【コラム】CGのない時代の熱量と、仕事が「趣味」だった頃
最近、YouTubeで1988年頃のいすゞ・ジェミニのCM「街の遊撃手」や、当時の日本車メーカー(日産、トヨタ、三菱、いすゞ、ダイハツなど)が参戦していたWRC(世界ラリー選手権)のエピソードをつい見入ってしまいました。
あのジェミニのCM、ご存知の方も多いと思いますが、今みたいなCGやVFXに頼らない、すべて実車を使った本物のカースタントなんですよね。パリの街中を車が踊るようにシンクロして走る映像は、今見ても鳥肌が立ちます。
そんな映像を見ながらふと思ったのは、あの頃の自動車メーカーの開発現場のことです。今の「労働基準法」や「働き方改革」なんて概念は全くなくて、きっととんでもない働き方をしていたはずです。
もちろん、今更「あの頃の働き方に戻るべきだ」なんて言うつもりはありません。でも、当時のエピソードからはなんだか「趣味と仕事が完全に一致している」ような、仕事なのか遊びなのか分からないほどの熱量を感じるんですよね。残業手当がどうこうよりも、純粋に車づくりという「趣味」を仕事にして、無我夢中で没頭しているような熱気です。
振り返ってみれば、私も1981年に市役所に入庁した当時、仕事と趣味の境目がほとんどないような感覚で働いていました。「残業代をつけないのが当たり前」という空気もあり、全くつけていなかったわけではありませんが(半分くらいはつけていました笑)、それでも「やらされている」というよりは、自分自身の情熱で動いていた部分が大きかったように思います。
時代は変わり、働く環境がしっかり整備された今の社会は、間違いなく正しい方向へ進んでいます。でも、CGなしであの凄まじいCMを作り上げた現場や、世界で戦った開発者たちの「無我夢中のエネルギー」って、やっぱり魅力的だなと、少し懐かしくなりました。
皆さんは「街の遊撃手」のCM、覚えていますか? あの時代の「仕事と趣味が混ざったような熱気」、経験された方も多いのではないでしょうか。
以下ウィキペディアからの引用
ジェミニを語る上で欠かせないのが、2代目および3代目におけるカースタントを使ったテレビCMである。映画「007シリーズ」のカースタントで名を知られ、当時世界最高レベルのカースタント技術を持つレミー・ジュリアンが監修を務め、キャッチコピーである「街の遊撃手」を視覚表現した、ジェミニがクラシック音楽やシャンソンなどに乗せてパリの街並みを踊るように駆け抜けていく映像が大きな反響を呼んだ[23][24]。広告代理店はマッキャンエリクソン博報堂。
これらの映像には合成やCGを一切使っていないことで有名だが、撮影用の車体には細工を施している場合がある。2台並んでのドリフト走行や、4台が同一の動きをしているシーンでは、ほぼすべてにおいて相互の車体の下部をジョイントでつないでいる。当時CM撮影に携わったスタッフはジョイント部分が見えないように、カメラアングルひとつにも綿密な計算をし膨大な時間を費やしたという。それでもジョイント部分の映り込みが避けられない場合はテロップで隠すといった手法も使われていた。なお、CMは世界各国での放映を想定して制作されたため、撮影には海外輸出仕様の左ハンドル車が用いられていた。日本国内および東南アジアではいすゞ・ジェミニとして、中南米ではシボレー・ジェミニ(CHEVORET GEMINI)として放映されていた。
2台で並走している車が異なる動きをするシーンでは、ジョイントでつながっていないシーンとつながっているシーンを別撮りした上で組み合わせることでひとつのシーンを作っている。CMのメイキング映像では、川を飛び越えるシーンや車2台が橋の上で交互にジャンプを繰り返すシーン、また片輪走行で階段を下っているシーンが有名だが、これらは車体に一切の細工をしていない。そのため、これらのCMメイキング映像では車体[注釈 19]や映像[注釈 20]を一切加工していないことが有名となったため、全てが実際の車の挙動だと思い込む視聴者も多かったという。
3代目のCMは車体そのものが意思を持って自律で動いているという設定のため、スタントドライバーが一切車内に映りこまないようにする必要があり、トランク部にドライバーが隠れて運転できるよう改造を施している。
