農地・農村

サマリー:弥富市農村の危機と持続可能な未来への提言 ~「スポンジ化」の進行と農地賃貸借料問題~

本資料は、弥富市の農村地域が直面する深刻な危機、特に「スポンジ化」(農地の虫食い状態)の進行と、それを加速させている不公正な農地賃貸借料問題に焦点を当て、持続可能な未来に向けた戦略的転換と行政への提言をまとめたものである。

1. 農村地域が直面する危機:「スポンジ化」と耕作放棄

  • 「スポンジ化」の進行: 農地の転用が進み、田園風景が失われつつある。このままでは農地が虫食い状態になり、地域全体の環境悪化や防災機能(水田のダム機能)の低下を招く。

  • 農地所有の「赤字」構造: 高齢化により耕作できない農家がオペレーター(大規模経営農家)に農地を貸し出しているが、賃貸料が安く、土地改良区への賦課金(税金と同等)や固定資産税が高いため、農地を所有しているだけで赤字になる構造となっている。

  • 耕作放棄地の増加: 赤字構造のため農地の買い手は現れず、「タダでもらうより借りた方が得」な状況。このままでは耕作放棄地が増加し、農村環境が崩壊する危機にある。

2. 農地賃貸借料問題:行政の責任と不透明なプロセス

  • 不透明な決定プロセス: 農地賃貸借料は「弥富市農地賃貸借料検討会議」で決定されるが、農地所有者の意見が反映されにくい構成(生産組合代表4名に対し、オペレーター5名、農協7名、市側5名)であり、資料も事前配布されない「アリバイ会議」となっている疑いがある。

  • 信頼できない賃貸借料情報: 市が公表する賃貸借料情報は日付が不正確であり、他自治体と比較して不自然に「最高・最低・平均額が同額」となっている。近隣の飛島村と比較しても著しく低い水準である。一部オペレーターが提示する高い賃貸料(1反あたり1万3,800円)が考慮されていない疑念がある。

  • 市の責任と対応: 農政に精通しているはずの市長が、農家の赤字構造と不公正な賃貸借料を容認している状況である。市側の答弁は事実を盾に責任をはぐらかすものであり、農家の苦境を真摯に受け止めていない。

3. 未来への提言とアクション

  • 賃貸借料決定プロセスの透明化: 検討会議の資料を事前配布し、農地所有者の意見が実質的に反映される仕組みを構築する。

  • 公正な賃貸借料の設定: 実際の取引価格や近隣自治体の水準を考慮し、農家が赤字にならない公正な賃貸借料を設定する。

  • 農家の負担軽減: 土地改良区の合併促進など、賦課金の軽減につながる合理的な対策を講じる。

  • 地域ぐるみの議論: 「廃校跡地利用」だけでなく、地域の暮らしと未来全体をどうするかという視点で、住民参加のアンケートや話し合いの場を設け、透明性のあるプロセスで未来を共創する。

結論:

弥富市の農村は、不公正な賃貸借料制度と行政の不作為によって崩壊の危機に瀕している。農家の「赤字」構造を解消し、公正で透明なシステムを構築しなければ、豊かな田園風景と地域の持続可能性は失われてしまう。行政は農家の声に真摯に耳を傾け、住民と共に未来を築くための具体的な行動を直ちに起こすべきである。

🛑 弥富市農村の危機:「スポンジ化」を止めろ!持続可能な未来への戦略的転換とは 豊かな農村地域を未来へ繋ぐためにの未来と持続可能性 農村地域の「スポンジ化」という課題 豊かな農村地域を未来へ繋ぐために

「廃校跡地利用」でなく これからの地域をどうするかの話し合いを「地域の暮らしと未来を考えるアンケート」試案の改良にご協力ください 

「農村地域の不安について 暮らしづくり 地域づくり 行政は住民の意見を真摯に受け止め、透明性を持ったプロセスを通じて地域の未来を共に築くことが求められている」

「コメ暴騰の裏で一般農家を泣かす弥富市政について、農地賃貸借料問題に現れた弥富市の課題 農地が転用される現象が進行中で、田園の良さが失われつつある」

一般農家に極めて不利な農地賃貸借料について「実際の賃貸借契約では、農家が負担する固定資産税などの公租公課が考慮されておらず、農家にとって不利な条件となっている」 

弥富市農地賃貸借料問題:事実を盾に責任と実態把握をはぐらかす市側の答弁

弥富の緑あふれる農地を守るために 加藤明由活動報告

3月から2期目の議員として引き続き、市政のチェックに邁進しています。

6月定例議会では「農地の賃貸借の課題」について追求しました。「水田はダム」と言われて久しく、田んぼが保水することで浸水被害の軽減化や環境保全など多面的な機能を果たしていることはよく知られています。

しかし、最近では高齢化などにより自ら耕作できずにいわゆるオペレーター(※1)に賃貸する農家が多数を占めるようになっています。しかも、安い賃貸料、高い土地改良区への賦課金(※2)により、農地を持っているだけで赤字が積み上がるという現状で、当然、農地の買い手はありません。

このままでは耕作放棄地が増え、弥富市内の環境は悪くなります。6月定例議会では、この問題に焦点を当てて質問をしました。不利益を被っている当事者である農家の方もまだよくわかっていない課題もあります。その概要を2〜3ページ目にまとめました。

※1 オペレーター:農地を借りて、あるいは農作業を請け負って大規模経営を行う農家。

※2 土地改良区への賦課金:土地改良事業(農業水利施設の維持管理も含め)によって恩恵を受ける農家は組合員となって、土地改良区に賦課金を支払っている。

■アリバイづくりのような正体不明の会議

農地賃貸借料金を検討し、決定している。

■本来、調査すべき賃貸料情報が信頼できない! 賃貸料が不当に安い!

■土地改良区に払う賦課金が高くて、農家が赤字に! このままでは・・・

農政に精通している市長がこの不均衡を容認している?!

前提として・・・

農地の集約化を進める農地中間管理機構

農地の集積・集約化を進めるため、所有者から農地を借り受け、耕作希望者にまとまりのある形で農地を貸し付ける事業を行っている。

県ごとに設置された第3セクターだが、実質の業務は市町村、農協等に委託されている。

農地中間管理事業による農地集積の状況
地区 農地集積面積
鍋田地区 約122.7ha
十四山地区 約280.2ha
市江・弥富地区 約 67.2ha
平成21年12月に制度変更弥富市では賃貸借料が安価に!

平成21年までは、農業委員会が標準小作料を地域ごとに決めていた。農地法の改正により、それ以降は農業委員会が地域の賃貸借料を調査し、その結果(データ)を公表。それを参考にして貸し手、借り手、農地中間管理機構等が賃貸借料を協議、決定する制度になった。弥富市ではどういう理由か、同等の優良農地を有する隣接自治体や三河、岐阜、三重地区より安くなっている。・・・次ページ「農地賃借料情報」参照

賃貸借料を決定する過程の不透明さ

農業委員会(市町村に設置)地域の賃貸借料の実態調査

119

弥富市農地賃貸借料検討会議 賃貸借料を提案、決定

1110

農業委員会が「弥富市賃貸借料情報」を市のホームページで公表

農家が知らない間に農地中間管理機構の賃貸借料が決定

課題1 弥富市農地賃貸借料検討会議の実態が不明瞭 

農地所有者の意見が反映されない?!

検討会議は、弥富市が主催し、出席者は農地所有者の意見を代弁する生産組合代表4名、オペレーター5名、農協関係者7名、市の農業委員会代表、それを所管する建設部職員4名であり、市内で多数を占める農地所有者の意見が反映されにくい構造になっています。

本当に協議しているの?

賃借料の検討会議でありながら、事前の資料配布は一切ありません。それでは農家の代表である生産組合長は農地所有者の意見を反映することは不可能です。形だけのアリバイ会議と見なされても仕方ない状況です。→加藤が議会で質問した結果、市は次回から事前に資料配布を検討すると回答しました。

課題2 賃貸借料情報が信頼できない! 不当に安い!

不正確な日付??

賃借料情報が市のホームページに公表されたのは令和5年の11月10日 。にもかかわらず、この情報は「令和5年1月から令和5年の12月までに締結された」と明記してあります。理解困難です。

他の自治体ではきちっと1年間のデータを調査した上で、翌年の1月から2月に公表をするところが多くあります。

奇妙に揃い過ぎている金額??

他の自治体と異なり、なぜか弥富市は最高額・最低額・平均額が同額 。平成21年12月施行の改正農地法第52条では、農業委員会の農地賃貸借料の情報を参考にして、貸し手と借り手は協議で賃貸借料を決定する手続きになっているのに、どうして最高、最低、平均が同額になるのでしょう。

市の答弁では、「カメムシなどの被害状況や、地区ごとの耕作条件に見合う費用を考慮し、決定された料金」としていますが、公表されている過去の賃貸借料は全て、なぜか各地区とも最高、最低、平均は同額となっています。また検討会議に出席しているオペレーターの一人のホームページには、「1,000平方メートル(いわゆる1反あたり)1万3,800円(平成29年度産コシヒカリの場合)、もしくはお米60キロ」と明記されています。この数字が農地賃借料情報として考慮されていないのは理解に苦しみます。コシヒカリとあいちのかおりは60キロ(1俵)あたり、100円の差(令和5年)しかありません。農道で隣接する飛島村と比較しても大幅に低い額です。

 課題3 土地改良区に払う賦課金が高い! 農家は赤字に陥っている!

土地改良区の賦課金軽減化につながる市の政策は?? 

農家が土地改良区に支払う賦課金(税と同等)や固定資産税を足すと、弥富市のとある農家では1反あたり9千円以上。7千円の賃貸料では農地を所有するだけで赤字になります。このような状態では転用が困難な優良農地(市街化調整区域の農業振興地域・農用地。弥富市内の多くの農地が該当)をタダでもらうよりも借りた方が得です。ましてや買おうという人も現れません。

市は土地改良区へ運営費を助成していますが、賦課金の多くは事務所経費という実態があり、土地改良区の経営の効率化のために土地改良区の合併を促進していくことは、農家の負担を軽減する合理的な対策となることでしょう。

市長は二十数年間、

土地改良区の事務局に勤め、農政に精通のはず。

農家の苦しさや赤字の状況をどう思っているの!?

農村社会の崩壊を防ぐための農地の賃貸借等の課題について 加藤明由議員 6月定例会一般質問

 

「コメ暴騰の裏で一般農家を泣かす弥富市政について、農地賃貸借料問題に現れた弥富市の課題」令和7年3月定例会 一般質問 加藤明由