【コラム】1票の価値は「200万円」。官製談合は「私たちの損」であるという事実
今回の弥富市における官製談合事件。なぜ、私たちはこの事件を厳しく批判しなければならないのでしょうか。「自分には直接関係ない」「担当部長が勝手にやったことでしょ?」と思っていませんか?
少し視点を変えて、当たり前だけれどとても重要な「私たちのお金」の話をしてみたいと思います。
🗳 あなたの1票は「200万円の白紙委任状」
皆さんが4年に1回投じる「1票」。これ、弥富市の予算に換算するといくらの価値があるかご存知ですか?
弥富市の一般会計予算は年間約180億円。市長や市議会議員の任期である「4年分」にすると約720億円です。これを弥富市の有権者数で割ると、**ざっくり「1票=約200万円」**になります。
私たちは選挙のたびに、200万円という大金の使い道を託す相手の名前を書いています。しかし、一度投票してしまえば、後から「そのお金の使い方はおかしい!」と思っても、住民監査請求や市長のリコール(解職請求)を行うには膨大な手間がかかり、事実上ほぼ不可能です。 つまり、選挙で投票するということは、**「向こう4年間の200万円分の使い方を任せる、白紙委任状を渡している」**のと同じなのです。
💸 談合の実害=よそより「1割高く」買わされている
「今回の事件、市民に直接の実害はないのでは?」と思うかもしれません。しかし、大ありです。
通常の市町村が適正な入札制度を行えば、公共工事の落札率(市が設定した予定価格に対する契約額の割合)はだいたい85%〜90%に落ち着きます。しかし、弥富市ではこれが99%以上という異常な数字になっています。
予定価格を秘密にしつつ、それが裏で漏れる仕組みになっていたことで、**他市町村よりも「少なくとも1割」、皆さんの税金が余分に支払われていた(=私たちが損をしていた)**ということです。 安藤市長の過去7年間だけでも、他市並みの適正な入札をしていれば消えなかったはずの「4億円以上」の税金が無駄になったおそれがあります。市民1人あたりに換算すれば、数万円のお金が奪われたのと同じです。
🏢 これは個人の犯罪ではなく「組織の問題」です
市長の記者会見を見ていると、「担当部長個人の犯罪」という印象操作をしているように感じられてなりません。しかし、これは明確に市役所全体、組織の問題です。
逮捕された建設部長は、自分がお金をもらうため(収賄)に教えたのではありません。20億円規模の建設工事の積算を、業者がたった1週間でできるはずがないのです。つまり、「誰かが予定価格を教えなければ入札自体が成立しない」という異常なシステムが、市役所という組織の中で事実上できあがっていたと考えるのが自然です。
本来なら、市役所という法人全体が罰せられるべき事件です。しかし法律上それができないため、この問題の根本的な責任は曖昧なままにされようとしています。
📰 知らされない真実と、11月の選択
市の広報誌は、都合のいいことしか書きません。(例えば、国からの補助金730万円をもらい損ねて、皆さんの税金でコッソリ穴埋めしたことなどもほとんど書かれませんでした)。 新聞などのメディアも、警察や裁判所が「違法だ」と確定させない限り、なかなか踏み込んだ記事を書くことができないのが現実です。
だからこそ、私たち市民自身が真剣に情報を集め、目を光らせる必要があります。
今年11月には選挙が控えています。 あなたはまた、200万円の価値がある小切手を、「人柄が良さそうだから」という理由だけで白紙のまま渡しますか? あるいは、投票にすら行かずにその権利を捨てますか?
今回の官製談合事件を「よくある不祥事」としてスルーしてはいけません。これは、私たちの生活費に直結する「税金の使われ方」の重大な問題です。弥富市の現状を、今こそ一人ひとりがよくよく考え、直視すべき時ではないでしょうか。
