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弥富市議会 激突ハイライト:佐藤議員 vs 安藤市長
〜 浮き彫りになる「組織の病巣」と「トップの責任」 〜
令和6年の弥富市議会において、佐藤仁志議員と安藤市長の間で交わされた一般質問は、市の根幹を揺るがす「不祥事」「組織風土」「巨額財政」の3つのテーマにおいて、真っ向から見解がぶつかり合う激しい追及の場となりました。
議論の全体像は、**「構造的な問題を追及する議員」に対し、「個人の問題・規定路線へと責任を矮小化する市側」**という構図で一貫しています。
【争点1】官製談合事件:異常な落札率「99.09%」は個人の暴走か、組織の欠陥か?
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💥 佐藤議員の追及: 19億円超の工事がわずか500万円差で落札されるのは異常事態。「予定価格の事後公表」という長年放置された制度の欠陥(バケツの穴)と、職員が法律すら読まないコンプライアンスの欠如が招いた「組織的な問題」である。直ちに第三者委員会を設置し、トップの責任を明確にせよ。
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🛡️ 市側の答弁: 落札率はあくまで「業者の適正な努力の結果」。組織的な関与はなく「個人の資質の問題」である。ただし、指摘を受けて事前公表への変更は検討する。トップの責任や処分は捜査結果を待ってから判断する。
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💡 分析のハイライト: 市側は「捜査中」を盾にトップの道義的責任やガバナンスの欠如から目を背けています。複数幹部が予定価格を知る環境下で「単独犯」と片付けるのは不自然であり、身内(内部委員会)による調査先行は隠蔽の温床となる危険性を孕んでいます。
【争点2】相次ぐ事務ミス:原因は「失敗した人事」か、「チェック体制」か?
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💥 佐藤議員の追及: 730万円の補てん問題などのミスは、中核職員(課長・グループリーダー)を同時に異動させた「トップの人事采配の失敗」が真因。現場がミスを隠さず直ちに報告できる「行灯(あんどん)」の文化を作るには、トップ自身が「いざとなれば腹を切る(辞任・減給)」覚悟を示す必要がある。
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🛡️ 市側の答弁: 人事の失敗ではなく、「チェック体制の機能不全」が原因。風通しの良い職場づくりを進め、「全ての責任は私(市長)にある」と職員に伝えていく。
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💡 分析のハイライト: 体制を回す経験者を一斉に外したことへの言及を避け、具体性のない「精神論」に終始しています。言葉だけの「責任は私にある」では、職員に本当の意味での心理的安全性(不都合な事実を報告する勇気)は生まれません。
【争点3】借金152億円と大型事業:見えない市長の「財政哲学」
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💥 佐藤議員の追及: 市債が152億円に達し、金利上昇リスクが迫る中での「弥富駅周辺整備」などの大型事業強行は危険。官僚答弁ではなく、最終決定権者である市長自身の「何を諦め、何を削るのか」という痛みを伴う『財政哲学』を語れ。
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🛡️ 市側の答弁: 南北分断の解消は積年の課題であり予定通り進める。国からの補填(交付税措置)を最大限活用し、優先順位をつけて「住んでよかったと言える市政」を運営する。
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💡 分析のハイライト: 「国の補助がある」「優先順位をつける」といった定型的な官僚答弁に逃げており、リスク認識の甘さが露呈しています。金利上昇局面において、既存事業を見直すという厳しい決断(政治的覚悟)が欠如しており、将来世代へのツケ回しが懸念されます。
総括:求められるのは「逃げないトップの覚悟」
この議事の最大の焦点は、**「痛みを伴う現実に向き合えているか」**です。
市長側は一貫して「業者の適正な結果」「個人の問題」「捜査待ち」「国の補助がある」と、外部要因や他者に責任の所在を分散させています。
対する佐藤議員は、それら全てを「組織の欠陥」と「トップの責任放棄」であると論理的に看破しており、市政の透明化と抜本的な改革の必要性が強く浮き彫りになる質疑録となっています。
議事概要および答弁の分析
【追及者】佐藤仁志 議員 【答弁者】安藤市長および市幹部
【議題1】官製談合事件と「入札制度・コンプライアンス」の構造的欠陥
(第1問〜第10問の総括)
■ 質疑の概要
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佐藤議員の追及: 統合小学校工事などの「99.09%」という異常な高落札率は、長年の「予定価格の事後公表(非公表)」という制度の欠陥が招いた組織的問題である。また、市役所全体に「自ら法律(官製談合防止法)の原文を読む習慣がない」ことが根本原因であり、個人の資質の問題にすり替えるべきではない。身内ではない完全な第三者委員会の設置と、トップとしての直ちの責任明確化を求める。
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市側の答弁: 異常な落札率は業者の適正な積算の結果であり、組織的な関与はない(個人の資質の問題と認識)。しかし指摘を受け、今後は予定価格を「事前公表」へ見直す。調査については、まず内部の「再発防止対策検討委員会」を立ち上げ、その後に第三者委員会の設置を検討する。市長の責任は重く受け止めるが、処分等は捜査結果を待ってから判断する。
【批判的な分析と反論】
分析(「個人の問題」への矮小化と責任の先送り): 市側は「個人の資質」と「捜査中」を盾に、行政トップとしての監督責任や組織的欠陥(チェック機能の形骸化)から目を背けています。特に、99%超えの落札を「適正な積算の結果」と強弁することは、公共工事の常識から乖離しています。また、身内による内部調査を先行させることは、隠蔽や責任逃れの温床になりかねません。
追及・反論のポイント:
「予定価格を知り得る幹部が複数いる以上、『個人の暴走』で片付けるのは組織のガバナンス放棄である。法律を読ませる・守らせる『仕組み』を作れなかったトップの責任はどうなるのか」
「『捜査結果を待つ』というのは刑事責任の話であり、行政の長としての政治的・道義的責任(入札制度の欠陥を長年放置した責任)は、今すぐ明らかにできるはずである」
【議題2】ミスを誘発する「不適切な人事」と「ものを言えない組織風土」
(追加質問1)
■ 質疑の概要
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佐藤議員の追及: 相次ぐ事務処理ミス(730万円補てん問題など)は、業務の中核である課長とグループリーダーを同時に異動させた「トップの人事の失敗」が原因である。また、民間(トヨタ)の「行灯(あんどん)」のように、不都合な事実を直ちに報告・停止できる文化がない。下位の職員が安心して報告するには、トップが「いざとなれば辞任する」という覚悟を示す必要がある。
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市側の答弁: 人事異動の問題ではなく、チェック体制の機能不全や業務フローなど組織構造の問題と認識している。不手際を個人が抱え込まず、共有・改善できる風通しの良い職場づくりを推進する。「全ての責任は私にある」と職員に伝えていく。
【批判的な分析と反論】
分析(原因のすり替えと「精神論」の限界): 市側は「チェック体制の不全」をミスの原因に挙げていますが、「そのチェック体制を回す経験者を一斉に異動させたこと」が根本原因であるという佐藤議員の指摘に対して、論理的な反論ができていません。また、「風通しの良い職場づくり」という抽象的な精神論に終始しており、具体的な心理的安全性(報告しても不当に罰せられない担保)の提示が欠けています。
追及・反論のポイント:
「『人事の失敗ではない』と強弁するなら、なぜ同時に中核職員を入れ替えた状態で、既存のチェック体制が機能すると判断したのか、その根拠を問う」
「『全ての責任は私にある』という言葉が、単なるポーズ(口先だけ)になっていないか。責任を取るとは、具体的に自身の進退や給与カット等で示すことであり、それがなければ職員は安心して『行灯』を引けない」
【議題3】巨額の市債(借金)と大型事業に対する「市長の財政哲学」の欠如
(追加質問2)
■ 質疑の概要
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佐藤議員の追及: 市債残高が約152億円に上り、金利上昇や公共施設過剰のリスクが迫る中、JR・名鉄弥富駅周辺整備などの大型事業を進めることへの市民の不安が大きい。官僚的な答弁(計画通りやる等)ではなく、最終決定権者である市長自身の「政治的信念」や「財政哲学」を市民の言葉で説明すべきだ。
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市側の答弁: 駅周辺事業は積年の課題(南北分断解消)であり、市の顔を作るため予定通り進める。将来負担を防ぐため、国からの補填(交付税措置)がある市債を最大限活用する。物価上昇等の懸念はあるが、優先順位をつけて予算化し、持続可能で「住んでよかったと言える市政」を運営していく。
【批判的な分析と反論】
分析(リスク認識の甘さと「哲学」の不在): 「交付税措置があるから大丈夫」「優先順位をつける」というのは、総務省や財務省の定型的な官僚答弁のコピーに過ぎず、佐藤議員が求めた「市長自身の言葉(哲学)」にはなっていません。金利上昇局面において、既存の大型ハコモノ事業を「見直す・やめる」という厳しい決断を避けており、将来世代へのツケ回しに対する危機感が希薄です。
追及・反論のポイント:
「交付税措置(国からの借金返済補助)は絶対的に保証されたものではない。国自体の財政が厳しい中、交付税が減額された場合、誰がその借金を穴埋めするのか」
「『優先順位をつける』と言うが、具体的に『何を諦め、何を削るのか』を市民に提示することこそが政治家の財政哲学である。痛みを伴う決断から逃げていないか
令和6年 弥富市議会 一般質問 詳細議事録および答弁分析
【追及者】佐藤仁志 議員 【答弁者】安藤市長および市幹部
【導入・前提の確認】
佐藤議員: 11番 佐藤仁志、通告に従い一般質問をします。 その前に、先ほどの秋吉議員の最後の質問で、市長が「(事件のことも含めて)部長は適材適所だった」とおっしゃいました。これは当該元部長だけではなく、全ての職員がやったことに対する結果責任は市長にあるということでよろしいですよね。 官製談合防止法は非常にわかりにくいのですが、これは絶対皆様によく理解していただかないと禍根を残します。今議会だけで全てを扱うのはとても無理ですので、次回も継続するとして今回は半分ほどやらせていただこうと思っています。半分というのは、いわゆる容疑者とされている元部長個人のことについては、あえて申し上げないということです。そうではなく、これは**「組織的な問題」**だからです。 10問通告してありますので、その中で少しずつ皆さん一緒に考えていきましょう。ただ最初に、念頭に置いていただきたいポイントを3つ挙げさせていただきます。
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異常な高落札率と税金の流出(バケツの穴): 今回、19億3500万円の統合小学校の工事が19億3000万円(たった500万円差)で落札されているのを含め、過去の入札が全て「高落札」です。市役所の中で「今出入りしている業者が安心だ」という空気が蔓延しているということは、弥富市の一般会計予算200億円のうち、皆様の税金がバケツの穴から落ちているというのが1点目です。
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長年放置されてきた入札制度の不備: 1994年のゼネコン談合汚職事件以降、全国の役所が談合防止(穴を塞ぐこと)に動きました。しかし、弥富市は歴代のトップがこの穴を塞いできませんでした。
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個人の犯罪ではなく「組織の欠陥」: 容疑者個人のことについて言う気はありません。市長の分身であり、権限を委任された部長がやったことであり、別の誰かがやったかもしれないという性格のもので、これは「組織的に欠陥があったという問題」です。
以上の3点を念頭に、細かく通告してある質問に沿って質問させていただきます。
【第1問〜第2問】異常な落札率と積算労力について
佐藤議員: 1問目、通告に従って質問いたします。今般、本市の元建設部長が起訴されたことは市政史上かつて類のない不祥事です。まずは行政の長として、今回の事件が起きたことへの基本認識、および容疑の対象となった工事における「落札率99.09%」という極めて高い数値への見解を伺います。
安藤市長: 深くお詫びを申し上げます。真相究明に向けて警察の捜査等に全面的に協力をするとともに、厳正に対処し再発防止に取り組んでまいります。なお、99.09%という落札率につきましては、事業者において十分な理解のもと、しっかりと積算した結果の額であったと認識をしております。
佐藤議員(再質問1): 関与した業者が既に略式起訴されています。これは本人が事実を認めなければ成立しません。つまり、業者は市側から予定価格などの秘密情報を不法に入手し、不正の事実を全面的に認め、処罰を受け入れたということで間違いありませんね。
安藤市長: 起訴内容の詳細につきましては、現在私の手元に届いておりませんので、その点についてお答えすることはできません。
佐藤議員(再質問2): 官製談合防止法第2条では、金品の授受(収賄)がなかったとしても、役所側が秘密にすべき予定価格を漏らし、特定の業者が有利になった瞬間に「入札等の公正を害すべき行為」に該当するということで間違いありませんね。
安藤市長: ただいま発言された法律的な解釈につきましては、おっしゃられた通りだと思います。
佐藤議員(第2問): 市長は長年、土地改良区等で公共事業の実務に携わってこられたと思います。その豊富な経験に照らし合わせて、今回の入札結果が適正な競争の結果として妥当なものであると、ご自身の土木的・専門的見地から判断されたのでしょうか。これだけの19億3500万円もの見積もりをするには、何十人、何百人というスーパーゼネコンが束になって関わらないと出ない数字なんですよ。違いますか、明確に答弁願います。
安藤市長: 私が土地改良区の職員だった時は、工事に関する設計や積算は全て外部に委託しておりました。そのため、具体的に何人が何日かかるかということは私にはわかりません。私にはわかりかねます。
【分析と反論】
分析(「適正な積算」という強弁の矛盾): 19億円規模の工事がわずか500万円差(99.09%)で落札された事実に対し、土木・公共工事の実務経験を持つトップが「業者の適正な努力の結果」と強弁するのは不自然極まりありません。「個別起訴の内容は手元にないから答えられない」と事実認定から逃げる一方で、自らに不都合な落札結果だけは「適正だった」と断定する態度は、論理的矛盾を抱えています。
追及・反論のポイント: 「起訴内容を直接見ていないことを理由に答弁を避ける一方で、なぜ『適正に積算された結果』とだけは都合よく断言できるのか。客観的な異常さを直視せず、あくまで『業者の努力』で片付けようとする姿勢自体が、長年不正を見逃してきた組織体質そのものである」
【第3問〜第4問】入札制度の透明化と「非公表」の弊害
佐藤議員(第3問): 1994年のゼネコン汚職以降、国は入札制度の透明化を進めてきました。本市の入札制度がこの30年間の「時代の要請」に合致しているかどうか、市長の認識を伺います。 安藤市長: 本市の予定価格の取り扱いにつきましては、平成23年4月から原則、土木工事等を「事前公表」としております。今回の事件を受けまして、事後公表としている案件につきましても、事前公表とする検討を行った上で、公平性と透明性を確保した入札制度を目指してまいります。
佐藤議員(第4問・再質問): 現在の指名競争入札で予定価格を公表してしまうと事実上の談合になるので問題は次回やります。問題は一般競争入札における非公表です。業者の側からすれば、取れるかどうかわからない19億円の工事に対し、莫大なコストをかけて積算して入札し、落ちたらたまりません。つまり、予定価格を公表しない(非公表にする)ということは、事実上「市側から予定価格を漏らしてもらった業者以外」を締め出すための非常に有効な方法になっているのです。「予定価格を(事前に)公表することが、適切な競争と業者決定に至る」という私の考えは間違っていますか。 安藤市長: 今回の件を受けまして、市といたしましても(事前)公表に向けて今仕組みを変えていくところでございます。ですので、議員が言われることはその通りだと思っております。
佐藤議員(再々質問): 安藤市長が就任される前から、予定価格は公表されていなかったのか?その状況を見て、市長自身は疑問に思わなかったのか? 安藤市長: 入札制度そのものについては、私が市長に就任する前と現在とで変わっておりません。
【批判的な分析と反論】
分析(制度的欠陥の長年の放置): 「予定価格の非公表」が、結果的に情報を裏で得た特定業者だけを事実上優遇する(他業者はリスクが高くて参入できない)という構造的な欠陥であったことを、佐藤議員が論理的に証明しています。市長も「その通りだ」と認めていますが、これは裏を返せば「長年にわたり競争性を阻害する欠陥制度を放置してきた行政の怠慢」を自白したに等しいと言えます。
追及・反論のポイント: 「30年前のゼネコン汚職以降、全国の自治体が塞いできた『バケツの穴』を、なぜ弥富市は今日まで放置してきたのか。制度が変わっていないことを言い訳にするが、それを変える権限と責任を持っていたのは首長である」
【第5問〜第6問】「個人の資質」か「組織の欠陥」か
佐藤議員(第5問): 今回の事件において逮捕された職員の動機や背景について、市としてどのように分析しているか。また、「組織的な関与の有無」について現時点でどのような認識を持っているか伺います。 安藤市長: 動機を含めた事実関係が明らかになった段階で検証していく必要があると考えております。なお、組織的な関与につきましては「なかったもの」と認識をしております。
佐藤議員(再質問): 19億円や6億円の工事の予定価格など、業者側から見てわかるはずがありません。根本的な問題は、市役所に「法律(官製談合防止法)の原文をきちんと読む習慣」がなく、その研修をしてこなかったことです。まさしく弥富市役所の職員が法令を読んでいないというところに原因があり、これこそが「組織的な問題」だったのではないですか。 安藤市長: (議員の指摘は)よくわからないわけでございますが、私は個人の資質によることでございますと思っております。市の職員には公務員としてあるべき法律というものを遵守するよう、熟読するようには伝えてあるところでございます。
佐藤議員(第6問): 予定価格を知り得る幹部の範囲について伺います。指名審査会において、統合小学校の工事の「19億3500万円という予定価格」は、審査の資料の中に含まれていますか。 安藤市長: はい、金額が含まれております。 佐藤議員: ということは、審査委員である副市長や各部長は全員「予定価格」を知っているはずです。今回逮捕された容疑者は1人ですが、過去にさかのぼっても現在においても、それ以外のルート(他の幹部等)から何らかの形で業者に情報が漏れる可能性は「ある」のか「なし」なのか。 安藤市長: 「あるやなしや(可能性の有無)」の話については、お答えすることはできません。
【批判的な分析と反論】
分析(ガバナンス放棄と責任転嫁): 佐藤議員が指摘する通り、「法律を自ら読まない風土」は個人の問題ではなく、それを徹底させる仕組みを作らなかった組織的欠陥です。さらに、審査会を通じて複数の幹部が予定価格を共有していた事実を認めながら、「漏れる可能性はないとは言い切れない(答えられない)」と答弁したことは、市の内部統制(チェック体制)が完全に破綻していたことの証明です。
追及・反論のポイント: 「『個人の資質の問題だ』と責任を矮小化するが、予定価格を知り得る幹部が複数いる以上、単独犯と決めつけるのは早計である。不正を防止する・見つける『仕組み』が機能していなかった以上、これは明白な組織的欠陥であり、トップの責任である」
【第7問・第9問・第10問】事後対応とトップの責任明確化
佐藤議員(第7問): 談合等の不正により市に損害が生じた場合、市は契約の当事者として失われたお金をどのように回収するつもりでしょうか。和歌山県の官製談合事件などでは何十億円という返還が確定していますが、調査・回収の手間についてどういうご認識か。 安藤市長: 事実関係が明らかになり、司法の場で確定をしたときには、市のルールに基づき最高で20%というような違約金を課していくことになります。(和歌山県の事例は)今日初めて聞きました。
佐藤議員(第9問): 官製談合防止法に則り、客観的で厳格な調査体制が必要です。新聞報道等で「第三者委員会」が作られると理解していましたが、先ほどの答弁では「再発防止対策検討委員会を立ち上げ、外部の意見を聞く」と言われました。設立されるのは内部の委員会なのですか、それとも第三者委員会なのですか。 伊藤総務部長: まずは市として「再発防止検討委員会(内部)」を設置し、その中で議論を行います。その後、公正取引委員会等から助言をいただきながら、「第三者委員会」の設置を検討していくという段階を踏む予定です。
佐藤議員(第10問): 今回の不祥事を受け、最高責任者である市長は、自らの任命責任および市政の停滞に対する責任をどのように捉えるおつもりか。容疑者の結論が出るのを待つのではなく、まずは入札の仕組み全体を早く整理し、「組織として、市長としての責任」を直ちに先に明らかにすべきではないか。 安藤市長: 現在、まず個人の認否が明らかにされていないという状況があるものですから……ただ、今は全面的に警察当局の捜査に協力している段階でございます。全ての責任は私にあるということだけはお伝えしていきます。
【批判的な分析と反論】
分析(消極的対応と身内びいきの危険性): 損害回収の過去事例すら把握しておらず、調査も「まずは身内の内部委員会から」という段階を踏む姿勢は、徹底究明への本気度を疑わせます。また、トップの責任について「全ての責任は私にある」と口にしながらも、直前に「認否が明らかになっていない」と言い訳を挟む態度は、政治的責任の取り方を先送りしているに過ぎません。
追及・反論のポイント: 「刑事責任の確定と、行政組織を預かるトップの道義的・管理的責任は全く別物である。『捜査中』を隠れ蓑にして自身の責任の明確化を先送りする姿勢こそが、市民からの信用を失墜させている最大の要因ではないか」
【大きな2番】ミスを誘発する組織風土と「人事」の問題
佐藤議員: 相次ぐ事務処理ミス(730万円補てん問題など)について伺います。なぜ過ちが起きたかと言えば、課長とグループリーダーを「同時に変えた(異動させた)」から起きて当たり前だったのです。市長、素直にこれは「人事異動(トップの采配)の失敗だった」というふうに認めませんか。 安藤市長: 人事異動の問題ではないと私は思っております。チェック体制がうまく機能していなかったともいえますので、再発防止に取り組んでまいります。
佐藤議員(再質問): トヨタなどの民間企業では、異常があれば直ちにラインを止める「行灯(あんどん)」という仕組みがあります。本市には不都合な事実を直視し、直ちに止めて改善する文化があるか。下の人間が安心して行灯を引く(上司に報告する)ためには、トップである市長が「いざとなったら自分はいつでも辞める」という覚悟の言葉がつかないと引けないのです。 安藤市長: 職員が過ちをしないということはないわけでございますが、そのときどのように対応していくかということが問われるわけでございまして、全ての責任は私にあるということは、職員にも伝えてまいりたいと思っております。
【批判的な分析と反論】
分析(原因のすり替えと「精神論」の限界): 市側はミスの原因を「チェック体制の不全」に求めていますが、「そのチェック体制を回す経験者を一斉に異動させたこと」こそが直接の引き金であるという議員の論理的な指摘に対し、真正面から反論できていません。「全ての責任は私にある」という言葉も、自らの進退や給与カット等の具体的な痛みを伴う覚悟が示されていないため、組織風土を改善する実効性に欠けます。
追及・反論のポイント: 「『人事の失敗ではない』と強弁するなら、なぜ業務の中核職員を同時に入れ替えた状態で、既存のチェック体制が機能すると判断したのか。トップとしてのリスク管理能力の欠如である」
【追加質問】大型事業のリスクと市長の「財政哲学」
佐藤議員: 弥富駅周辺の再開発など現在進行中および計画中の大型事業について伺います。これだけの大型事業を抱え、様々なものが値上がりし、今日明日にでも金利上昇リスクなどの問題が出てきます。市長として、この問題に対してどういう「政治思想」や「理想」「信念」「哲学」を持って取り組んでいるのか。簡潔に答弁を求めます。 安藤市長: 駅周辺の事業は、市の積年の課題でありました「南北の分断」を解消する大きな手法の一つでございます。市民がこれからも便利で快適なまちとなることが期待できる大きな事業でございますので、これまで通り進めてまいります。
佐藤議員(再質問): 市民が聞きたいのは個別の事業の意義ではありません。金利が上がれば借金を倍返さなければいけないリスクがあります。一般会計市債残高が約152億円の見込みとなる中、これら様々な施設の維持管理費を含めた今後の財政に対し、市長がどういう思想で臨むのかを聞きたいのです。 安藤市長: これからまだまだ物価上昇があり、世界情勢によっても物価が変わるということもあるわけでございます。そのような中で、市といたしましてはしっかりと「優先順位」をつけて、やるべきものはやっていかなければならないわけでございます。 持続可能な行財政運営はもちろんでございますけれども、弥富市民が「弥富市に住んでよかった、暮らしてよかった」と言っていただけるような、そんな市政を運営してまいります。
【批判的な分析と反論】
分析(リスク認識の甘さと「哲学」の不在): 「南北分断の解消」や「優先順位をつける」といった言葉は、行政計画の定型的な説明に過ぎず、佐藤議員が求めたトップとしての「財政哲学」にはなっていません。152億円に上る市債と金利上昇局面において、既存の大型事業を「見直す・やめる」という厳しい決断を避けており、将来世代への負担に対する危機感が決定的に不足しています。
追及・反論のポイント: 「『優先順位をつける』と耳障りの良いことを言うが、政治家の財政哲学とは『具体的に何を諦め、どの事業を削るのか』という痛みを伴う決断を市民に示すことである。その覚悟がないまま『住んでよかったと言える市政』と抽象論で逃げるのは無責任である」
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