問題の本質(本丸)は、「予定価格の公表」ではありません。本来は例外であるはずの「指名競争入札」をやめて、全国標準である「一般競争入札」へ移行することです。
競争なき「指名競争入札」が、意欲ある企業の成長を阻む
指名競争入札に固執している結果、弥富市では競争が起きず、意欲があって伸びるべき業者がいつまでたっても伸び悩んでいる可能性があります。
例えば農業の世界は、「やる気のある農業者はどんどん伸ばそう、そうでないところには補助金を出さない」という厳しい状況になっています。ましてや建設業界では、30年前からすでに正しい競争原理が働き、業界の健全な再編(合従連衡)が起こってきているのです。
他地域では30年前から「健全な業界再編」が進んでいる
具体的な話をしましょう。私が知っているある社長は、70歳を機に会社を畳むことを決めました。「もうこれ以上、社員を養って会社を良くしていく気力も体力もない」と。
しかし、彼が育ててきた優秀な職員たちは、これから伸びようとする元気な会社が喜んで引き受けてくれました。中古のダンプや重機も、スクラップにするよりはるかに高い相場で買い取ってくれ、顧客も引き継いでくれたそうです。
つまり、一般競争入札を基本としている他の市町村では、もう30年も前から、こうした正しい意味での業界の新陳代謝が進んでいるということです。
「鎖国状態」の弥富市。必要なのは一時的なパニックを恐れぬ「開国」?
それに対して、弥富市だけがガラパゴス化し、いわば「鎖国状態」にあったと言えるでしょう。
ずっと幕府(市役所)の言うことを聞いていれば安泰だった企業が、いきなり一般競争入札(開国)に直面すれば、確かに一時的なパニックにはなるでしょう。明治維新の時と同じです。
しかし、私は弥富の会社に実力がないと言っているわけではありません。他地域の企業と比べて、実力そのものに大した差はないはずです。必要なのは、その実力を発揮できる「開かれた競争の場」なのです。
