【コラム】「よつば小学校」開校を機に考える――弥富市の教育大綱を見直し、「問いを立てる」学校へ
令和10年4月1日、弥富市の大藤小学校、栄南小学校、十四山東部小学校、十四山西部小学校の4校が統合され、新たに「よつば小学校」が開校します。
現在、新校舎の建設とともに、PTAの統合など学校運営に関する様々な話し合いが進められています。これは、見方を変えれば、弥富市の教育を**「解体的出直し」**する絶好のチャンスではないでしょうか。
教育委員会が事務局を務める各種検討会で、関係者の皆さんが一生懸命に汗を流されていることと思います。
だからこそ、お役所の仕事としてただ統合の事務作業を進めるのではなく、この機会にぜひ考えていただきたい「一点」があります。それは、根本的な教育の問い直しです。
「正解を出す」教育から「自ら問いを立てる」教育へ
子どもが主役となる「みんなの学校」であるために、最も必要なことは何か。 突き詰めてシンプルに言えば、**「子ども自身が問いを立てる」**環境を作ることです。そして、大人になっても問いを立て続ける人材を輩出できるかどうか。これに尽きるでしょう。
これまでの教育は、往々にして「先生が出した問題に対し、正しい答えを出せる能力」を過大評価してきました。もちろん、地域の素晴らしい教育実践もあったはずです。しかし、組織というものは、時に「従順な正解」を求めてしまいます。
例えば、野球の試合で監督がバントのサインを出したとします。選手が自らの判断でヒッティングに切り替えて見事ヒットを打ち、チームが勝ったとしても、後で「サインに従わなかった」と叱られ、試合に出してもらえないような制裁を受ける。
こうした「組織に従順な答えを出すこと」を良しとする同調圧力は、戦陣訓や軍人勅諭、あるいは高度経済成長期の「企業戦士」を育てるような古い価値観の残滓と言えるかもしれません。
もちろん、現場の先生方がそれを望んでいるわけではなく、現状のシステムの中で抗い、もがいているのが実情でしょう。
学校とは本来、いっぱい失敗ができる場所です。
突拍子もない「問い」を立てて、思った通りにいかないという経験を積む場所であるべきです。
一見遠回りのように見えても、自ら問いを立て、個人の問いを集団の問いと掛け合わせ、試行錯誤していくことこそが、これからの時代を生き抜く力になります。
時代遅れの「教育大綱」を根本から見直す発議を
そこで問題となるのが、弥富市の教育大綱です。
文部科学省はすでに時代の変化に合わせて教育の考え方を大きく変えつつあります。
しかし、現在の弥富市の教育大綱は、高度経済成長期から続く古い価値観を引きずっているように見受けられます。
いくら立派な新校舎が建ち、「よつば小学校」という新しい器ができても、その土台となる教育大綱が変わらなければ現場は困惑します。
もし自分が新しいよつば小学校の校長や教員だとしたら、古い大綱の下で、今の時代を生きる子どもたちに「どうやって自ら問いを立てる学校を作るか」という経営方針を立てるにあたり、大きな壁にぶつかるはずです。
おわりに:統合議論を「未来の教育」を創る場へ
「よつば小学校」の設立に向けて、様々な検討委員会で協議をされている皆さんは、すでにこうした現場のジレンマや時代の変化にお気づきのことと思います。
だからこそ、この統合議論の枠を超えて、**「弥富市の教育大綱自体を今の時代に合わせて変えましょう」**という発議を、このタイミングでぜひ上げていただきたいのです。
ただの学校の統廃合や物理的な施設の統合に終わらせてはいけません。
よつば小学校の開校を、弥富市の子どもたちが「自ら問いを立てる力」を育むための、真の教育改革の第一歩にしようではありませんか。
