公共工事(道路を直したり、学校を建てたりすること)は、皆様の税金で行われます。そのため、どの会社に工事を任せるかは「入札(オークションのようなもの)」で決めるのがルールです。
この入札方式のうち、弥富市などで多く使われているのが**「指名競争入札(しめいきょうそうにゅうさつ)」**です。
一言でいうと「役所が参加者を”選んで”競わせる」システム
指名競争入札とは、市役所が「今回の工事は、A社とB社とC社に参加してもらいましょう」と、あらかじめ特定の業者を指名(ピックアップ)して行う入札のことです。
市役所から「招待状(指名通知)」が届いた業者しか、入札に参加することができません。
入札の流れ
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計画: 市役所が「〇〇小学校の工事をしよう」と決める。
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指名: 市役所が、登録業者の中から数社(例:5〜10社)を選ぶ。
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入札: 指名された業者だけが、いくらで工事できるか金額を書いた札(見積もり)を出す。
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決定: 最も安い金額(※最低制限価格以上)を提示した会社が仕事を受注する。
「一般競争入札」との違い
原則として国や多くの自治体が採用している「一般競争入札」と比べると、その違いがよくわかります。
| 比較ポイント | 指名競争入札(弥富市) | 一般競争入札(国や他市の原則) |
| 参加できるのは? | 役所から指名された(選ばれた)会社だけ | 条件を満たせばどの会社でも自由に |
| 誰が来るかわかる? | 事前にメンバーがわかる(顔見知りになりやすい) | 当日までどの会社が来るか全くわからない |
| 談合の起きやすさ | 参加者が固定されるため、話し合い(談合)が起きやすい | 誰が来るか不明なため、談合は非常に困難 |
| 透明性・公平性 | 「なぜその会社が選ばれたか」が不透明になりがち | 参加条件が公開されるため、透明性が高い |
なぜ「指名競争入札」は問題になりやすいのか?
もともと指名競争入札には、「過去に実績のある信頼できる業者だけを呼ぶので、手抜き工事などのトラブルが少ない」「役所の手続きが楽」という建前(メリット)があります。
しかし、長年この方式を続けると、次のような**大きなデメリット(影の部分)**が生じます。
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談合(だんごう)の温床になる: 「いつも指名されるおなじみのメンバー」同士になるため、「今回はA社さん、次回はB社さんが落札しよう」といった裏の話し合い(受注調整)が簡単にできてしまいます。
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権力への「忖度(そんたく)」が生まれる:
業者は「市役所(市長)から指名されなければ、そもそも仕事がゼロになる」という恐怖を抱えます。そのため、自由に意見を言えなくなり、役所の顔色ばかりをうかがうことになります。
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会社が成長しない:
「待っていれば順番に仕事が回ってくる」状態(護送船団方式)になりやすく、技術を磨いてコストを下げるなどの企業努力(競争)が生まれにくくなります。
まとめ
国が定める地方自治法では、公共工事は誰でも参加できる**「一般競争入札」が原則**であり、「指名競争入札」はあくまで例外的なルールです。
私たちの税金が、適正な競争のもとで一番良い形で使われているか。入札の仕組みに目を向けることは、クリーンなまちづくりの第一歩です。
