【コラム】市長は「王様」ではない。今こそ市議会に「監査役」としての機能を取り戻そう
国政選挙では、多数派となった政党のトップが総理大臣に選ばれます。そのため、私たちは無意識のうちに「首長(市長)が市のすべてを決める」と勘違いしがちです。しかし、地方自治の仕組みは根本的に異なります。 今回は、弥富市の政治がなぜここまで機能不全に陥ってしまったのか、その根本的な原因と、議会が本来果たすべき役割についてお話しします。
論点1:市長は「王様」ではなく「管理人(シティマネージャー)」である
地方自治において、市長と市議会議員はそれぞれ選挙で直接選ばれます。これを会社組織に例えるなら、**「市議会=役員会(大方針を決める場)」「市長=管理人・シティマネージャー(決められた方針に従って予算を効率よく執行する役)」**となります。
つまり、市の未来を決める「総合計画」や「基本構想」などの大方針は、本来、多様な価値観を持つ市民の代表である議員たちが、徹底的に意見を戦わせて決めるべきものなのです。
しかし、いつの間にか日本では、市長が公約として「こんなまちにしたい」と掲げ、まるで人気投票のように市長が市の基本方針を決める流れになってしまいました。 弥富市でも、総合計画の見直しにおいて、市民の声を聴くフリをしたアンケートを行うだけで、市長や市役所の上層部が「自分たちの思い通りに決めたい」という本音が透けて見えます。組織力と予算を持つ市長側に、本来議会が持つべき「政策立案機能」までが奪われてしまっているのが現状です。
論点2:課長級の報酬をもらう議員の本当の仕事は「監査役」
現在、16人の弥富市議会議員には、市の「課長級」に匹敵する報酬が支払われています。これは、時間を拘束されたことに対する給料ではなく、**「市政の監視」という極めて重い成果に対する報酬(プロ野球選手のような成果報酬)**です。
議員の仕事は、市民に耳障りのいい夢物語を語ることではありません。約200億円の予算(16人で割れば、議員1人あたり約12億円分の事業)に対し、会社でいう「監査役」や「取締役」として、事業の採算性を厳しく調査し、不正を告発することが必須の役割です。
しかし、現実はどうでしょうか。
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約50億円もの巨額の税金をJRや名鉄に自由気ままに使わせようとしている「弥富駅の自由通路事業」
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過去10年にわたり億単位の損害が発生していた可能性のある「官製談合・入札問題」
これらに対して、現在の市議会は自ら発注書をチェックし、厳しく調査できているでしょうか。議会の一般質問を見ても「あれをやってほしい」という要望(おねだり)ばかり。委員会の中で市政の問題点を自由に質疑する「所管事務調査」も、この2年間ほぼ止まっています。 この**「市長と議会の圧倒的な緊張感の欠如(ノーチェック状態)」**が、巨額の借金を積み上げ、今回の何十億という損害を生む入札談合を許してしまった最大の原因です。
論点3:腐った市政を正すには「北風(厳しい声)」が必要だ
なぜ日本の車(トヨタなど)は世界最高品質なのでしょうか。それは、ユーザーが細かいところまで厳しい意見(クレーム)を言い続け、それに応えて品質改良を重ねてきたからです。民間では当たり前のこの厳しいチェックが、なぜか日本の役所に対しては行われません。
「北風と太陽」の童話を引き合いに出し、「行政に対して厳しい言葉を浴びせず、温かく見守れば自ら反省して良くなる」と考える人がいますが、そんな甘いものではありません。 間違いは間違い、怪しいものは怪しいと、1個でも100個でも厳しく指摘する「北風」を吹き付けなければ、間違いは絶対に正せません。
論点4:「新しい風やとみ」が目指すもの
だからこそ、私たちは特定の政党や派閥、利権に一切縛られないグループ**「新しい風やとみ」**を立ち上げました。「新しい」とは、市政の腐敗に寄り添わない、淀んでいないという意味です。
私たちは、市民の皆さんに「あれをやります、これをやります」とアメをばら撒くような圧力集団になるつもりは一切ありません。特定の政策をねじ込む下心もありません。 私たちが目指すのは以下の2点です。
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厳しい「監査役」を過半数(9人)送り込む いくら議会で不正を追及しても、過半数(9人)の賛成がなければ市長の不適切な案が通ってしまいます。市政に対して極めて厳しい目を向ける議員を最低でも9人確保し、正常なチェック機能を回復させます。
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議会を「市民の縮図」に近づける 現在の議会は男女比も年齢層も完全に偏っており、市民の代表(縮図)とは言えません。将来的には、より若い世代や多様な分野から立候補者が集まり、議会が真の意味で市民の縮図となり、公平公正な議論を経て市の大方針が決定される自然な姿を目指します。
弥富市の劣化を止めるため、今こそ議会に本来の機能を取り戻さなければなりません。
