なぜ、弥富市は裁判で「全面敗訴」したのか? 〜市民の常識が通じない、市役所の「無謬(むびゅう)神話」と「隠れ借金」の実態〜
■ 事件ファイル:固定資産税「数十倍」増額の不条理
なぜ、たった一つの課税ミスが、市を揺るがす裁判沙汰になったのか。その経緯を整理すると、市役所の「自浄作用」が完全に停止している実態が見えてきます。
- ありえない課税:土地の価値は上がっていないのに税金は数倍 固定資産税は、土地の価値(評価額)に応じて課税されるのが法律の鉄則です。しかし今回、市はある地主の方に対し、土地の価値が上がったわけでもないのに、突如として数十倍もの税金をかけました。 「宅地並みの課税」という理屈でしたが、実態とかけ離れた不合理な処分でした。
- 認めない体質:間違いを指摘されても無視 地主の方は当然、不服を申し立てました。しかし、市の固定資産税評価委員会(第三者機関であるはずの組織)は機能せず、市側も「役所の決定は正しい」の一点張り。 本来なら裁判になる前に話し合いで解決できたはずですが、市が頑なに間違いを認めなかったため、司法の場に持ち込まれました。
- 司法の断罪:国家賠償法に基づく「違法」認定 判決は、弥富市の**「全面敗訴」です。 単なる計算ミスではなく、公権力の行使として「違法」**であると判断され、国家賠償法(公務員の不法行為に対する賠償)の対象となりました。私たち少数会派は「これ以上、恥の上塗りをすべきではない(控訴すべきではない)」と主張しましたが、議会多数派はこれを容認。結果、判決が確定し、市民の税金から損害賠償が支払われることになりました。
【ここが問題】 ミスは誰にでもあります。しかし、**「ミスを認めず、隠蔽し、指摘する声を無視する」**ことこそが、今の弥富市政の最大の問題です。
■ 財政の警告灯:愛知県下ワーストの「将来負担比率」
「弥富市は金持ちだ」「大きな企業があるから大丈夫」 そんなイメージをお持ちではありませんか? その油断こそが「正常性バイアス」です。数字は残酷な真実を示しています。
- 将来負担比率とは? 市の貯金や返済能力に対し、将来払わなければならない借金等がどれくらいあるかを示す指標です。家庭で言えば、「年収に対して住宅ローンや借金がどれだけ重いか」という数字です。
- 衝撃の事実:県下ワースト(最悪) 現在、弥富市の将来負担比率は愛知県内の市町村でワーストを記録しています。 巨大事業の連発や、無計画な予算執行が積み重なった結果です。市長や議会多数派は「まだ大丈夫」と言いますが、経営感覚のある人間が見れば、明らかに「危険水域」です。
■ なぜチェック機能が働かないのか? 〜魔のトライアングル〜
本来、市長が暴走しそうになったら「議会」が止め、事務に不正があれば「監査委員」が正すのが仕組みです。しかし、弥富市ではこの機能が麻痺しています。
- 市長・副市長:政治的なメンツを優先し、間違いを認めない。
- 監査委員:過去には「平島街区の水路不法占拠」で良い仕事をした例もありましたが、今回の課税問題では機能不全。
- 議会多数派:是々非々ではなく、「市長と仲が良いか」「仲間かどうか」で判断。私たちの追及を「邪魔なノイズ」として処理し、問題の本質を見ようとしない。
この**「なれ合いのトライアングル」**が、市民の財産を損なっているのです。
■ 提言:クレーマーではなく「カスタマー」として
トヨタ自動車がなぜ世界一の品質を誇るのか。それは、日本のユーザーが細かい点まで厳しく指摘し、トヨタがそれを「改善の種」として真摯に受け止めてきたからです。 三河地方の自治体が伸びているのも、市民の声(ニーズ)に敏感に反応し、1円たりとも無駄にしない競争原理(入札制度など)が働いているからです。
「黙っている市民」は、今の弥富市にとって「都合の良い市民」です。 おかしいことはおかしいと言う。それが、弥富市を「トヨタ品質」の行政に変える唯一の方法です。
(編集後記・コラム) 議会の「おねだり質問」に騙されないで 議会の一般質問を見てください。「道路を直して」「これを作って」という要望ばかりです。もちろん大切ですが、それ以上に**「行政が法律通り公平に行われているか」「税金が無駄に使われていないか」**をチェックするのが議員の本来の仕事です。私たちは、嫌われてもこの「本質的なチェック」を続けていきます。
