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次期学習指導要領を見据えた弥富市の教育施策の方向性について
~多様なこどもたちの「深い学び」を確かなものにするために~
1. 背景と目的
令和7年9月に国(教育課程企画特別部会)が示した論点整理は、これからの予測困難な社会において、こどもたちが「自らの人生を舵取りし、民主的な社会の創り手」となることを目指しています。
本提言書は、この国の大きな潮流を捉え、弥富市においても、これまでの正解主義的な教育から脱却し、多様性を力に変え、持続可能な学校教育を実現するための施策の方向性を示すものです。
2. 弥富市が目指すべき教育ビジョン
国のビジョンを踏まえ、弥富市は以下の力を持ったこどもたちを社会全体で育むことを目指します。
「生涯学び続け、多様な他者と協働し、自らの人生を舵取りできる人」 「民主的で持続可能な社会の創り手」
この実現のため、**「多様なこどもたちの『深い学び』を確かなものに」**を合言葉に、市の教育施策を推進していく必要があります。
3. 提言の3つの柱(重点施策の方向性)
国の改訂議論を貫く「3つの方向性」に基づき、弥富市として取り組むべき重点施策を提言します。
柱1:「深い学び」の実現に向けたデジタル・探究基盤の整備 (Excellence)
質の高い教育を実現し、生きて働く確かな知識を習得させるため、市として以下の環境整備を推進する。
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情報活用能力の抜本的向上への支援:
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国の動向(小学校「情報の領域」、中学校「情報・技術科」の検討)を見据え、市内の学校におけるデジタル端末やネットワーク環境のさらなる充実を図る。
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デジタルを全ての学習の基盤とし、こどもたちの情報活用能力を高める授業改善を支援する。
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探究的な学びの推進:
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こども一人ひとりの「好き」や「得意」を原動力とした探究学習が充実するよう、地域素材の活用や外部連携を市が積極的にサポートする。
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柱2:多様性を包摂する柔軟なカリキュラム編成の支援 (Equity)
こどもたちの多様な背景(外国籍、不登校、特異な才能等)を「個人の力・社会の力」に変えるため、誰一人取り残さない仕組みを作る。
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柔軟な教育課程への対応:
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今後国が創設を検討している「調整授業時数制度」や「裁量的な時間」を、市内の各学校が実態に合わせて効果的に活用できるよう、ガイドライン策定や人的支援を行う。
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個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実:
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多様なこどもたちが共に学び、対話を通じて「納得解」を形成する経験ができるよう、協働的な学びの場を保障しつつ、ICT等を活用した個に応じた指導体制を強化する。
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柱3:持続可能な学校現場のための「余白」の創出 (Feasibility)
教職員とこどもの双方に無理がなく、持続可能な学校現場を実現する。
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学校の「余白」創出に向けた環境整備:
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教育課程の詰め込みすぎを防ぎ、こどもたちが主体的に活動できる時間的・精神的なゆとり(余白)を生み出すための施策を講じる。
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教職員の働き方改革と専門性向上:
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教職員が「学びをデザインする高度専門職」としての役割を果たせるよう、過度な負担を軽減する業務改善を強力に推し進めるとともに、新たな教育課題に対応するための研修機会を確保する。
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4. 結び
次期学習指導要領への改訂は、単なるカリキュラムの変更ではなく、学校教育の在り方そのものの転換を求めています。弥富市は、この変化を好機と捉え、社会全体で多様なこどもたちの未来を拓く教育の実現に向けて、上記提言に基づく施策を着実に実行していくことを強く求めます。
📚 次期学習指導要領:改訂のポイントまとめ
教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)
令和7年9月25日
教育課程企画特別部会
このたび,教育課程企画特別部会論点整理がとりまとめられましたのでお知らせいたします。
- 教育課程企画特別部会 論点整理(PDF:5.1MB)
- 教育課程企画特別部会論点整理 参考資料集(1/3)(PDF:9.1MB)
- 教育課程企画特別部会論点整理 参考資料集(2/3)(PDF:8.7MB)
- 教育課程企画特別部会論点整理 参考資料集(3/3)(PDF:9.1MB)
🎯 全体の目標(ビジョン)
これからの学校教育が目指すのは、以下の2つの力を持ったこどもたちを「みんな(社会全体)」で育てることです。
「生涯学び続け、多様な他者と協働し、自らの人生を舵取りできる人」
「民主的で持続可能な社会の創り手」
これを実現するためのキーワードは、「多様なこどもたちの『深い学び』を確かなものに」することです。
💡 改訂を貫く「3つの方向性」
今回の改訂議論は、以下の3つの柱(方向性)をバランスよく(三位一体で)進めることが基本となっています。
- 「主体的・対話的で深い学び」の実装 (Excellence:質の追求)
質の高い教育を実現し、生きて働く「確かな知識」を習得させます。
- より分かりやすく: 学習指導要領をデジタル化・構造化し、使いやすくする。
- デジタル活用: 情報活用能力を抜本的に向上させる(小学校「情報の領域」、中学校「情報・技術科」の検討など)。
- 探究の重視: 知識をただ覚えるだけでなく、実生活で活用できる概念として深く理解する。
- 多様性の包摂 (Equity:公正・包摂)
こどもたちの多様な背景や特性を「個人の力・社会の力」に変えていきます。
- 柔軟な仕組み: 「調整授業時数制度」や「裁量的な時間」を創設し、学校やこどもの実態に合わせたカリキュラムを可能にする。
- 個別対応: 不登校や特異な才能のあるこどもなど、一人一人に合った教育課程を組めるようにする。
- 誰一人取り残さない: 個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させる。
- 実現可能性の確保 (Feasibility:持続可能性)
先生とこども、双方に無理がなく、持続可能な学校現場を作ります。
- 「余白」の創出: 詰め込みすぎを防ぎ、先生とこどもに時間的・精神的なゆとり(余白)を作る。
- 負担軽減: 教師の過度な負担を減らし、働き方改革とも連動させる。
🚀 なぜ今、変えるのか?(背景と課題)
社会の変化に伴い、求められる力が変わってきています。
- 脱・正解主義: 「みんなと同じ正解が出せる」ことよりも、「独自の発想や視点」が価値を持つ時代へ(生成AIの台頭など)。
- 脱・同調圧力: 「同調」ではなく、自分の意見を持ち、多様な他者と「対話・合意」する民主的な力が不可欠。
- 人生の舵取り: 予測困難で流動的な社会(マルチステージの人生)において、自分の興味・関心(「好き」「得意」)を原動力に、自分で人生を切り拓く力が必要。
🏫 具体的な変化のイメージ
教室や学校生活では、以下のような変化が期待されています。
| 分野 | 具体的な取り組みイメージ |
| 教科・授業 | ・「好き」や「得意」を伸ばす探究学習の充実。
・デジタル基盤を活用し、情報活用能力を全ての学習の土台にする。 ・科学的根拠に基づいた効果的な指導法を取り入れる。 |
| 時間の使い道 | ・「裁量的な時間」を使い、こどもの興味や学校の実情に合わせた活動を行う。
・授業時数を適正化し、ゆとり(余白)を生み出す。 |
| 特別活動・道徳 | ・こども自身が学校のルール作りや行事運営に関わる(当事者意識)。
・安易な多数決を避け、「納得解」を作る対話を重視する。 ・多様な意見がある中で、道徳的な価値を判断する力を養う。 |
| 教師の役割 | ・教えるだけでなく、「学びをデザインする高度専門職」へ。 |
✨ まとめ:次期学習指導要領のキャッチフレーズ
これら全てを凝縮した言葉が以下になります。
第一の方向性:「深い学び」
第二の方向性:「多様なこどもたち」
第三の方向性:「確かなもの」
⬇︎
「多様なこどもたちの『深い学び』を確かなものに」
