【コラム】半年間AIをアシスタントとして使ってみて思うこと 〜安易な推奨はしないが〜
半年間、AI(私の場合はGoogleの「Gemini」)を有料版のアシスタントとして使ってみた。
昨今のAIの発達ぶりを見ていると、「究極的には人格や人権のようなものを持ってしまうのではないか」と、個人的には不安でしかない。
だが現実として、毎月の利用料を払いながらアシスタントとして実務に組み込んでいる。
このコラム自体も、私が順不同で喋った内容を音声認識(UDトーク)で文字起こしし、それをAIに流し込んで「コラムに整えてくれ」と指示して出来上がったものだ。
正直なところ、この「整える」という作業において、AIは恐ろしく便利である。
半年間使ってみて感じたことを、徒然なるままに書き留めておきたい。
1. 「アクの強い文章」を、万人に伝わる言葉に変換する
私は基本的に、AIに「ゼロから何かを考えてもらう」という使い方はしていないつもりだ。
あくまで、自分が書いた文章を「人に伝えるために読みやすくしてもらう」ことから始めた。
AIの中身がどういう仕組みになっているのか、私には分からない。
だが、おそらく私が喋った“アクが強く、こだわりの強い文章”を、インターネット上の膨大なレポートや論文と見比べて、いわゆる「無難な方向」へ添削しているのだろう。
添削の過程で、私の文章からトゲが取れ、枝葉のこだわりが削ぎ落とされ、より多くの人が共感できる「普通の言葉」に直されてしまう。
自分が吹き込んだ原文と比べると物足りなさを感じることもあるが、出来上がった文章を見ると「確かに、この方が人には伝わるな」と妙に納得させられる。
企画書や報告書に、私が個人的に好きではない“取ってつけたような見栄えの良い挨拶文”まで勝手に添えてくるのだが、読まされる側としてはその方がすんなり読めるのだろう。
2. キャッチコピーとハッシュタグの秀逸さ
初期の頃によくやっていたのは、過去に自分のホームページに投稿した文章を、1000文字程度に要約させることだ。元のテキストデータをベースにしているため、要約内容が間違っていることはほぼない。
ここで面白いと感じたのは、AIは「小見出し(キャッチコピー)」の付け方が非常に上手いということだ。
これもAIが自ら考えているというより、ネット上に溢れる膨大な見出しのデータベースから、最も似合っているものをセレクトしているのだと思うが、資料作りの際に「別の言い換え案を出してくれ」と頼むと、実に使い勝手の良い案をいくつも出してくる。
ここ2、3日便利だと感じているのは「ハッシュタグの作成」だ。
公開済みのデータを流し込むだけで、ターゲットに刺さるハッシュタグを上手に見繕ってくれる。
昔はうんうん唸りながら頭をひねって考えていた作業を、一瞬で片付けてくれるのだ。
3. 圧倒的なスピードでマニュアルを構築する秘書
最近、最も便利に使っているのが「マニュアル化」の作業である。
私は現在、神楽保存会や防災会、自治会など様々な活動に関わっている。
何か事が起きたときの対応手順について、頭の中には知識があり、口で喋ることはできる。
それを音声で文字化し、AIに「マニュアル仕立てにしてほしい」と流し込むのだ。
すると、ネット上にある類似のマニュアルの構造を参照しつつ、私が提示した骨格にしっかりと肉付けをして、非常にわかりやすい形に仕上げてくれる。
もちろん最初から完璧ではないので、足りない部分を足したり、間違いを訂正させたりするプロセスは必要だが、ゼロからマニュアルを書く労力に比べれば雲泥の差だ。
勝手に枝葉をつけて体裁を整えてくれるという意味では、極めて優秀な「秘書」である。
4. 使い込むほどに馴染む「分身」の怖さ
AIはクラウド上で動いており、私のGoogleのIDに紐付いている。そのため、使えば使うほど、データを流し込めば流し込むほど、私の考え方や仕事の傾向を学習していく。
最初は拙かった対応も、長く使っているうちに、端的な短い指示を出すだけで私の意図を汲み取って仕事をしてくれるようになった。
これはまさに、長年仕えてくれている人間の秘書と同じだ。
「自分の分身」とまでは言わないが、私が日頃見聞きし、発信したいと思っている情報が膨大にインプットされているため、その範囲内において非常に忠実なアシスタントへと育っていく。
ちなみに、私がGoogleのGeminiを使っているのは、使い始めの頃に他社のAIよりも無料枠が多く、そこに私のデータを蓄積させてしまったからだ。
結果的にGeminiの方が私に合った答えを出すようになり、そのまま月額数千円程度の有料版に移行した。
他のAIと比較して優れているから推薦しているわけではないし、AIに「人間らしい対応」や「考える力」など求めてもいない。
ただ「忠実な実用アシスタント」としては、すでに十分な域に達していると感じている。
結論:AIを使うと「頭が悪くなる」
ここまでAIの便利さを語ってきたが、最後に私のスタンスを明確にしておきたい。
私はAIに対して、まだまだ「慎重派」である。皆さんに「便利だからAIを使いましょう」などと推奨する気は毛頭ない。
なぜなら、AIに頼りすぎると確実に自分の想像力が奪われ、頭が悪くなるからだ。
本来なら自分で脳に汗をかき、頭を捻って考えるべきキャッチコピーやハッシュタグの作成までアシスタントに丸投げしていれば、当然「脳トレ」にはならない。
便利な道具に思考をアウトソーシングし続ければ、人間の「考える力」は間違いなく衰退していく。
若い人たちには、安易にAIを使ってほしくないというのが私の本音である。
AIは確かに優秀なツールだが、それに依存して自分自身の知性を手放してしまっては本末転倒だ。
私はこれからも「おせっかいを焼かない忠実な秘書」として距離を保ちながら使っていくが、決して両手を挙げてAIを賛美し、皆に利用を勧めることはない。
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