべきこと】 「何のためのリレーや?」「自分はどうするんや?」 このリレーの真の目的は、チームが勝つことではなく、困難な状況で「自分はどう振る舞うか」という6年間大切にしてきた学びを使えるかを試すことです。
- 学力調査と評価基準の根本的な変革
全国学力調査についても、その目的を「競争」から「成長」へと変えます。
【学力調査の目的】 学力調査は「自分の力を試すチャンス」です。全力投球すれば全てOK。 教室で受ける子もいれば、多目的室で受けた方が力が発揮できる子もいます。
【評価基準の核心】 評価の基準は、100メートル泳げることではありません。 「今現在、自分が自分の力がどんなんやという自分の現在地を知ることから始め、この力を伸ばすためにどれだけ努力をしているか」が基準です。
- 事例: 100m泳げる子が余裕で力をセーブしていたら、その時間は「ゼロ(成長なし)」です。
- 事例: 全然泳げない子が、その授業の中で「浮くことができた」としたら、その子には「マル(成長あり)」がつきます。
- 「やり直しの自由」と対人関係の再構築
4.1. ユヅキへの厳しい指導と共感の教え
転校から1ヶ月後、ユヅキが初めて教室から逃げ出した際、私は厳しく接しました。ユヅキが算数の問題に「わからん」と書いたことに対し、友達が「わからんって書いたらあかん」と注意したのです。
【校長の指導】 「ユヅキはわからんって書いてんのが大正解や。なぜなら、お前たちみたいに勉強してから来てない。そういう友達が自分の隣にいるということを考えたら、自分は自分と一緒やと思って柚木に付き合ったらあかんと思うんですよ。」
わかっている子が、わかれへん柚木をどう助けられるか。それが柚木の周りの子どもたちが今まさに学ぶべきことです。
4.2. ゴウキの謝罪と「逃げないことの強さ」
ゴウキがロッカーを蹴って腹を立てて帰ってしまったとき、私は彼にこう尋ねました。
「もしもやり直したいんやったら、やり直しますって今言ったら聞くよ。」 「お友達に謝るってな、簡単なことやで。ここで動かれへん方がしんどいやろ?」
先生たちは急いで彼の家まで行き、謝罪を促しました。謝って再スタートを切ることが、逃げ続けることよりもどれほど楽で、価値のあることかを学びます。
4.3. カズキの暴力事件と大人への不信感
朝、登校が遅れがちだったカズキが、友達(田中さん)に暴力を振るうという事件が起きました。
「カズキがやることは、田中さんがカズキのことを理解してくれはるかどうか。それだけやから、カズキのことを田中さんにわかってもらうために、行く目的をせんといけん。」
田中さんの家へ謝罪に行ったカズキは、包み込むような田中さんの優しさに触れました。カズキのような子は、言葉では「はい」と言っても心の中で横を向いている。本当に正面からぶつかってくれる人がいるからこそ、彼は変わろうとするのです。
- 学校というコミュニティの持続と成長
【保護者の意識改革】 親たちの学習会では、障害のある子の母親が「大空小学校に来て、息子が非常に活発になった」と話します。そして、教育評論家は語ります。
「周りの子どもたちが少しずつ変わってるんですよ。親の意識も。それがね、30年ぐらい地域でやるとね、地域全体がそういう空気になってくるんですよ。」
関わる人たちが変わっても、大空小学校は「すべての人たちが学び合う場所」として、ここにあり続ける。それが、学校が果たすべき最も重要な役割です。
ドキュメンタリー映画 みんなの学校
字幕付き 『フレンドリー上映会』
可能な方はHPからここから事前予約をお願いします
小さい声のおしゃべりOKとしますのでご理解ください
普通の劇場よりも明るい場内にします、音も小さめにします。
立ち歩きOK! 出入り自由。寝転がってみてもらってもOKとします
場所:弥富市総合福祉センター 2階 研修室(カーペット敷の平場)
弥富市鯏浦町上本田95-1
内容:映画(106分)を観たあとで気楽な意見交換の時間を設けます
参加者:だれでも(不安のある方はHPからご相談ください)
参加協力費(実費):400円(18歳未満等不要)
主催:新しい風やとみ
